098 休憩
依頼が終わって少しした所でお昼休憩となった。
「じゃあ、依頼も終わったことだし、俺は護衛依頼の方へ戻るぞ。」
「あ、ああ。」
まだ完全に復活した訳ではなさそうだが、とりあえず返事したので俺は馬車を降りることにした。
「シュウ君、お疲れ様。」
「どんな依頼だったんだ?」
そこにレリウスとサムがやってきた。
「う~ん。何と行ったら良いのか……」
「勿体ぶらないで話せよ。」
「僕も知りたいな。」
錬金術のスキルを教えても良いのか迷うな……
「宝石の大きさを仕分けするお仕事だったよ。」
俺は内緒にすることにした。
「なんだそれ! 俺だって出来る仕事じゃねーか。」
「まぁまぁ、きっと何か理由が有ったんだよ。」
「で、報酬は何だったんだよ。」
「これだよ。」
俺は手持ちの中で一番小さいルビーを見せることにした。
「ぎゃはははっ、何だこの黒い石ころは! 騙されたんじゃねーの?」
「サム、さすがにそれは失礼だよ。シュウ君、この石は何だい?」
「一応宝石みたいだよ。」
「ちょっと見せてくれるかな?」
「良いよ。」
俺はレリウスにルビーを渡しすと、レリウスはそれをかざして調べていた。
「う~ん。僕じゃ良く分らないけど、確かにただの石ではなさそうだね。どのくらいの価値があるんだろうね。」
「前に聞いた時は銅貨1枚程度って言ってたかな。」
「そっか。ちょっとしたお小遣いを稼げたとするなら、良かったかもしれないね。はい、これありがとう。」
満足したらしく、ルビーを返して貰った。
「けっ、歩かないで金まで貰えるなら俺がやりたかったぜ!」
「そうだね。でも、何でシュウ君を指名したんだろうね。」
「そういやそうだ。何か向こうも知ってたっぽいし、その関係か?」
「まぁね。前に露店で知り合って、その時にも同じ作業をやったんだよ。」
「なるほどね。」
レリウスもサムも興味を失ったみたいだみたいなので、この話はこれで終わることにした。
「シュウ、レリウス、サム。ちょっと来てくれ。」
アランさんに呼ばれたのでそちらへと向かう。
「休憩後の話をするぞ。その前に、シュウの方は依頼は終わったのか?」
「終わったよ。」
「よし、ならシュウも護衛の方に回ってくれ。」
「はい。」
「シュウ以外は先ほどと同じ配置で頼む。シュウは俺……いや、エレンと一緒の方が良いか。」
「わかりました。」
「やった~♪ シュウ君と一緒だぁ~♪」
「エレン、遊びじゃないんだぞ。」
「そのくらい分かってますよ~だ!」
何となく不安を感じるのは気のせいだろうか?
「あと少ししたら出発するだろうから、各自適当に休んでくれ。でも、周囲の注意だけは常に行っていてくれ。」
「「「はい。」」」
さて、お昼休憩とは言っても別に昼飯が出る訳では無いのが残念だ。まぁ、いつも昼飯なんて食ってないんだけどな……
まぁ、体は疲れて無いとは言え、精神的には疲れているので、少しゆっくりとさせて貰うとしますか。
もちろん気配察知は起動したままなので、注意は怠っていないのは当然である。
・・・・
「そろそろ出発するぞ。」
「「「はい。」」」
小一時間ほどの休憩が終わってしまった。さて頑張るとしますかね!




