089 パーティ資金
受付カウンターへ到着した。
今回並んだのはイザベルさんのところだった。
「次の方どうぞ。」
「こちらをパーティでお願いします。」
「シュウ君にレリウス君とサム君じゃない。今日も森へ行ってたのかな?」
「はい。」
「どれどれ……ウルフが3匹とゴブリンの耳が21個ね。
処理するからギルドカードを出して貰っても良いかな?」
「「「はい。」」」
イザベルさんがギルドカードを機械に入れて処理をしている。
「はい。シュウ君はウルフで3つの依頼と、ゴブリンが1つ分の依頼になったわ。おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「レリウス君とサム君は、ウルフで6つの依頼と、ゴブリンが2つ分の依頼になったわ。あと8個の依頼が完了すればEランクに上がれるわよ。頑張ってね。」
「「はい!」」
「後は、ウルフが3匹分の解体無しと、ゴブリン討伐5回分の依頼になるから……大銅貨7枚と銅貨7枚になるわね。」
「「おぉ!」」
単純計算でも2万円以上の稼ぎか。悪く無いな。
お金とギルドカードを受け取る。
「本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。
またのご利用をお待ちしております。」
さて、さっさと計算しちゃいますか……
「おい! 幾らだ!?」
「計算狂うから少し黙っててくれ!」
「あ、悪ぃ……」
「えっと、パーティ資金が銅貨7枚と大鉄貨7枚で、1人分が大銅貨2枚と銅貨3枚と大鉄貨1枚だな。」
「「おぉ~!」」
「とりあえず配るぞ。」
俺はレリウスとサムにお金を渡した。
「後はサムの矢代だな。今日何本か駄目になった物って有る?」
「そう言えばそんなこと言ってたっけな! ならバンバン矢を使っても問題無いな!」
「一応そうだけど、パーティ資金に限度もあるからな? 無駄に使うんだったら実費になるぞ?」
「うっ……わーったよ! とりあえず今日駄目になったのは1本だけだ。」
「矢1本って幾ら?」
「物にもよるが、安いので銅貨1枚だな。10本まとめて買うと1本オマケしてくれるけどな。」
「ふむ……ちなみに今持って居るのって全部で何本?」
「初期セットで買って1本駄目になったから、9本だな。」
「じゃあ銅貨10枚渡すから11本買って来なよ。次からは10本を切ったら申請してくれると助かる。」
「おう!」
俺が銅貨10枚を渡すと、サムはホクホク顔で受け取った。
「これはあくまで矢代だからな? 違うことに使ったら二度と矢代は出さないから覚えおいてくれ。」
「うっせ! 何度も言わなくても分かったって!」
釘も差しておいたことだし、これで大丈夫だろう。
「さて、今日はこれで解散かな?」
「だな。」
「そうだね。」
「じゃあ、シュウ君また明日。」
「じゃーな。」
「はい。また明日。」
レリウスとサムはそう言うと冒険者ギルドを出て行った。
さて、俺も帰るとしますかね。
「おっと、忘れる所だった。」
俺はアイテムボックスからホーンラビットの肉を取りだすと孤児院へと帰るのだった。
「シュウ兄ちゃん。お肉は?」
「ほらよ。シスターに持って行ってね。」
「やった~!!」
ミッションコンプリート!
でも、ホーンラビット1匹分のお肉だったため、シチューに一かけらの肉しか無かったのはご愛敬である。




