008 おままごと
「あぅあ(暇だ)。」
あれから数日が経過したが、相変わらずやることが無い。
周りの変化が無いため、鑑定する物も無いしな。精々シスターや子供たちくらいだ。
幸いなことにアンナみたいに秘密を持っている人が居なかったのは幸いだった。
暇ならスキル習得はって? とは言ってもなぁ……
魔法を習得しても確認のしようがないからな。火魔法を使って火事にでもなったら目も当てられん。
と言う訳で、精々気配察知のスキルを習得したくらいだ。
この気配察知は結構融通が利くスキルだったのは良かったな。
範囲は0から100mくらいまでで自由に選べて、察知する対象もすべての生き物から、人だけとかに限定することも出来た。
最初全ての生き物を対象にしたときには死ぬかと思った。まさか細菌まで認識するとは思わなかったよ。
まさか細菌だらけの空間で生活していたとは……(遠い目)
まぁ、納豆を作るのも細菌だし、すべての細菌が悪いって訳じゃないんだけどね。
今は部屋の外5m程度の範囲で対象を人だけにしている。
そんなことを考えていたら気配察知に反応が有った。3つの反応ってことは、いつもの女の子達かな?
「しゅうくん、あんなちゃん、あそびにきたよ~」
「きたよ~」
「きちゃいました~」
やっぱりミーナ、レイラ、カレンの3人だった。
「なにする~?」
「カレン、おままごとがいい~!」
「うん、それがいい!」
「じゃあ、私おかあさん!」
「じゃあ、私はおとうさん!」
「えっと、えっと、こどもで。」
「しゅうくんと、あんなちゃんはあかちゃんね~」
有無を言わさず参加させられるみたいだ。何時ものことだけどね。
「しゅうくん、おっぱいだよ~」
そう言ってお母さん役のおんなのこが服を捲って胸を出してきた。
出したは良いんだけど、ぺったんこのお胸なんだよなぁ……4歳児だから仕方ないけどさ。
それよりいつも思うんだが、たまにこうしてままごととは言え、おっぱいを吸わせようとするんだが、本当に吸った方が良いのだろうか?
ムクムクといたずら心が生えてきた。ええい、ままよ!
かぷっ。
「ひゃん! し、しゅうくん?」
ちゅーちゅーちゅー……
「く、くすぐったい! や、やめてぇ~!
あたしおっぱいはでないからぁ~!」
ちゅぽん。
うん、やっぱりと言うか、当然と言うか、おっぱいは出ないよな。
それにしても、分かっていたとはいえ、幼女のおっぱいに吸い付くのはかなりの背徳感ががが……
もう二度としません。ごめんなさい。
「ミーナちゃん、いいなぁ~」
「ねぇ、おっぱいをすわれるのってどんなかんじ?」
「くすぐったいだけだよ? だったらレイラもすってもらったら?」
「え~」
「わたし、やる!」
「えっ! カレン、ほんとうにやるの?」
「やるの!」
カレンは3人の中で唯一の3歳児で、妹みたいな存在だ。
カレンが洋服を捲っておっぱいを出した。さっきのミーナと同じだな。
「ほら、しゅうくん。」
だが断る!
「あれぇ? どうしちゃったのかな? カレンのこときらい?」
カレンが泣きそうな顔になった。くっ……女の子を泣かせるのは性分じゃないし、し、仕方ない。俺は先ほどの誓いを破って行動することにした。
かぷっ。
「うわっ!」
ちゅーちゅーちゅー……
「ふわぁ……しゅうくんがわたしのおっぱいをすってる……」
何かミーナとは反応がさっきと違う? 目がトロンとして幸せそうな顔をしている。
ちゅぽん。
何となく危険を感じたので、おっぱいを離すことにした。
「あっ……」
カレンが残念そうな顔をした。
「カレン、どうだった?」
「なんかしあわせ~ってかんじ?」
「わたしはくすぐったいだけだったのに、へんなの。」
何だろう? カレンは母性本能が強い子なのかな? 良く分らん。
「そろそろいこっか。」
「そうだね~」
「じゃあ、しゅうくん、あんなちゃん、またね~」
そう言って3人は部屋から出て行った。ふぅ、終わったか。
一息つくと、何処からか視線を感じたので、そちらを向くと、アンナがジーっとこちらを見ていた。
お願いされたからしただけで有って、何も悪いことはしてないと……してないよね? た、多分していないと思うのだが、俺は背中に一筋の汗がツーっと流れた様な気がした。
(えっと、その、あの、ご、ごめんなさい!)
俺は何となく謝らないと駄目だと思ったので、心の中で謝まっておくことにしたのだった。
ホント、すいませんでした~!!




