表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/402

077 ビックボア


あれから4グループ(パーティ?)のゴブリンを倒した。

2対3で戦ってみたいと言うことで、俺は見学だ。

まぁ、危なげなく倒せているので、全く問題は無かったけどね。

基本、レリウスが2匹を受け持って、サムが1匹づつ倒して行く戦法だ。



「それにしても、ウルフ見つからねーなぁ。」


「居ないねぇ。」


「まだ時間も有るし、頑張って探そうよ。」


「しゃーねーな。」


「孤児院のためにも、頼むよ。」


「お、おう。べ、別にシュウのためにやるんじゃねーんだからな。あくまで孤児院のためだからな。」


「わかってるよ。」



相変わらずサムはツンデレだな。しかし、このパーティに女性が居なくて助かったよ。下手したら薄い本にされていたかもしれない。

……ちょっと嫌な想像をしてしまった。忘れることにしよう……


追加でゴブリンと2回ほど遭遇した後、1つの反応を見つけたのだった。



「居たぞ。でも1匹だけだ。どうする?」


「はぐれゴブリンかな?」


「わかんねー」


「シュウ君!」


「はいよ!」



俺はアイスアローを発動させて狙撃を起動させる。スコープに映ったのは大きなイノシシ……いや、ビックボアだ。

様子からして、こちらにはまだ気が付いて無いみたいだ。



「ビックボアみたいだね。こっちには気が付いて無いみたいだよ。」


「倒せるかい?」


「やってみないことには分からないけど、多分?」


「よし、とりあえずやってみよう。倒せなかったら即逃げるで良いかな?」


「問題無い。」


「了解です。」



狙いを定めているときに思い出した。確かイノシシの頭蓋骨って正面から猟銃で撃つと、銃弾を弾き飛ばすって聞いたことが有ったな。

ビックボアはイノシシと違ってもっと堅いかもしれない。大丈夫か?

試してみて駄目だったら怖いので、目を狙ってみることにした。目なら柔らかいからな。

照準を頭から目に移動させて……



「行けっ!」



俺はアイスアローを発射した!

アイスアローは寸分狂わず、ビックボアの目へと着弾した。



「プギャー!」



どうやら当たったのは良いのだが、倒すまでには至らなかったみたいだ。ビックボアは痛みで怒り狂っている。



「逃げるぞ!」


「「おう!」」



倒せなかったので、俺達は当初の計画通りにその場を離れ、逃げることにした。

気配察知の範囲外へと出たらしく、ビックボアの反応は無くなっていた。どうやら無事に逃げられたみたいだ。



「もう大丈夫みたいだぜ。」



サムの言葉で俺達は足を止めることにした。

一息ついて余裕が出来た俺は、先ほどのことを思い出してみた。



「狙う場所が悪かったのかなぁ……」


「何処を狙ったんだい?」


「最初頭を狙おうと思ったんだけど、もしかしたら弾かれるかもしれないと思って、目を狙ってみたんだ。

 しっかりと目には当たったんだけど、倒すまでには至らなくて……」


「そうだったんだね。」


「なぁ、片目なら近接でも行けんじゃねーのか?」


「うーんどうだろう? 手負いの敵は厄介だとも聞くしね。」


「だったらもう1個の目も潰せばいーじゃんかよ。」


「ふむ……シュウ君、出来るかい?」


「場所と言うか、向いている方向にもよるかな。」



当てたのは左目だ。なので先ほどとは反対方向を向いてくれないと右目には当てられないからな。



「とりあえず行ってみて、それから考えてみようか。」


「俺は構わないぜ!」


「はい。」



全員の了解が得られたので、先ほどの狙撃地点へと向かってみることにした。



「居た。」



先ほどの場所に居たのは良いのだが、何故かウルフ3匹と戦闘中だった。

多分、手負いのビックボアを見つけて戦いを仕掛けたのだろう。

確かに上手く死角へと移動することで、ウルフ優位で戦闘をしているみたいだ。



「レリウス、どうするんだ?」


「どうするも何も、あそこにツッコんだら自殺行為だよね?」


「ちげぇねえ。」



ウルフ3匹なら並列起動での狙撃で問題無く倒せる。問題はビックボアだ。

アイスアローの大きさを銃弾サイズから砲弾サイズに変えたら、もしかしたら行けるか?

物は試しでやってみるか。


俺はアイスアローを4つ発動させた。ただし、その内の1つは砲弾サイズだ。

ウルフは激しく動いているが照準はオート狙撃にお任せするとして、ビックボアの何処を狙おう。

そうだな。無難に首を狙うのが良いか。なら後はタイミングだけだ。


ビックボアはグルグルとウルフを追い回しているから問題無いとして、ウルフ3匹が同時に見えるタイミングか……

俺が意識を集中をすると、高速思考の影響で世界がゆっくりへと変化する。そしてここぞというベストタイミングが訪れた。



「今だ!」



飛ばしたアイスアローは狙った通りに着弾した。

ウルフは3匹とも即死だが、ビックボアはまだ息が有るみたいだが致命傷だ。



「行くぞ!」


「おう!」


「えっ、あ、おう!」



レリウスの号令で、サムが一緒に走り出す。俺は狙撃に集中していたために出遅れてしまった。

まぁ、ビックボアは虫の息だし、問題は無いだろう。



「てやぁ!」



サムの短剣での攻撃では今一つ大した傷はつけられなかったが、誘導と言う意味では正解だ。

レリウスが全身を使っての突きが、ビックボアへと深く突き刺さる!


ドサリ……


その攻撃がトドメとなり、ビックボアは倒れたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ