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066 ランクアップ


受付カウンターに戻って来た俺達は、早速ランクアップの手続きをしてもらうことにした。



「じゃあ、ギルドカードを出してくれるかな?」


「はい。」



俺がギルドカードを渡すと、機械に通して処理をする。

更新されて排出されたカードは今までの石のカードでは無く、鉄のカードに変わっていた。短い付き合いだったな。



「はい。これでシュウ君はEランクに昇進しました。おめでとうございます。」


「ありがとうございます。」


「そしてこちらが報奨金になります。」


「あ、ありがとうございます。」



金貨なんて初めて見たよ。思ってたより金色をして無いんだな。純度が低いんだろうか?



「そう言えば、今回ランクアップの試験を受けて無いんですが、良いんでしょうか?」


「今回はギルドマスターの権限による昇進なので、大丈夫ですよ。

 それに、FランクからEランクには試験は有りませんしね。」


「そうなんですね。」


「次のDランクに上がる時は試験が有るから頑張ってね。」


「はい。」


「本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。

 またのご利用をお待ちしております。」



こうして俺は思いがけず、あっという間にEランクへと昇進したのだった。



「時間はまだ早いし、折角だからEランクの掲示板でも見に行ってみるか。」



俺はEランク掲示板へと向かい、依頼を眺めてみた。



「ふむ、Eランクになると森での依頼が増えるのか。」



常時依頼にウルフやゴブリンが追加されていた。

そう言えばウルフの肉や毛皮を持ってるから依頼を完了させるのも可能なのか。

あれ? 討伐証明にウルフの牙? そんなの持ってないぞ? マジか、捨てちゃったよ……


それにしてもEランクからはパーティ推奨の依頼ばっかりだな。

ウルフって単独で狩る魔物じゃないんだな。知らんかったよ。

確かにチートを持ってたから狩れたけど、そうじゃなければ厳しいのは間違い無いか。



「パーティかぁ……」



ローザは居なくなったし、ミーナ達はランクを上げるつもりが無い。今の所ソロでも問題は無いのだが……



「シュウ君じゃないか。」


「ん?」



名前を呼ばれたので振り向くと、解体講習で一緒だったレリウスが居た。もちろんサムも一緒である。



「あ、こんにちは。」


「何か依頼でも受けるのか? でも、ここはEランクだから違うぞ?」


「あ、いえ、実は今日、Eランクに上がりまして。」


「何だと! おいズルとかしたんじゃないだろうな!」



突然サムが会話に割り込んできた。相変わらず突っかかって来るな。



「ズルかどうかはわからないけど、ギルドマスターの権限で上げて貰った。」


「はぁ!? 何でギルドマスターがお前なんかに?」


「僕も気になるな。何をしたら上げて貰ったんだい?」


「えっと、ホーンラビットの魔石を見つけたら、新発見だと言われて上がったんだよね。」


「えっ? シュウ君はホーンラビットを狩れるのかい?」


「一応は。」


「凄いな。僕達は2人でやっと狩れるくらいなのにな。」


「どうせ何かズルでもしてるんだろうが。」


「おい、幾らなんでもシュウ君に失礼だぞ。」



チートがズルと言えばズルになるのかもしれないけどね。確かにそんなに苦労した覚えも無いしな。



「ほれ見ろ。黙っているのが良い証拠だ。」


「おい! 止めるんだ!」


「あ、いえ、良いです。確かにズルなのかもしれないので。」


「その根性を叩き直してやる! 勝負しろ!!」


「サム!」


「レリウスは黙れ! これはこいつの矯正のための戦いなんだ!」


「サム……」


「分かりました。どうすれば良いんですか?」


「修練場に行くぞ!」



突然サムとの勝負をすることになってしまったが、どうなるんだろうな。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 「あ、いえ、良いです。確かにズルなのかもしれないので。」 ずるを、もししてたとしても、どこが悪いの?子供の喧嘩だから仕方ないね。
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