063 講習前に
ここ3日間は狩りでは無く、薬草集めに躍起になっていた。
だって、ホーンラビットに食べられないから結構生えていたんだもん。正直雑草か! ってくらいに増えたのは何とも言えなかったが……
お陰様でHP回復薬草だけで在庫が100本も超えちゃったよ(汗)
逆に毒薬草とかについては何時もの通りだったのは言わずともだけどね。
さて、今日は解体講習を受ける日だ。楽しみである。
と言う訳で冒険者ギルドへとやってきた。指定されている時間より少し早いが問題無いだろう。
早速イザベルさんのところへ向かうことにした。
「次の方どうぞ。」
「おはようございます。解体講習を受けに来ました。」
「シュウ君おはよう。今日も元気一杯ね。
解体講習は納品カウンターへ行って、ディアナに声を掛ければ良いから。」
「わかりました。じゃあ行ってきます。」
「頑張ってね。」
俺は言われた通りに納品カウンターに向かうことにした。
納品カウンターにはディアナさんと、初心者らしき若い男性の冒険者が2人ほど居た。
とりあえずディアナさんの所へ向かうことにした。
「おはようございます。解体講習を受けに来ました。」
「あら? シュウ君だったよね。君も受講するのかな?」
「はい。」
「えっと……確かにリストにシュウ君の名前が載ってたわね。じゃあ時間までその辺で待っててもらえるかな。」
「わかりました。」
俺は納品カウンターから離れて待っていると、同じく待っている冒険者2人が声を掛けてきた。
「君も解体講習を受けるんだね。」
「あ、はい。今日は宜しくお願いします。」
「けっ、こんなガキに解体なんかに出来るかっての。」
「おい、失礼だぞ!」
「いえ、気にしてませんので大丈夫です。」
「くっ! どうせガキだから血を見たら逃げだすんだろうに。いい迷惑だ。」
何でこの人は突っかかってくるんだ? 記憶に無いから多分初対面だよな?
「あの、何処かでお会いしたことありましたでしょうか?」
「うっせー!」
「ったく。俺の仲間がすまんな。こいつは前に君がエレンさんに抱き着かれているのを見て、嫉妬してるんだ。」
「なっ! 違っ!」
「はぁ。」
溜息しか出んわ。まぁ、美人なエレンに憧れるのは分かるけどさ、突っかかる相手が違うだろ?
「えっと、エレンさんは、俺の名付け親って理由が有るから、それで構ってくるだけですよ?
だから俺からしたら尊敬はしてるけど、それだけですよ。」
「そうなのか!?」
「はい。それにエレンさんは、アランさんと出来てるんじゃないですか。」
「うっ!」
まぁ、あのイチャイチャぶりを見たらねぇ? 多分周知の事実だと思う。
そう考えると、やっぱり俺に突っかかってきたのは解せないのだが……
「受講する皆さん。時間になりましたので解体場へと移動して下さい。」
そんなことを考えたら、ディアナさんが講習開始の連絡をしてきた。
「ほら行くぞ。」
「分かってるよ!」
「ほら君も行こうか。」
「あ、はい。えっと。」
「そう言えば名乗って無かったね。僕はレリウスって言うんだ。こいつはサムでFランクでPTを組んでいるんだ。」
「えっと、俺はシュウで同じFランクです。」
「シュウ君。よろしくね。」
「こちらこそ宜しくです。」
「けっ!」
俺はレリウスさんと握手をしたが、サムと言われた男性は……まあ良いか。




