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061 魔法


次の日になり、俺は街の外へとやってきた。



「さて、今日はどうしようかな。」



昨日で孤児院へのお金を納めたから今日は何をしても問題はない。

解体講習は4日後だから、それまでは特に予定も無い。



「とりあえず獲物でも探しますか。」



とは言っても、今のところ、周囲にはホーンラビットの反応は無いみたいだ。

仕方が無いので薬草を探しつつ、移動することにした。



・・・・



「くそっ、全然見つからない。」



やっぱりこの辺りは狩りつくしたらしく、全くホーンラビットどころか穴ネズミの姿も見当たらなかった。

だけど、悪い事ばかりでも無かったのだ。なんと薬草がちらほらと生っているのを見つけることが出来たのだ。

まぁ、単純にホーンラビットが居なくなった御蔭で、食われなかっただけだろうけどね。

俺はせっせと薬草を集めるのだった。



「あれ?」



薬草採取に夢中になっていたせいで、気が付くと森の近くまでやってきてしまっていた。

森の中からは、幾つかの反応も感じていた。そのせいで森の近くに来ていたことに気が付いたんだけどな。


森は初心者冒険者には危険な場所と言われていたので、今までは森には近づかなかったんだが、どうしたものか……

だが、久々の気配察知の反応だしなぁ……



「ちょっとくらい見てからでも良いかな。」



反応は同じ場所に3つ有ったので、狙撃を発動して確認してみた。



「アレは……犬か?」



何となく見覚えが有る。俺がこの世界に来た時に襲われた犬だった。いやウルフだったか?



「あっ!」



狙撃するか悩んでいると、ウルフがこちらの存在に気が付いたらしく、一鳴きすると走り出した。



「まずい!」



俺は即座にアイスアローを展開し、狙撃の準備をする。

しかし3匹同時ってのに焦ってしまい、照準が合ってないにも係わらず発射してしまった。



「ギャン!」



1匹の背中に当たったが、致命傷には程遠いが行動を遅らせることは出来たみたいだ。

だが残りの2匹は、もう10m程の距離まで迫ってきていたため、狙撃をするのは無理だな。

俺はアイテムボックスから石を取り出す。



「武器制作!」



何とか武器を作るまでは出来たがそれまでだった。ウルフ2匹が飛び掛かってきた!



「うわっ!」



俺は、思わず目を瞑り、条件反射で身を守るためにウルフへと手をかざした。



「「キャイン!」」



何かに衝突する音と共に、ウルフの泣き声が聞こえた。衝撃は未だにやってこない。

俺は恐る恐る目を開けると、手をかざした先に透明の壁が有った。



「あれ? これ何処かで見たことが……あっ!」



思い出した! 確か赤ちゃんの時に使った記憶が有る。確か魔力盾だったな。

ウルフは魔力盾の前で唸りを上げながら様子を見ている。そして遅れたウルフも追いついたみたいだ。


魔力盾の御蔭で気持ち的にも余裕が出来た俺は、反撃をすることにした。

アイスアローを発動して狙撃を起動することで目の前にレンズが現れたのだが、こうも敵との距離が近いと逆に使いづらいな。

そんなことを思っていると、レンズが消えて直接ウルフのの頭にレーザーサイトみたいな感じに照準が現れた。



「これはっ!? とりあえず行けっ!」


「キャイン!」



アイスアローを飛ばすと、照準の通りに飛んでいき、1匹を倒すことができた。

仲間をやられたウルフ達は倒された仲間を見ると激しく襲い掛かってきた。



「ガウッ!」



だが魔力盾に防がれたために、近づくことが出来ない。

俺は次のターゲットに狙撃を起動すると、レンズ無しの照準が現れた。



「ずいぶん使い勝手が良くなったが、1匹づつ倒すのも面倒くさいな。同時に倒せないものか。」



そんなことを考えていると、何となくアイスアローが複数撃てる様になったと理解することが出来た。



「あっ、もしかして!」



-----------------------------------------

名前 :シュウ

年齢 :6

種族 :神族

状態 :普通


LV :4

HP :25/25

MP :48/70


STR:12

VIT:9

AGI:12

INT:13

DEX:9

LUK:99999


スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術、剣術、オート狙撃(改)、並列起動


称号 :異世界転生者

-----------------------------------------



「やっぱり!」



オート狙撃がオート狙撃(改)になってるし、並列起動ってスキルも増えていた。

試しにアイスアローを2つ発動させると、2匹のウルフに対し照準が現れた。



「行けっ!」



俺の掛け声と共に、アイスアローは2匹の頭を見事撃ち抜いたのだった。



「すげー!」



気分は何処かの種に出て来るアレを思い出した。

俺はウルフ3匹をアイテムボックスに収納した後、イザと言う時のために、このスキルが何処まで使えるのかの実験を行ってみることにした。


まずは先ほど使用できたアイスアロー2つを発動させた。もちろん問題無く発動出来た。

そしてもう1つ発動してみると、新たに照準が1つ増え、これも問題な無かった。

どんどん追加していくと、アイスアローが59本になったところで発動しなくなった。



「と言うことは、59本が限界なのかな? 何か中途半端な数だな。」



新たにスキルが増えている可能性も有るので確認してみることにした。


-----------------------------------------

名前 :シュウ

年齢 :6

種族 :神族

状態 :普通


LV :5

HP :34/34

MP :0/83


STR:14

VIT:11

AGI:15

INT:16

DEX:11

LUK:99999


スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術、剣術、オート狙撃(改)、並列起動


称号 :異世界転生者

-----------------------------------------


違った。MPが0になっていたので、どうやら59本で打ち止めになったのは、スキルのせいでは無く、単なるMP不足だったみたいだ。

後、いつの間にかレベルが上がっていたのだったのは嬉しい誤算だったな。


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