057 狙撃
さて、今日も街の外に行って薬草集めに勤しむことにしよう。
常時依頼だから受付する必要もないため、直接街の外へと向かうことにした。
街の外はやっぱり広々としていて気持ちが良いな。よし、今日も1日頑張るぞ~!!
と言う訳で、俺は目ぼしい草に対し、鑑定を掛けて行く。
「おっ! 早速見っけ! これは幸先良いな。」
だが見つけたのは毒薬草だ。つーか昨日から毒関係の薬草しか見つけてない。回復は何処だ!?
考えられるのは街近郊は他の冒険者によって取りつくされた。又は生える場所は森みたいな場所で、そう言った草原には生えないとかだ。
でも、薬草全集に生えてる場所の記載は無かったんだよなぁ~
「ん?」
視界の端で何かが動いた様な……あれはウサギか? いや、角が有るってことはホーンラビットか。
そーいや気配察知は切ったままだったっけ。俺は気配察知をONにするが、ホーンラビットの気配は感じられなかった。
「あれ? 何で? ……あっ! そうか! 色々感知しちゃうから人のサイズにしたんだっけ。」
俺は慌てて人のサイズからウサギサイズ……いや、何が有るかは分からないし、ネズミサイズくらいまでに変更してみた。すると、例のホーンラビットの気配を感じることができた。
「それにしても、気が付かなかっただけで半径100mの中に5匹も居るのか……」
もしかしたらネズミの可能性も有るが、とりあえず今の所は良いや。
折角見つけた獲物だ。狩ってみようと思う。とは言え、これ以上近づくと気付かれて逃げられるかもしれない。どうすれば良いだろう。
ちなみにホーンラビットとの距離は約40m程だ。もちろん武器は届かないし、投げても当たらないと思う。
なら魔法か? アークシェイクで動けなくして倒すのも良いが、どうせならここから仕留めたいな。
アイスアローで行けるか? 狙った所に飛ばせるとは言え、この距離であの大きさはちょっと自信が無いな。
せめてライフルのスコープみたいな物でも有ればいのに……
そんなことを考えていたら目の前にレンズが現れた。
「何だこれ?」
レンズを覗くと、望遠鏡のように拡大されて見えた。どうやらホーンラビットはお食事中らしい。
「まさか!?」
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :43/53
STR:8
VIT:5
AGI:7
INT:6
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術、剣術、狙撃
称号 :異世界転生者
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何と狙撃のスキルを習得していた。
とは言っても、単なる望遠鏡じゃ当たる気がしないんだが、どうすれば良いんだろうか?
何となく指で鉄砲の形を作ってみた。
「おぉ!」
何とスコープに〔+〕の模様が現れた。これって照準か!?
「さっきよりマシだけど、もうちょい拡大出来れば良いんだけ……おぉ!」
何と意識するだけでズーム、ズームアウトが行えた。
「これなら当たりそうだ。照準を頭に合わせてと……」
そして心の中で引き金を引いた!
が、何も起こらなかった。
「あれ?」
そしてホーンラビットはこちらに気が付くことが無く移動してしまった。
今はホーンラビットのことは置いておいて、とりあえず狙撃のスキルを調べてみることにした。
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【狙撃】
狙撃をするために、空気抵抗を計算して照準を合わせることが出来る。拡大縮小可。
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ふむ……これを見ると、狙撃そのものをする訳では無く、狙撃を補助するためのスキルっぽいな。
と言うことは弓みたいな武器や魔法と組み合わせて使うで良いのかな?
物は試しでやってみよう。
ホーンラビットは10m程移動した後にまた草を食べ始めたみたいだ。
スコープを覗くとしっかりとその姿を確認出来た。
俺はアイスアローを発動させる。氷の大きさは狙撃に適したライフル弾のサイズだ。
すると、スコープに照準が現れた。どうやら何かしら遠距離攻撃をする準備をすると照準が現れるみたいだ。
さっきの指もきっと効果が有る無しに関係なく攻撃と見なされたんだろう。
「照準を頭に合わせてと……行け!」
すると、アイスアローは狙った場所へと飛んでいき、見事ホーンラビットの頭を打ちぬいた。
「スゲー!」
本来の狙撃だと、照準そのものの場所に当たることは近距離以外ではほぼあり得ない。唯一例外は競技用にも使われているレーザーライフルくらいな物だろう。
それなのに、このスキルは正に狙った場所そのものに命中するんだもん、凄いスキルだと思う。
動いている敵に対してはどうなるか分からないが、何となく当たるんじゃないかと思ってる。チートだしな。
とりあえず倒したホーンラビットの所へ向かうことにした。
ホーンラビットは頭をしっかりと打ち抜かれており、即死していたのが確認できた。
そして、俺はふと有ることに気が付いた。
「俺、解体出来ないじゃん。」
確か血抜きとかしないと肉が不味くなるって聞いたことが有った。
とりあえず解体は後回しにアイテムボックスへ収納しておくことにした。此処なら時間の経過が無いから新鮮なままだからな。
「さて、残りの4匹も倒しちゃいますか。」
と思ったのだが、どうやら1匹が気配察知の範囲外に出てしまったらしく、確認出来たのは3匹だった。
「まあいいや、とりあえずコイツを狙撃してみるか。」
その内の1匹をターゲットにして狙撃を発動させる。
「確かこの辺りだと思うんだけど……居たっ!」
距離は70mも有るが、全くもって問題無い。手ブレも無いからハッキリクッキリだし。
「丁度草を食べようとしているところだが残念だったな。あばよ!」
俺はアイスアローを発射した。命中! やっぱり使い勝手が良いなこのスキル。
ただ、正直贅沢を言うと、いちいち照準を合わせなくちゃならないのが面倒くさい。もう少し簡単に出来無いだろうか?
倒したホーンラビットを回収したので、次の獲物へと移る。
移動したせいで気配察知の範囲には1匹しか無かったが、まあ良い。次の獲物はコイツだ!
ターゲットの獲物に対し狙撃を発動させると、照準が自動的にターゲットの頭へと移動した。
「あれ? もしかして!?」
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :32/53
STR:8
VIT:5
AGI:7
INT:6
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術、剣術、オート狙撃
称号 :異世界転生者
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「オート狙撃に進化してる!?」
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【オート狙撃】
狙撃をするために、空気抵抗を計算してオートで照準を合わせることが出来る。拡大縮小可。オート機能のON/OFF可。
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物凄く便利になってくれた。これは正直嬉しい。
しかもオートもON/OFFが可能ってことは殺さないでの無効化も対応可能ってことだからな。
「さて機能の確認も済んだことだし、次のターゲットは……ネズミか。」
このネズミが金になるのかは分からないが、とりあえず倒すとしますか。
体が小さいから先ほどの弾より4分の1ほど細くしてと……行けっ!
命中!
もちろん問題無く倒すことが出来たので回収しておいた。
「次のターゲットは……居ないか。」
どうやら範囲内には居ないみたいだ。残念。
そう言えば残念で思ったのだが、前の犬の時も同様で、今回のホーンラビットについても、殺すことに対しての嫌悪感が無いんだが、何でだろうな。
とは言っても別に快楽殺人をしたいって訳でも無いのだが……う~む。
「まあ良いか。」
この世界で生きていくには必要なことと納得することにした。




