表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/402

055 薬草採取


休みを取った御蔭で気力も十分になった俺は、いよいよFランクの依頼に挑戦してみようと思う。

と言う訳で、冒険者ギルドへとやってきました。そして、いつもと違うFランクの掲示板へと向かうのであった。



「どんな依頼が有るかな?」



まず目に付いたのは、薬草採取の依頼だ。うんうん冒険者としての依頼の基本って言ったらコレだよね。

後はゴブリンの討伐だ。これも外せないよね。

後はホーンラビットの肉の納品や、木の伐採等、街の外での依頼が色々と追加されていた。



「そうだな、やっぱり基本の薬草採取は外せないよな。」



薬草採取の依頼は、常時依頼で受付カウンターで依頼を受けずとも問題ないみたいだ。

たけど1つの依頼の完了するには100本分の薬草を納めないと駄目らしい。

ただ、100本まとめてでは無く、1本でも良いから収めた数が加算されていき、合計で100本になった時点で依頼完了となるらしい。

どうやら何かの依頼のついでに採取ってことで充分みたいだ。

ちなみにゴブリンも常時依頼で、10匹分の右耳を集めると、1つの依頼となるみたいだ。覚えておこう。



「そうと決まれば、薬草採取へ出発~♪」



俺は冒険者ギルドを後にして街の外へ向かうことにした。

街の門までやってくると、門番が立っていたので声を掛けてみた。



「街の外に出たいのですが。」


「ん? 君1人? 親御さんは?」


「えっと、1人じゃ駄目なんですか?」


「駄目では無いが、こんなに小さい子供が1人外に出るのは危ないよ?」


「依頼でも駄目なんですか? これでもFランク冒険者なんですが……」



俺はそう言ってギルドカードを提示した。



「何だ、冒険者だったのか。だったら怪我するのも自己責任だな。通って良いぞ。」


「ありがとうございます。」



俺は頭を下げて門番の前を通り過ぎる。



「そうそう。街の外に出る時は別に何も手続きは必要無いからな。

 もし聞かれたら、冒険者と言えば大丈夫だ。」


「分かりました。ありがとうございます。」


「気を付けてな。」


「はい。」



さぁ、いよいよ街の外だ。俺達の冒険はこれからだ!!













と、最終回っぽくしてみたが。終わりじゃ無いからな?

しかも俺達って言ってはみたが、実際は俺1人だけじゃん(涙)


き、気を取り直して、久々に見る街の外の景色は壮大だった。

街の周辺は草原が広がり、その向こうに森が見えている。

何だか知らないが、ワクワクしてきたぞ!



「さて、薬草を探すとしますか! ……って、俺、薬草がどんなのか知らないじゃん!」



とりあえず適当に足元にある草を鑑定してみることにした。


-----------------------------------------

【ぽんぽん草】

そこら辺に生えている雑草

-----------------------------------------


うん。知ってた。じゃあこっちのは?


-----------------------------------------

【ウシクサ草】

そこら辺に生えている雑草

-----------------------------------------


ま、まぁ、そうだよね。

要は適当に探してもダメってことですよね。



「仕方がない。冒険者ギルドに戻って調べて来るか……」



俺はUターンして街の中へと入るのだった。



「ん? さっきの子か。どうしたんだ?」


「忘れ物をしたので戻ってきました。」


「そうか。一応君が誰で問題が無いことは分かってはいるのだが、規則だから従ってくれ。

 住民証、またはそれに準ずるものを提示して下さい。」


「はい。」



俺はギルドカードを提示した。



「よし、問題無し。通って良いぞ。」


「ありがとうございます。」



俺は無事(?)に街の中へと入ることが出来たのだった。ちゃんちゃん♪

そんなこんなで、俺は冒険者ギルドの図書室へとやってきた。



「こんにちは。図書室を利用したいんですが。」



俺は挨拶すると共に、ギルドカードを司書さんへと渡した。



「はい。カードを預かりましたので、ご自由にどうぞ。」


「はい。それでですが、薬草関係の本って有りますでしょうか?」


「ちょっと待っててね。」



司書さんはそう言うと、本棚から1冊の本を持って来てくれた。



「これが薬草に関する本になります。」


「ありがとうございます。」



俺は本を受け取り、空いている席に座って読んでみることにした。

タイトルは『薬草全集』か。どれどれ……



・・・・



一応イラスト付きで描かれているのは助かるのだが、どの薬草も似たり寄ったりの形をしているから判別がつねーじゃんかよ!

しかも解毒用の薬草と回復用の薬草なんて、葉っぱの模様しか変わんないぞ? こんなの無理じゃん!

もしかして他の冒険者も適当に取ってきて、冒険者ギルド任せにでもしているのだろうか?

一度イザベルさんにでも聞いてみるのも良いかもしれない。

本を返却した俺は、受付カウンターへ向かうことにした。



「次の方どうぞ。」


「すいません。ちょっと聞きたいことが有りまして。」


「あらシュウ君じゃない。どうしたの?」


「えっと、薬草採取の依頼を受けようと思ったのですが、薬草の見分けがつかなくて、他の冒険者ってどうしてるんですか?」


「あーなるほどね。うんうん分かる分かる。」



イザベルさんが腕を組んで首を振っていた。



「シュウ君。この薬草採取の依頼だけど、どの種類の薬草でも構わないから納品されると1本ってカウントされるの。

 もちろんただの雑草はカウントされないけどね。」


「そうなんですか?」


「結構他の冒険者も適当に摘んでくるから、薬草として納品される確率は3割が良いところかしらね? もうやんなっちゃうわ。」


「そうなんですか……」



本当に予想通りだった。鑑定している職員さんお疲れ様です。



「だからシュウ君も薬草を納品することが有る場合は、気にしないで持って来てね。」


「はい。」


「他に何か聞きたいことは有るかな?」


「後は……そうだ。薬草のイラストが描かれている物って貰えたりはしないんですか?」


「残念だけど配布はしてないわね。ただ、薬草全種の本なら銀貨1枚で売ってるわよ?」



銀貨1枚って、約10万円か。うん無理だな。



「わかりました。後は大丈夫です。」


「大変だと思うけど頑張ってね。」


「はい。」


「そうそう忘れる所だったわ。シュウ君薬草の採取はどうやるか分かるのかな?」


「根っこ毎抜いて来れば良いんじゃないんですか?」


「それでも間違いでは無いんだけどね。でも、出来るなら土から出ている部分だけを切り取って持って来て欲しいの。」


「何で?」


「根っこが残っていると、そこからまた新しい薬草が生えてくるからよ。」


「なるほど、分かりました。気を付けます。」


「うん。では、本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。

 またのご利用をお待ちしております。」



用事が済んだ俺は、冒険者ギルドを後にすることにした。

そして再び街の外へとやってきた。



「よし、薬草を探すぞ!」



結局、あやふやな記憶を元にして地道に薬草と似た様な形の草を鑑定しながら探すことにした。



「違う、これも違う、これ駄目……」



沢山の雑草を見ていたら、ゲシュタルト崩壊してどの草も同じに見えてきたよ……



「これも違う、これも違う、これも違……じゃなくて有った!!」



-----------------------------------------

【毒薬草】

毒を持った草。抽出して濃縮することで毒薬を作ることが出来る。

-----------------------------------------


見つけたは良いが、毒薬草だったよ……(汗)

とりあえずイザベルに教えて貰った通りに土から出ている部分を切り取ってアイテムボックスへと収納しておいた。

俺は気を取り直すと、再び薬草を探すのだった。



・・・・



なんだかんだで1日中探しまくって見つけられた薬草は以下の通りだった。


毒薬草×10本

解毒薬草×2本

マヒ毒薬草×1


回復薬草はって? そんなのは知らない子です。はい。

思った以上に薬草って見つからないものなんだな。それとも探している場所が悪いのか?

結局1つ分の依頼にもならなかったし、今回のところはアイテムボックスに入れたままにしておくことにした。


さてと、今日のところはもう遅いし、帰ろうっと。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ