050 訓練終了
次の日になり、俺は修練場へとやってきた。
ロッジさんはまだ来てないみたいなので、素振りをしつつ待つことにした。
しばらく振っていると、いつもの様にロッジさんがやってきた。
「待たせたな。」
「ロッジさん、おはようございます。」
「!? どこでその名前を……」
「昨日、受付で教えて貰いました。」
「そうか……じゃあ、俺のことも聞いたんだな。」
ロッジさんはそう言うと、クルリと振り返ると修練場から出て行こうとした。
「ま、待ってください!」
「……何だ?」
「どうして行っちゃうんですか?」
「俺のことは聞いたってことは、俺の目的も知ってんだろ?」
「面白そうなことに首を突っ込んで楽しんでると聞きました。」
「そう言うことだ。じゃあな。」
「でも! 俺はロッジさんの教えによって実際強くなってます! だから例えロッジさんの目的がそうだったとしても問題有りません!!」
「お前は馬鹿か? 俺はお前が強くなるために藻掻いているのを見て笑ってたんだぞ?」
「そんなの関係ない! だって俺は最初に比べて実際に強くなってるからだ!」
「・・・・」
「だから、俺はそんなロッジさんから教えを頂きたい! 最後まで責任取ってくださいよ!!」
俺とロッジさんは見つめ合ったまま時間が流れた。
その止まった時間は、ロッジさんは大きなため息をついたことで終わった。
「まぁ、何だ。俺は剣を振れないし、見よう見まねで適当に言ってただけだ。それでも良いのか?」
「えっ? そうなの?」
「だからお前は馬鹿って言われるんだ。その通りだよ!」
「えっと、えっと、えっと……じゃあ筋トレだけでも?」
「それで良いなら、もう教えることは無いな。そいつは迷惑料としてお前にやるよ。じゃあな!」
ロッジさんはそれだけを言うと、修練場から去って行った。
「……まあ良いか。自主練しよ。」
今日もひたすら素振りを続けるのだった。
そして今日の特訓の最後になり、いつもと違う剣筋となったのに気が付いた。
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :53/53
STR:8
VIT:5
AGI:7
INT:6
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術、剣術
称号 :異世界転生者
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何と剣術のスキルを習得していたのだった。やっぱりロッジさんの教えは間違って無かったんだ!!
「有難う! ロッジさん!!」
剣術のスキルを得た俺は、いよいよFランクの試験を受けることを決心することにした。
なので、帰りに受付カウンターに寄って申請して行くことにした。
「あら? 今日は依頼を受けて無かったと思うんだけど、どうしたの?」
「えっと、Fランクの試験に挑戦してみようと思ったんだけど、どうしたら良いですか?」
「とうとう受ける気になったのね。ちょっと待っててね。
……えっと、3日後にランクアップの試験が有るわね。それで良いのなら申請しておくけど、どうする?」
「受けます!」
「じゃあ登録するわね。ギルドカードをお願いします。」
「はい。」
俺は自分のギルドカードを取り出してイザベルへと渡すと、それを機械に通して処理をしてくれた。
「はい。これでシュウ君の申請が終わりました。
試験は3日後の10時から修練場で始まるから、遅れないで来てね。」
「わかりました。」
「本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。
またのご利用をお待ちしております。」
手続きも終わったことだし帰ることにした。
次はいよいよランクアップ試験だ。楽しみだ!




