047 錬金術
孤児院へと戻ってきた俺は、裏庭へと移動する。
そして、少し武器について考えてみることにした。
結局本物の武器を見ることが出来なかったが、俺にはゲームで培った知識が有る。
なら、まずはしっかりとした武器のイメージを作ることから始めることにした。
まずはイケメンのキャラが出て来る有名アルファベット2文字のゲームから拝借してみることにした。
「……あれ? どんな形だっけ?」
普段は背中に背負っていて、某マテ何とか玉をハメるための穴が空いているくらいしか覚えて無い。
「……駄目だ! 全く思い出せない!!」
何かカッコイイ形をしていて、複雑怪奇な模様が有った記憶は有るのだが、正確な形は思い出すことは出来なかった。
「仕方がない。包丁で代用してみるか。」
包丁なら何度も使った記憶が有るから、想像もしやすかった。
出刃包丁や菜包丁でも良いが、どうせなら刺身包丁の方がカッコいいよな。
俺は、出来るだけ大きな石に触れてスキルを発動してみた。
「武器制作!」
すると、長さ20cm程の刺身包丁が現れた。
「うし、完璧!!」
先端のとんがり具合と言い、刃の切れ味と言い、使い慣れた刺身包丁の姿だ。唯一不満が有るとすれば、大きさが一回り……いや、二回り小さいことだ。
「もっと大きな石が有れば良かったんだけどなぁ……コイツとコイツが合わされば丁度良さそうなんだけどな。
……ん? 合わせる? 合成……出来無いだろうか?」
何となく出来そうな気がしてきた。まずはやって見よう。
俺は石を2つ持って合わせてみた。
「合成!」
すると、2つの石が粘土のようにくっ付き、1つの石に変化したのだった。
「やった! 成功だ!」
おそらく合成のスキルを習得したのだろう。
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :53/53
STR:5
VIT:5
AGI:5
INT:5
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術
称号 :異世界転生者
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「ホワッツ!?」
何か思っていたのと違うスキルを習得していた。
「錬金術てアレだよな。賢者の石とか金を作り出すとかの。
もし金を作り出せるのなら、俺はお金持ちになれるんじゃね?」
これは試してみるしか無いよね? むしろ試してみるべきだ。
俺は手に持った石に対し、錬金術を発動してみることにした。
「金になれ!!」
暫く待ってみたが、石に変化は見られなかった。
「使い方が間違っているのか?」
俺は錬金術に対して鑑定してみることにした。
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【錬金術】
その物質に対し、鑑定、合成、分解、抽出、変形を行うことが出来る。
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「あれ? これだけ? 錬金術ってこんなんだっけ?」
何かイメージと違うんだが、この世界の錬金術とはこうなのだろう。
そして、気が付いたことが有った。錬金術に鑑定が有るってことは……俺はもう1度鑑定してみることにした。
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :53/53
STR:5
VIT:5
AGI:5
INT:5
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、錬金術
称号 :異世界転生者
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「鑑定と武器制作が消えている!? と言うことは武器は作れなくなった!?」
試しに先ほど合成した石を使って武器を作ってみることにした。
「武器制作!」
すると石が変形して刺身包丁へと姿を変えた。
「問題無く使えるな。何でだ?」
考えられるのは錬金術に統合されたってことくらいだ。鑑定も使えるしな。
「まぁ、見やすくなったと思えば良いか。」
俺は深く考えることを放棄した。
「どうせならしっかりとした武器を作るとするか。」
俺は複数の石を合成してから武器を作ってみた。
色々と試してみた結果、刃渡り50cmの刺身包丁が使い勝手が良さそうだ。
なので、その大きさの石を幾つか作っておくことにした。とは言っても2本分しか作れなかったけどね。余った石はとりあえずアイテムボックスに入れておくことにした。
とりあえず2本も有れば、両手に持って二刀流とかもカッコ良いかもしれない。
こうして仮とは言え、俺は武器を手にすることが出来たのだった。




