表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

45/402

045 俺の武器


次の日になり、冒険者ギルドへとやってきた。



「アランさんは居ないかな?」



キョロキョロと見渡してみたが、それらしき人物は見当たらなかった。

そんなに都合が良い話では無いか。仕方がないので今日は自主トレでもすることにしよう。


冒険者ギルドには体を動かせると言うか鍛えることが出来る修練場と言われるスペースが有る。

何が言いたいかと言うと、この修練場を使って自主トレを行おうって話だ。

申請せずに勝手に使って良いみたいなので、とりあえず行ってみることにした。



「ここか。」



そこは冒険者ギルドの地下に有った。30m×30mくらいのそこそこ広い道場みたいな感じだ。

俺の他には誰も利用している人がいないため、貸しきり状態だったのは有難かった。

早速頑張るとしますか。



「……今気が付いたんだが、俺、武器を持ってないじゃん。」



かと言って武器を買うお金も無い。もしかしていきなり詰んだ!?

い、いや、まだ慌てるような時間じゃない。俺には創造魔法が有るじゃ無いか!

某アニメや小説でも魔剣を召喚している人だっていることだし、俺もそれを目指してみることにした。



「来い! 聖剣エクス〇リバー!」










「……あれ?」



何も起こらなかった。何故だ!

もしかしたら聖剣は創り出すことが出来ないとか?

一応ステータスを確認してみることにした。


-----------------------------------------

名前 :シュウ

年齢 :6

種族 :神族

状態 :普通


LV :2

HP :13/13

MP :53/53


STR:5

VIT:5

AGI:5

INT:5

DEX:5

LUK:99999


スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、鑑定、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作、武器制作


称号 :異世界転生者

-----------------------------------------


あれ? 聖剣召喚は無かったのは残念だが、武器制作?

予定とは違ってはいたが、武器を作り出すスキルを手に入れていたにもかかわらず、俺の手には武器が無い。何でだ?

使い方が分からないので、武器制作を鑑定してみることにした。


-----------------------------------------

【武器制作】

触った物質を使用して一時的に武器を作り出すことが出来る。

-----------------------------------------


ほぅほぅ。どうやら無から武器を作ることは出来ないらしい。少し残念ではあるが、何処にでも有る物を使うことで武器を作れるんだ。それほど使い勝手が悪い物でもなさそうだ。

早速試してみることにした。


パン!


俺は両手を合わせた後、地面に手を付ける。気分は何処かの錬金術師だ。



「武器制作!」



すると、地面から1本の剣が現れた。よし成功だ!

俺は剣を手に取ろうと手を伸ばしたが、取ると同時にその剣はボロボロと崩れてしまった。



「あれ?」



確かに地面と同じ土色の剣では有ったが、本当にそのまま土を固めただけの剣だったのか?

もう一度剣を作ってみることにした。



「武器制作!」



再びスキルを使うと、先ほどと同様に剣が現れた。

今回はそれを手にせずに鑑定してみた。


-----------------------------------------

【土の剣】

土を固めて作った剣(ATK+1)

-----------------------------------------



「えっ? マジ? 本当に土を固めただけ?」



どうやら剣の形はしているが、武器として使うにはちょっと無理そうだ。



「でもATK+1も有るんだよな……」



もしかしたら持ち方が悪かったのかもしれない。今度は女性を扱うが如く、優しく丁寧に剣を握って持ち上げてみた。



「やっぱり無理か。」



剣は俺の手の中でボロボロと崩れて、土の塊が残っただけだった。



「……もしかして、これが武器か?」



確かに目つぶし目的で投げれば、多少はダメージを与えることが出来るのかもしれない。



「駄目じゃん。」



俺は土の剣を諦めることにした。



「他に何か無いかな。」



流石に柱やベンチを勝手に武器にする訳にも行かない。

岩でも有れば石の剣が作れそうな物だが、ここは綺麗に整備されているので、岩なんて物は落ちて無かったのだった。



「きょ、今日のところは勘弁してやろう。」



俺は涙をこらえてこの場を去るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「かと言って武器を買うお金も無い。もしかしていきなり詰んだ!?」 儲けたお金は、すべて孤児院に渡してあるのだから、孤児院の先生に言って武器を買うお金を出して貰ったらいいんじゃないの。それが…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ