041 みんなで依頼を受けてみた
再び掲示板に来て、新たな依頼を探している。
先ほどは1人だったので大した依頼は無かったが、今回はグループで受けるのなら面白い依頼が有るかもしれない。
「犬の散歩? あぁ、さっき断った依頼が貼りだされたのか。他には……あれ? 迷子の子猫探しってあのデブ猫のか?
単に剥がし忘れ……いや、これ新しい依頼じゃん。また脱走したのかよ。」
これと言って良い依頼が見つからない。
「みんなー、これなんかどうかな?」
ミーナが1枚の依頼票を剥がして持って来た。流石はリーダー。
「どれどれ? 飲食店のお手伝い?」
「あっ、良いかも。」
「さすがはミーナちゃん。」
「うん。俺も良いと思う。」
どうやらウェイトレスの募集みたいで、満場一致でこの依頼を受けることが決定した。
何? 俺? 俺は勿論ウェイターだよ? 何かを期待しているのかもしれないが、やらんぞ?
「じゃあ、早速依頼を受付に行こう~」
「「おー!」」
「お、おー!」
ミーナが依頼を受付するためにカウンターへと向かう。
あれ? イザベルさんのところじゃないんだ。いや、別に何処に並んでも良いのは知ってるけどさ。何となく気まずいじゃん?
「次の方どうぞ。」
「この依頼4人で受けます。」
「はい。では依頼票とカードの提示をお願いします。」
「「「「はい。」」」」
俺達は各々カードを取り出して受付嬢へと渡した。
受付嬢が依頼票を見ていて何かに気が付いたみたいだ。
「あら? この依頼3人までって書いて有るわよ。」
「知ってるわよ。」
即座にミーナが答えた。あ、知ってて依頼持って来たんですね。
「別に3人分の依頼料で構わないから4人で受けても良いでしょ?」
「冒険者ギルドとしては問題有りませんが、良いんですか?」
「私達はそれほどお金を稼いでも仕方が無いってのも有るけど、人数が増えればその分楽できるしね。後、評価については、私の分を無しでも構わないわ。」
「えっ? ミーナちゃんそれで良いの?」
俺は疑問に思ったので聞いてみた。
「良いも何もすでにFランクに挑戦できる資格を持ってるけど、私とレイラは今のところ、ランクを上げるつもりは無いしね。
どちらかと言うと、評価はシュウ君とカレンちゃんの方が必要でしょ?」
「そう言うことなら有難く頂きます。」
「うん。」
「話はまとまったみたいね。じゃあ受付をしちゃうわね。」
「あっ、そう言うことなので私のカードを返して貰って良いですか?」
ミーナがそう言ったにも係わらず、受付嬢は全員分のカードを機械に通してしまった。
そして、顔を出して小声で言ってきた。
「依頼料は増やせないけど、この依頼だったら君たちに免じてオマケしてあげるね。だから内緒にしてね?」
口に人差し指を当ててニッコリと笑ってくれた。
俺達はコクコクと頷くのだった。
「はい。コレが地図と依頼票。頑張ってね。」
「「「「はい!」」」」
依頼の受付が済んだ俺達は、冒険者ギルドを後にするのだった。
「良い人だったね~」
「うんうん。私もあんな大人の女性になりた~い!」
「私も~!」
3人ともテンションが上がってキャーキャー騒いでいる。
うん。俺も良い人ってのは同意だ。しかも受付嬢だけ有って美人さんだし、もう少し大きければ惚れてしまうところだった。
「ひっ!」
ゾクッ!
一瞬、何故かはわからないが悪寒が走った気がする。何だ!?
当たりをキョロキョロ見渡してみても異常は無かった。気のせいだろうか……




