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035 光魔法


昨日は大変な目に有ったな。あの後再びシスターに3時間程、正座でのお説教をさせられたからな。

次にやる機会が有るかは分からないが、注意して行おうと決心するのだった。



「シュウ君……」



名前を呼ばれたので振り向いたのだが誰も居なかった。



「あれ? 気のせいか?」


「こっち。」



言われた方を見ると、扉の向こうから少しだけ顔を出して恥ずかしがっているローザがそこに居た。



「どうした?」


「あ、あのね、えっと、その……」


「そんなんだと、落ち着いて話も出来無いだろ?」



俺はツカツカとローザへと近づき、手を引っ張って俺の前にと引きずり出した。



「あ、あぅ……」


「ほれ、どうしたんだ?」


「あの、あの、あの、あのね? き、昨日、私、気を失っちゃったでしょ?」


「そのことについては、すまなかった。」



完全に俺が悪いので、頭を下げて謝る。



「ち、ち、ち、違うの。シュウ君は悪くないよ!」


「そう言ってくれると助かるよ。」


「そ、それでね、昨日のアレって何だったのかなって思って。」


「昨日のアレか。」


「うん。」


「アレは魔力操作を使って、ローザちゃんに俺の魔力を注いでみたんだ。」


「あれ? シュウ君は魔力操作が使えないって……」



あっ、やべっ、そうだったっけ。仕方がない、隠蔽で誤魔化しておこう。



「色々試行錯誤したら使えるようになったんだよ。」


「そうだったんだ。流石はシュウ君だね。」


「そう言えばローザちゃんの方は魔力操作とかは覚えられたか?」


「えっと、確認してみるね。……やった! 魔力感知と魔力操作を覚えられたみたい!」



ローザはそう言うと、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいた。うん、可愛い。



「そうか、良かったな。」


「うん!」


「後は光魔法か、こればかりは適性によるからな、覚えられるかどうかは試してみるしか無いな。」


「どうやるの?」


「一応光魔法のことも調べてきたから、とりあえず使ってみるか。」


「うん!」


「じゃあ、呪文を教えるから続けて唱えて見てくれ。」


「分かった。」



まずは簡単なライトの魔法を試してみることにした。



『闇夜を照らす光となれ、ライト!』



言ってみて思ったんだが、ライトってどんな魔法なんだろう?

もちろんどういう効果になるのかも知らずに唱えたからか何も起こらなかった。



「何も起きないね。」


「そうだな。それよりもローザちゃんもやってみたら?」


「う、うん。やってみるね。」



ローザが目を瞑って両手を前に出す。



『闇夜を照らす光となれ、ライト!』



何も起こらないか? と言うか魔法はそんな単純な話でも無いのかもな。

そんなことを考えていたら頭上に5m程雄球体が浮き、光り出した。



「おぉ!」


「せ、成功した? やった!」



俺達は両手を繋いで喜び合うのだった。

少しして落ち着いたからか、ローザが慌てて手を離した。



「ご、ご、ご、ゴメンね。思わず手を握っちゃった。」


「構わないよ。それより良かったな。」


「うん!」



ローザは凄く良い笑顔で頷いてくれた。

その後も、他の光魔法を色々試しては見たのだが、結局ライトしか使えなかったみたいだ。



「私って才能が無いのかな?」


「光魔法が使えた時点で才能は有るだろ。単に熟練度の関係かもしれないぞ?」


「熟練度?」


「一杯練習したら次の魔法が使えるようになるってことだよ。」


「そうかもしれないね。だったら頑張って練習しなくちゃね!」


「まぁ、何にせよこれで光魔法が使えるようになったし、後は剣術と盾術を習得すれば念願の聖騎士だな。頑張れ。」


「うん! 頑張る!」



それにしても思ってた以上に簡単に魔法が習得出来たよな。もともと才能が有ったからなのか、それとも俺が関与したからか?

下手に他の子で試して同じく魔法が使える様になったら色々と面倒が起こるかもしれない。よっぽどが無い限りは試すのは止めておこう。



「ところで、この光って何時まで続くの?」


「知らん。」


「えぇ~!!」



結局光の弾は1時間程光り続けていた。途中でシスターに見つかって驚かれたのはご愛敬だな。


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