034 魔法習得
昨日に引き続き、ローザはウンウンと唸りながら試行錯誤をしているみたいだ。
「よぉ、調子はどうだ?」
「全然分からないよぉ~」
「そりゃそうだろうな。」
「ねぇ、シュウ君はどうやって魔力感知しているの?」
「知らんよ?」
「えっ? だってシュウ君は、魔法が使えるんでしょ?」
「使えるけど、魔力なんてものは分からないぞ?」
「えぇ~!!」
実際何も感じていないからな。なのに何で魔法が使えるんだろうね。
「じゃあ、どうすれば良いのかな?」
「う~ん……」
よく魔法をオーラに例えるって話も有ったよな。要はそのオーラが見えれば良いのか?
「ん?」
ふと、ローザの体からうっすらと光と言うか、モヤみたいなオーラが見えた。もしかしてコレが魔力か!?
自分の体を見て見ると、同じ様に見えた。気持ちローザよりは多い感じだ。
このオーラって消せるのかな? そう思うとあっさりと消えてくれた。もう一度出したいと思えば出すことが出来た。
これってもしかして!?
(ステータス)
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :43/53
STR:5
VIT:5
AGI:5
INT:5
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、鑑定、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知
称号 :異世界転生者
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やっぱり魔力感知が増えていた。と言うか創造魔法で作っちゃったみたいだ。相変わらずチートな能力だな。
そして魔力感知は自由にオンオフが出来るみたいだ。……と言うことは、魔力操作も覚えられるのか?
先ほどのオーラを動かすイメージをして……どうだ!
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名前 :シュウ
年齢 :6
種族 :神族
状態 :普通
LV :2
HP :13/13
MP :33/53
STR:5
VIT:5
AGI:5
INT:5
DEX:5
LUK:99999
スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、鑑定、アイテムボックス、気配察知、生活魔法、アークシェイク、魔力感知、魔力操作
称号 :異世界転生者
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やっぱり簡単に覚えることが出来たみたいだ。何となくズルしているみたいで気が引けるが、まあいい。
とりあえず魔力操作がどんな物か確認してみるか。
魔力操作って言うくらいだから、先ほど想像した時と同じ様にこの魔力を動かせるのだろう。物は試しでやってみることにした。
ふと、見た感じがオーラみたいな物だし、某有名漫画みたいなことが出来るのでは無かろうか。
オーラを右手に集中してみる……出来た! ならこの右手で壁を殴れば……
ゴスッ!
「シュウ君、何やってるの!? シスターに怒られるよ?」
どうやら俺の力程度では漫画の様には行かないらしい。
だけど殴った右手に痛みを感じないってことは、防御力を上げる効果は有りそうだ。これは朗報だな。……あれ? そう言えば俺って物理無効を持ってたよな? と言うことは単に物理無効が働いただけとか!?
試しに右手に集めたオーラを解除してもう一度殴ってみる。
ゴスッ!
やっぱり痛くなかった。どうやらオーラとは全く関係が無かったみたいだ。
「シュウ君。」
その時、後ろからとっても低い声が聞こえてきた。俺は、ギギギと振り向くと、鬼の様な顔をしたシスターがそこに立っていた。
「ちょっと来なさい!」
「痛い、痛いよシスター!」
俺は耳を引っ張られて、強制的に移動させられるのだった。正直には痛く無いのだが、とりあえず痛がっておかないと変に思われるので痛がるフリをすることにしたのは内緒だ。
それから2時間程、正座をさせられてお説教されたのは言うまでも無かった。
・・・・
「くっそー、酷い目に有った。」
「でも、アレはシュウ君が悪いと思うよ?」
「ごもっともです。」
まぁ、状態異常無効も有ったから精神的に疲れた以外は、足のしびれも何も無かったんだけどな。
「それで、何で壁を殴ったの?」
「ちょっと確認したいことが有ってだな。まぁ全く意味が無かったみたいだけどな。」
「ふ~ん。」
とりあえず魔力感知と魔力操作は覚えた。でも、称号には何も現れなかった。何でだ? まあいいや。
後はこの感覚をどうやってローザに教えてあげられれば良いのかだが……
そうだ! 俺がローザの魔力を操作してみれば良いんじゃね? 物は試しだやって見るとしよう。
ローザの魔力に対して動け動けと念じてみる……が、何の反応も示さなかった。
他人の魔力だからだろうか? いや、もしかしたら触れて無いから駄目なのかもしれない。よし!
「ローザちゃん、手を出して。」
「良いけど?」
ローザが手を出してくれたので、それを握った。
「シュ、シュウ君!?」
手を握られたローザは貌だけでなく、耳まで真っ赤に染まってしまった。な、何かやりにくいが仕方がない。
何とか平静をとりつつ、俺はローザの魔力に干渉してみることにした。
「ん……」
魔力に反応したのか、ローザがピクリと反応した。そのまま魔力を動かすのに専念してみたが、今一つ効果が表れない感じだ。
どうやら他の人の魔力に関しては魔力操作は働かないみたいだ。
「だったら、こうしたらどうだ?」
俺の魔力をローザへと注ぎこんでみた。
「ひっ! 何これ! い、嫌っ! 何か、何かが私の中に入ってくりゅぅ~~!! らめええぇぇ~~~~!!」
ローザの体がビクンビクンと反応して気絶してしまった。そして、ローザのお尻の下には水たまりが……
俺はサーっと血の気が引いた気がした。これはマズイ!! 特にシスターにバレたら殺される!!
ど、どうすれば!? そ、そうだ! 生活魔法だ!!
「シュウ君。」
その時、後ろからとっても低い声が聞こえてきた。どうやら俺の冒険は此処で終わったらしい……なむ……




