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287 モテモテ?


ダンジョンへと戻ってきた。



「ただいま~」


「ようやく帰って来れたな。」


「それにしても、まさかお母さんがシュウ君にあそこまで執着するとは思わなかったよ~

 シュウ君もまんざらでもないって顔をしてたよね? よね?」


「い、いひゃいです。エレンひゃん。」



エレンさん、何故、笑顔のまま俺の頬を引っ張るのでしょうか?



「あ~あ、やっぱり実際に母親になった人って強いよね~ 後は、子供にとって母親ってのは必要なのかなぁ~」


「そうかもな。」


「……ねぇ、アランって子供って好き?」


「好きだぞ。実際孤児院では小さな子供の世話をよくやってたしな。」


「そう言えばそんなことも言ってたわね。」


「ただな……こほん。えっとだな。」


「? どうしたの?」


「……俺は、エレンの子供だったら1番……はエレンだから、エレンの次に愛せると断言する。」


「!? も、もう、アランったらぁ! 恥ずかしいなぁ、もう!!」



エレンさんが真っ赤になりながらも、とってもいい笑顔でアランさんをバシバシと叩いていた。



「叩くなよ、結構痛いんだぞ、それ。」


「えへへっ♪ ねぇ、アラン~」


「何だ?」


「もし、もしもの話だけど、実際に子供が出来ちゃったらどうする?」


「そりゃあ、子供のためにも一生懸命稼ぐさ。」


「冒険者として?」


「まぁ、俺にはこれくらいしか出来ないからな。ただ、エレンや子供を残して行くことはしたく無いから、より安全な依頼ばかり受けるようにはなるだろうな。

 儲けが少なくなるから、エレンには苦労掛けることになるかもしれんがな。」


「そっかぁ~……ねぇ、アラン?」


「どうした?」


「作っちゃおうか。子供♪」


「ブッ! げほっ、げほっ……と、突然何を。」


「だって、お母さんを見てたら羨ましくなっちゃって……それにアランの子供が……ちょっと欲しいかなって。てへっ♪」


「エレン……」



さっきから俺の存在を忘れているのかは知らないが、2人で抱き合って甘い空間が発生し続けている。

何処かでブラックコーヒーの出前はやってないでしょうか? そろそろ口の中がヤバイです。

後のことは2人で勝手にやって下さい。部屋は何時でも使って良いですから。

俺はこっそりと、その場を後にするのだった。



「あー酷い目に有った。」



ああ言うのを見ると、恋人が居るのってが羨ましく思えてくるよな。俺も作ったら同じような感じになるのだろうか……

一応、自信過剰で無いのなら、何人か好意を寄せてくれていると思える子が思い当たるので、もしかして告白したら付き合えるとかだってりしてな。……そんな訳無いか。




・・・・




王都のとある大聖堂にて。


キュピーン!



「はっ! シュウ君が私を呼んでいる!? もちろんオッケーだよ!!」


「アンナちゃんが突然変なことを言いだした!?」


「ローザちゃん? そっかぁ~ ローザちゃんは、聖騎士になるためにそうなっちゃったんだね。

 ライバルが減って良いのか悪いのかは微妙だけど、残念だよ~」


「どういうこと?」


「ん~ん、何でも無~い♪」


「?」




・・・・




リルディル伯爵家のお屋敷にて。


キュピーン!



「シュウ様が呼んでます! 私、すぐにあなたの所へ向かいます!!」


「アリス様、シュウ君がどうしたんですか?」


「ケッ、あいつのことだから、また変なことでもしているんだろうぜ。」


「間違いなく私を呼んでいました。でも、何人か邪魔者も居るみたいです。

 レリウス、サム、すぐに討伐隊の準備を!」


「はぁ。」


「意味がわかんねーぜ。」




・・・・




リーデルの街の孤児院にて。


ピキーン!



「シュウ君?」


「レイラ、どうしたの?」


「シュウ君が呼んでる。」


「シュウ君が? 本当に?」


「ん。」


「そっかぁ~、じゃあシュウ君の所に行くしかないよね!」


「行こう!」


「うん。」


「あなた達、何をしているのですか?」


「孤児院長!? これには深い訳が……」


「言い訳は必要ありません。さっさとお仕事を済ませなさい。」


「「「は~い。」」」



とまぁ、あちこちで、こんなことが起こったとか、起こらなかったとか。

まぁ、神のみぞ知るってヤツだな。



(シュウ君、もちろん私もオッケーだよ!)



さよけ……


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