286 親子喧嘩
次の日になり目が覚めた。起きたばっかりで言うのも何だが、少々疲れている。
それは何故かと言うと、それは昨日の夜、ベッドの中での親子(?)の会話が原因だからだ。
「シュウ君は孤児院出身なんでしょ?」
「あ、はい、そうです。」
「じゃあ、ママとの触れ合いは、したこと無かったってことなのよね?」
「そうですね。シスターがミルクをくれたり、オムツを交換してくれたりと、母親代わりに色々と世話をしてくれてはいたみたいですけどね。」
こうは言っておいたが、実際にそんな感じにお世話されていたことは、身を持って知っていたけどな(遠い目)
「……ママの愛情、受けてみる?」
「あーえっと、はい。」
何となく断るとローラさんが悲しそうな顔をしそうなので、頷くことにした。
するとローラさんは嬉しそうな顔をして、服をめくり上げた。
「やっぱりママが子供にしてあげられる1番の愛情をあげられるのって、これよね。」
そう言っておっぱいを俺の前に出してきた。それって、間違いじゃ無いのかもしれないが、偏見だと思う。
そして、やっぱりエレンさんのお母さんだな。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっとローラさ……ママ。何やってるんですか!」
「何って授乳?」
「お、僕は、もう赤ちゃんじゃないですよ!」
「ママの愛情たっぷりのおっぱいを知らないで大人になるのも可哀そうだし……
大丈夫、エレンには内緒にするから、ね? ほら、おいで?」
「・・・・」
どうすれば良いんだ? 吸わないと駄目なのでしょうか? ある意味これって親子丼になるんでしょうか? 教えてアランさん!!
だいたい、もうすぐ第二次性徴が始まる年齢になるんだから、こういったことされると、俺の中にある何かが反応しそうになりそうだ。
「そ、そもそも、ローラママは妊娠してないいんだから、授乳も何も無いでしょうが。」
「よくそんな難しいこと知っていたわね。偉い偉い♪
とりあえず形だけで良いから、ね? ほら、先っぽだけで良いから!」
「それ、たぶん意味が違うと思います。確かに先っぽかもしれませんが……」
「細かいことは良いの!」
これはもう逃げられなそうだ。だったら覚悟を決めるしかないか。
俺は目の前にあるおっぱいを見る。赤ちゃんの時は召喚でのおっぱいだけだったし、単なる食事なことも有って気にしてな……いや、ミーナやカレン、あとエレンさんのも吸ったんだった(汗)
とりあえず先っぽだけで良いと言ってたし、ちょっとだけ舐めてみることにした。
ぺろん♪
「ひゃん♪」
「……やっぱり止めにしませんか?」
「だ~め。」
「どうしてもですか?」
「どうしても。」
もうどうにでもなれ! 俺はその後むちゃくちゃセッ……じゃなくて、おっぱいを吸いまくるのだった。
その後どうなったかについては、ローラさんの威厳のためにも内緒にしておこう。
・・・・
「ねぇ、お母さん?」
「何かしら?」
「何で、シュウ君がそこに座っているのかな? かな?」
「何でって、私にとっても可愛い子供みたいなものだもんだし、別に良いじゃない。」
今、俺が座っているのはローラさんの膝の上だ。ぎゅ~っと抱きしめられているので、後頭部には柔らかい何かが押し付けられている。
一応テーブルには4席が有るのだが、1つの席が空いているとだけ言っておく。
「駄目ぇ~! シュウ君は私のなの! だからこっち!」
「あらあら、嫉妬なのかしら? でもね、私のでもあるのよ? ね~シュウ君♪」
「えっと……」
助けてアランさん! 俺がアランさんへと視線を送ると、サッっと避けられてしまった。マジですか。
「シュウ君~、そんなところに居ないでこっちにおいで~」
「シュウ君はここがお気に入りなんだよね~」
親子間で火花を飛ばさないで下さい。お願いします。
「「どっちが良いの?」」
勘弁してください。
「あ、アランさんで。」
「俺!?」
「ア~ラ~ン?」
「何で俺を怒る! 選んだのはシュウだろうが!!」
「だってぇ~」
思わず答えてしまったが、アランさんに飛び火してしまった。
仕方が無い、言い訳をしておこう。
「えっと、お、僕がエレンさんか、ローラさ……ママのどちらかを選んだら喧嘩しそうなんだもん。そんなの嫌だよ。」
何だよ『もん』って、自分で言っててキモイな。
「ローラママ? えっと、お母さん、昨日はローラおばあちゃんって呼ばせていたわよね? これはどういうことなのかな? かな?」
「良いじゃない。私だってシュウ君みたいな息子が欲しかったんだもん。」
「私じゃ不満ってこと?」
「そんなこと言ってないわよ? 男の子も欲しいってことよ。
それに、シュウ君はもう私の愛情をたっぷりと受けた、可愛いくて特別な子供よ。」
「どう言うこと?」
「それはね……」
さすがにアランさんに聞かせるのは自粛してくれたらしく、エレンさんの耳元で内緒話をしてくれた。
「えぇ~!! だ、だけど、私の方が先だもん! だから私のなの!!」
「先か後かは関係無いわよ。愛情の深さが大事なの。
それに、エレンにはアランさんが居るでしょう? そっちにやって貰いなさいよ。」
「!?」
それを聞いたエレンさんが、顔を真っ赤にした。
まぁ、何だ、アランさんも、しっかりとやることはやってるってことだな。うん。
その後は、少しエレンさんの態度がギクシャクしていたが、アランさんにぴったりとくっ付いていたので、後で一杯やって貰って下さい。
もし、宿の部屋を使うのなら、防音処理は完璧なので、安心してください(笑)
朝食も済んだところで、アランさんが提案してきた。
「そろそろダンジョンに戻ろうと思うのだが。」
「そうね。」
「あら、帰っちゃうの?」
「だって、私達は冒険者だからね~」
「そう……」
「また遊びに来るわよ。」
「気長に待つことにするわね。あっ、でも、シュウ君は置いて行ってね。」
「お母さん!」
「うふふふっ♪」
えっと、場を和ませるために、冗談で言ったんですよね?
目が笑って無くてマジなのですが、冗談で良いんですよね?
「また遊びに来ます。」
「あら、残念。仕方ないわね、待ってるから気楽に遊びに来てね。
アランさんも、実家だと思って遊びに来て頂戴ね。」
「「はい。」」
これが妥協点だろうな。まぁ、さすがはエレンさんの母親ってだけは有って、この場所の居心地は良かったしな。また遊びに来るのも良いだろう。
ごめん。正直に言うと、俺の中の何かがちょっとだけ目覚めたかもしれない(汗)
また近いうちに来ようと密かに決心するのだった。




