027 依頼完了
冒険者ギルドへとやってきた。
昼過ぎには依頼が終わっていたにも係わらず、色々有ったせいで遅くなってしまったため、依頼が終わった冒険者達と時間がかち合ってしまったために、ギルド内は混雑していた。
「冒険者が一杯だね。」
「……そうだな。」
俺は今、死んだ目をしている気がする。多分おそらく……
とりあえず依頼を報告するために、受付カウンターに並ぶことにした。
待つこと1時間程して、ようやく俺達の番になった。
「次の方どうぞ。」
「イザベルさん、依頼が完了しましたので報告です。」
「シュウ君、随分と疲れている顔をしているけど、そんなにこの依頼は大変だったの?」
「ええ、まぁそんなところです。」
「お疲れ様でした。じゃあ手続きしちゃうから、依頼票とカードを出してね。」
「「はい。」」
俺達は、依頼票とギルドカードを出して手続きをしてもらった。
「こちらが依頼完了の銀貨1枚とカードね。」
「ありがとうございます。」
「今日はさっさと帰ってしっかりと休むこと。良いわね?」
「はい。」
「本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。
またのご利用をお待ちしております。」
こうして今回も無事に依頼を完了することが出来たのだった。
もちろん折角稼いだ高額の依頼料は、シスターに没収されてしまったのは言うまでもなかった(涙)
・・・・
そしてその日の夜。俺は中々寝付けないため、布団の中で色々と考えていた。
ちなみにローザは別の部屋で寝ているので此処には居ない。これは今日のことがあったからではなくて、6歳になった時点で男女は別の部屋になったからだ。今の状況を考えると物凄く助かっている。
「それにしても、今日は大変だったな。まさかローザちゃんが、あんな感じになるとは……」
俺は昼間のことを思い出すと、思わずブルリと震えた。どうやら結構心にダメージを負っていたらしい。
しかし、ローザがツンデレ属性だけでなく、ヤンデレ属性も持っていたとは……俺はどうすれば良いんだ?
正直ローザは可愛い部類に入ると思う。将来は結構な美人さんに成長するだろう。でも、あの性格は正直怖かった。Nice B〇at.だけはお断りしたい。
「でも、どうすっかなぁ~」
とは言え、怖いから別々に行動するようにしたら、ヤンデレが加速するかもしれない。正に命の危機だ。
この問題は、ローザが別の人に興味を持ってくれれば解決するんだろうか? そう言えば、そもそもローザは何で俺に興味を持っているんだ?
俺は何処かの難聴系、鈍感系主人公とは違って、よく聞こえているし、他人の好意も気が付いているつもりだ。
俺がローザに対して何かをしたって記憶は無いんだが、ホントなんでなんだろうな?
思い当たるのはローザは、アンナと一緒に居たってことくらいだ。アンナは昔から俺に好意を持って居たことはもちろん知っていた。
もしかしてローザはそのアンナと一緒に居たことで感化されたとかって線は無いだろうか?
「まぁ、それが分かったとしても、何の解決にもならないんだけどね。
時間が解決してくれれば良いんだが、あの様子だと無理だろうなぁ~」
そんなことを考えていたら、俺はいつの間にか寝てしまっていたのだった。




