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次の日になった。今日は地下7階の残りを埋めるつもりで頑張ろうと思う。

着替えて朝食を食べに食堂へと向かう。



「オーナーいらっしゃいませ~」


「オーナー、飯か?」


「2人共、おはよう。朝食を食べに来たよ。」



俺はメニューを手に取って見てみるが、スープとサラダの材料が多少変わる以外は、いつもと同じなんだよね。



「さすがに同じ料理ばかりだと飽きてきたな。」


「だったらハウスさんと相談してみたらどうですか~?」


「あたい的にも、もっと数を増やしても良いと思うぜ。」


「そうだね。とりあえず話だけでもしてみるか。」



俺はキッチンへと向かうことにした。



「オーナー、どうかしましたか?」


「お、お、お、オーナー。も、も、もしかして、く、く、クビですか?」


「クビじゃないから安心してくれ。実は、そろそろメニューを増やしても良いんじゃないかなって思ったから相談しに来たんだ。」


「確かに副料理担当も来てくれたおかげで運営に余裕は出来たし、良いかもしれませんね。」


「ちなみに何が作れそう?」


「そうですね。ステーキの代わりに肉野菜炒めとかはどうでしょうか。」


「良いんじゃない? Cランチとかにしてみたら?」


「分かりました。ではCランチとして追加しましょう。」


「あ、あ、あ、あの!」


「ザイルさんどうぞ。」


「じょ、じょ、女性のた、た、ためのりょ、りょう、料理なんかは、ど、ど、どうでしょうか。」


「例えばどんなの?」


「ガ、ガ、ガレットとか、ク、クレープ。パ、パ、パンケーキはど、どうでしょう。」


「いいんじゃない? 日替わりでガレット、クレープ、パンケーキに変えるのも良いし、選択できるようにしても良いかもしれないね。

 後はサラダとフルーツジュースを付けて、Dランチにするとかかな。詳細は2人で決めてくれて良いから。」


「わかりました。」


「りょ、りょ、了解です。」



これで2種類増えたな。とりあえずは十分か? あまり一気に増やすと作る人の負担になっちゃうしね。



「とりあえずはこんなもんで良いかな。後は余裕が出来たらで良いから、徐々にメニューを増やすとかかな。その辺の調整はハウスさん達に任せるよ。」


「わかりました。」


「りょ、りょ、了解です。」


「とりあえずどんなものか見たいから、肉野菜炒めのCランチを試食させてもらえないかな?」


「任せてください。すぐに作ります。」



私利私欲のためのお願いだったが、ハウスさんは作ってくれるみたいだ。ラッキー♪

俺は席に戻って、料理が出来るのを待つことにした。



「お待たせしました~」



レジーナさんが新しいCランチを持ってやってきた。

周りの冒険者が俺の料理を欲しそうに見ているが、これはあくまで試食だ。あきらめて欲しい。



「どれ、頂くとしますか。」



パクリ……ふむ、シャキシャキの野菜と薄切りの肉を、塩コショウで炒めただけの料理だけど、悪くないが、正直に言うと、ご飯が欲しい。

まぁ、無い物をねだっても仕方が無いので、パンに切れ目を入れて肉野菜炒めを詰めて、簡単サンドウィッチモドキの完成だ。うん、旨い!



「……これってお弁当として売れるんじゃね?」



一瞬儲け話が浮かんだが、ここで出る分には問題無いが、持ち運びとなると、衛生管理の問題もあるし、止めておいた方が良いだろうな。

万が一、腹を壊した等の苦情が来ても対応しきれないしな。


俺がそんなことを考えていると、声を掛けられた。



「オーナー、ちょっと良いか?」


「ヘレンさん、どうしたの?」


「客がもっと酒が飲みたいってうるさいんだが、何とかならねーか?」


「う~ん。お酒を飲み過ぎると暴れる人が出るから、出来れば遠慮したいんだよね。

 だけど完全に禁止にするのも可哀そうだから、1杯だけは食前酒として許可してるんだけどね。大量に飲みたきゃ地上で飲んでくれって感じかな。」


「なるほど、納得したぜ。客にはそう言っておく。」


「よろしく。」



食事の残りを食べ終えた俺は、肉野菜炒めの感想を言いにハウスさんの所へ向かうことにした。



「ハウスさん。肉野菜炒め、美味しかったので話進めておいてください。」


「わかりました。」


「後、さっきパンに切れ目を入れて、肉野菜炒めを挟み込んで食べてみたけど、悪くありませんでした。一応参考にお知らせしておきます。」


「なるほど、そういう食べ方も有るんですね。勉強になります。後で試してみます。」


「じゃあ、俺は行くよ。頑張ってね。」



俺は食堂を後にして冒険へと出発するのだった。

カウンター部屋でミーナさんを見かけた時に、昨日のことを思い出した。



「おはよう。」


「おはようにゃ。」


「おはようぴょん。」


「ミーナさん。昨日のことなんだけど……」


「にゃ! も、もうちょっと待つにゃ! まだジョン君をよく知らないのと、心の整理が出来てないのにゃ。」


「あ、いや、別に返事が欲しかった訳じゃないよ。ただ、ザック君とレックス君もミーナさんのことが好きらしいんだ。一応言っておこうと思ってさ。」


「にゃにゃ! ウチのモテ期が来たにゃ!」


「私のことは言ってないのかぴょん?」


「ミミさんは人妻だから遠慮するってさ。」


「残念ぴょん。」



本当のことを言ったらショックを受けそうなので言わないでおこう。



「じゃあ、俺は行くよ。仕事頑張ってね。」


「いってらっしゃいにゃ。」


「気をつけるぴょん。」



俺は2人に見送られて、地下7階へと向かうのだった。


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