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223 怒られた


宿に帰って来てすぐに夕食を食べて、自分の部屋へと戻ると、フィーネはすでに帰って来ていた。



「やぁ、遅かったね。」


「色々と有ったからな。」


「何をやっていたんだい?」


「新しい武器を作ったから、その使用感を確認するために、ダンジョンに入っていたんだ。」


「へー、そうなんだ。」



フィーネが思いっきり棒読みで返事していた。



「な、なんだよ?」


「いや、今日は休みのハズだったと思っていたのだが、気のせいだろうか?

 一応、興味本位で聞いてみたいのだが、どれだけの敵を倒して確認してきたのかを知りたいと思ってね。」


「うぐっ!」


「で、どうなんだい?」


「調子に乗って狩りまくりましたああぁぁぁ~~~!!」



俺は土下座を実行した。



「それじゃ答えになって無いじゃないか。で、どれだけ狩ったんだい?」


「……正確な数は忘れたけど、オーガは11回倒しました。」


「ふ~ん。と言うことは、最低でも地下5階のボス部屋までは行ったと言うことだね。」


「……あの、その、お、怒ってらっっしゃいますか?」


「どうしてだい? 休みの日に君が何をしようと自由さ。まぁ、さすがにダンジョンに行っているとは思わなかったけどね。」


「申し訳ございませんでした!!」



いや、どこからどう見ても激怒でいらっしゃっているが、下手にそれを言うと藪蛇になりそうだ。

俺は必死に土下座を実行するのだった。



「明日も休みにするからね!」


「イエス、マム!!」



俺は明日は絶対に休むことを、心から誓うのだった。



「ところで、作った新しい武器とはどんなの何だい?」


「えっと、これだな。」



俺は両手を差し出した。



「何も持ってないじゃないか。……もしかしてそのグローブがそうなのかい?」


「そうだけど。」


「普通のグローブにしか見えないし、それほど攻撃力が有りそうには……ん? こ、これは!?」



おそらく鑑定をしたのだろう。



「オリハルコンのグローブ? そんなものも作れるのか……だが、これだと武器と言うよりは防具じゃないのかい?」


「まぁ、防御性能も凄いだろうね。攻守共々も使える様に考えたってのも有るしね。」


「どうやって使うんだい?」


「まぁ、見ててよ。」



俺は糸を展開した。



「なるほど、これもゴーレムな訳なんだね。だが、こんなにも細い糸で大丈夫なのかい?」



フィーネが手を伸ばしたので注意した。



「危ない! 下手に触ると指が落ちるぞ!」


「えっ?」



俺が注意をしたことで、フィーネが慌てて手を引っ込めた。



「そんなに危険なのかい?」


「何かこっちに投げてみると分かるぞ。」


「ふむ。」



俺がそう言うと、フィーネがカバンから鉄貨を1枚取り出すと、俺に向けて思いっきり投げ付けた。

もしかしてだが、少し恨みと言うか、うっぷんを晴らす気持ちも入っているんじゃね? と思ったのは内緒だ。


俺に投げられた鉄貨は空中で止まると、バラバラになってその場へと落ちた。

フィーネはその落ちたバラバラの鉄貨を拾うと、その切り口を確認している。



「これほど綺麗に切り裂くとは……凄いな。」


「こういう風に防御も出来るし、こちらから攻撃することもできるんだ。」



俺はフィーネが持っている鉄貨を切り裂いた。



「!! ビックリした。こんな小さな破片まで正確に狙えるのか。」


「凄いだろ?」


「凄いは認めるが、出来れば一声掛けてからやってくれると助かるよ。」


「ご、ごめん。」



確かに下手に動かしていたら指が切れていたかもしれないからな。反省だ。



「ちなみにその武器は、僕にも扱えるのだろうか。」


「万が一に操作を誤まることで指が落ちるのも困るから、止めておいた方が良いと思う。」


「そういう君は大丈夫なのかい?」


「まぁな。」



物理無効が有るからな。



「もし、使用するのであれば、もっと太い糸で作って防御専用として考えた方が良いだろうな。」


「ふむ。」


「あと、言っておくが、ゴーレムの操作が出来なきゃ扱うのは無理だと思うぞ?

 もしかしたら出来なくは無いかもしれないが、細かな制御出来なくなるから、近づく人や物全てに対して攻撃することになるだろうしな。」


「そうか。残念だ。」


「使いたかったら、頑張って土属性の魔法を覚えるんだな。」


「仕方ないね、分かったよ。

 ところで一つ質問なんだが、もしかして昨日の剣もそうだが、君が作る武器ってゴーレムで作っているのかい?」


「いや、この糸の補助だけだな。作れなくも無いかもしれないが……そう言えば試したことは無いな。」



俺はオリハルコンの塊を取り出すと、物は試しで作ってみることにした。



「ゴーレム作成!」



スキルを発動すると、オリハルコンの塊がグニュグニュと動き、1本のナイフが生成された。

俺はそれを手に持って観察してみる。



「一応ナイフにはなったけど、作りが今一つだな。」



形はナイフなのだが、刃の厚さが統一されていないし、切れ味も悪い。



「武器生成、そしてゴーレム製作!」



今度は武器生成でナイフを作ってからゴーレムにしてみた。



「こっちの方が出来が良いな。同じ想像で作っているのに、この差は何なんだろう?」



もしかしたら練習次第で同じになるのかもしれないが、ゴーレムは動きを主とする関係上、細かな部分の生成には向いていないのかもしれない。



「なるほど、武器生成とやらが、オリハルコンを武器にするために必要なスキルなのか。」


「まぁそうだな。正確に言うとちょっと違うけどな。」


「それは是非とも知りたいね。」


「気が向いたらな。」



そもそも錬金術ってどうやって教えれば良いのかが分からないからな。

土属性魔法ともちょっと違うし、うまく説明できる自信が無いしな。


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