表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

216/402

216 ボス戦見学


少しして扉が開き、先ほどのパーティが出てきた。今度こそ俺たちの番だ。



「よし、行くぞ!」



扉を抜けて部屋の中に入る。部屋の広さは20m×20m程度の小部屋の広さだった。まぁ敵が1匹ならこれでも十分か。

部屋の中に入ってから10秒ほどすると、前と後ろの扉が閉まった。



「来るぞ!」



当初の予定通りにカイルが前に出て盾を構えた。

その2m先、部屋の中央に靄が発生したと思ったら、オーガがそこに現れたのだった。



「ガアアアァァ~~~!!」



オーガがカイルの持っている盾を殴りつけた。



「くっ!」



それを受けたカイルの顔がゆがむ。そこそこ強い攻撃らしい。

そこに槍を持ったケインが突っ込むと、オーガは攻撃を止めて下がる……が、そこにエリスの矢が飛んできて刺さる。



「ウガ!」



一瞬動きが止まり、そこにロイの魔法が顔面に当たった。あれはファイアアローかな?



「ウガアアァァ~~!!!」



これはそこそこのダメージが出たみたいだ。オーガはもがき苦しんでいる。そのタイミングでリックが剣を振り上げて突っ込んできた。



「これで終わりだああぁぁ~~~!!」



リックの剣がオーガの首を切り裂くと、オーガは煙と共に消え、そこには魔石が落ちていた。

リックが魔石を拾うと、扉が自動で開いた。



「どうだ? 参考になったか?」


「そうですね。大丈夫です。今後の参考にさせて頂きます。」


「そうか。俺たちはこのまま下の階に進む。まぁ、挑戦するんだったら気を付けろよ。」


「はい。ありがとうございます。」



俺たちは、リックのパーティと別れると、一度扉の外へと出ることにした。

向こう側は誰も居なかったので、地下5階側で待っていた次のパーティが扉の向こうへと進んで行った。

このパーティは前衛だけの3人組だった。攻撃特化みたいだな。

他に待っているパーティは居なかったので、とりあえず扉の前で待機することにする。次に向こう側に人が居なければ俺たちの番だな。



「フィーネ。不安だったら俺1人で行ってくるけど?」


「ここに1人で取り残されても困るのだが? と言うか、それで君が死んだら、僕はどうやって帰れば良いんだい?」


「どこかのパーティに連れて行って貰うとか?」


「そうなったら大金を取られることになるだろうけどね。」


「まぁ、負けるつもりは無いけどな。」


「そう願うよ。とりあえず僕は付いて行くさ。」


「そっか。」



そんな会話をしていたら扉が開いた。ずいぶんと早い戦闘だったな。



「うわああぁぁ~~~!!」


「無理無理無理!」


「逃げろ~!!」



先ほどボス部屋に入ったパーティが慌てて扉から出てきた。どうやら勝てないと判断しての逃亡だったみたいだ。生きててよかったな。

でも、これで中からなら扉が開くのが分かったので、万が一の時も安心だ。



「えっと、これ入っても良いのか?」


「向こうは戦闘から離脱したんだし、問題無いと思うよ。」


「そうか。」



両側の扉は開いており、向こう側に人が居ないので、俺達が入っても問題なさそうだ。

じゃあ、入るかと足を向けると、先ほど出てきた男性が声を掛けてきた。



「おい、お前ら無茶は止めろ!

 俺達でも敵わなかったんだ。そっちは2人だろ? 死ぬだけだぞ?」


「心配してくれてありがとうございます。大丈夫です。」


「お、おい!」



俺とフィーネはその心配を他所に、扉の中へと入って行くのだった。

扉の中にはオーガは居なかった。どうやら扉が開くと同時にリセットされるらしい。

10秒ほどして扉が閉まると、部屋の中央にオーガが現れた。



「まずは小手調べっと!」



俺はオーガへと走りよると、切り付けた!


スパッ!


あっさりとオーガが真っ二つになり、魔石を残すと消えて行った。



「あれ? 終わり?」


「何となく、そうなる気がしていたよ……」



フィーネは呆れた顔をしていた。失礼な。

魔石を拾うと、扉が開いたので、外へと出た。

そこには、先ほど逃げてきたパーティがまだそこに居て、俺達を見ると声を掛けてきた。



「ほら、無理だったろう?」


「いえ、倒しましたよ?」


「えっ?」



何だか知らんがものすごく驚かれた。



「マジで?」


「はい。」


「……お疲れ様です。」


「ありがとうございます?」



労ってくれたのでお礼を言っておいた。何か固まっているけど大丈夫かな?



「さて、帰るか。」


「そうだね。今日は色々と疲れたよ。」



俺たちはダンジョンを後にして帰ることにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ