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193 目的


お腹も満足した俺は、再び冒険者ギルドへと戻ってきた。

流石にレリウスとサムは居ないみたいだ。まぁ、会ったら会ったで気まずいけどな。


とりあえずこの辺り情報を調べるのなら図書室だな。冒険者ギルドは何処も同じ造りをしているため、場所については問題無さそうだ。

俺は図書室へと入ると、司書さんに声を掛けてみることにした。



「すいません。この辺りの分かる地図とかってありますか?」


「あ、はい。えっと初めてのご利用でしょうか?」


「ここのギルドでは初めてですが、別のギルドでは利用したことがあります。」


「では、基本的な使い方は同じです。説明は要りますか?」


「大丈夫です。」



俺はギルドカードを司書さんへと渡した。



「はい。では、少々お待ちください。」



司書さんがそう言うと、本棚へと向かい、1冊の本を持って戻ってきた。



「こちらがこの辺の地図になります。あまり詳細の地図では無いとだけ言っておきますね。」


「わかりました。ありがとうございます。」



俺は本を受け取ると、開いている席に座り、中身を確認することにした。

地図はリルディル領の地図で、確かに大雑把な地図だった。まぁ、詳細の地図だったら戦争の道具に使われるのだろうから極秘なのだろう。

まぁ、大体の位置と、そこに何が有るのかが分かるだけで充分なので問題無い。


リーガンの街を中心とした場合、どうやら3方向に行けるみたいだ。

西に向かう道は、帝都へと向かう道、まぁ、俺達がアリスを送り届けるために来た道だな。

東に向かう道は、どうやら海へと続く道みたいだ。3つほど村を経由するとアーカイルの街と言う港町が有るみたいだ。海の幸ってのも悪くないな。

最後に南へ向かう道なのだが、村を2つ程経由した先にセリーゼの街が有り、さらに4つの村を経由した先にガンガルの街が有るみたいだ。そして、何とカンガルの街には、ダンジョンが有るとのことだった。



「ダンジョン!」



海の幸も悪くは無いのだが、ダンジョンと聞いて心が躍らない野郎は居ないだろう!(断言)



「決まりだな。」



俺の次の目標はダンジョンと決まったのだった。

善は急げと言うことも有り、ギルドカードを返却して貰い、冒険者ギルドを後にした俺は、ガンガルの街を目指して出発することにした。


幸いなことに、遠出に必要なアイテムは持っているし、後は移動手段だけだ。

徒歩でも構わないが、ダンジョンが俺を待っているし、悠長なことはしていられない。

乗合馬車でも良いのだが、お金もかかるし、長時間知らない人と一緒に居るのもな……



「こんなことになるんだったら、馬車を売るんじゃなかった……」



馬車は最悪無くても問題無い。せめて馬だけでも欲しい……あれ?

ひょっとしてだが、ゴーレム作成で行けないだろうか。



「ゴーレム作成!」



スキルを発動させると、1匹の岩の馬が現れた。よし成功だ!

俺は岩の馬にまたがると、走らせてみることにした。


ガクガクガクガクガク……


完全耐性が働いているから尻が痛くなることは無いのだが、岩ゴーレムだからクッション性が皆無のため、振動で乗り心地は最悪だった。

せめて上下の振動が抑えられれば多少はマシになりそうだが……



「そうだ!」



振動が発生するのは、馬と尻の間に空間が発生するからだ。だったら、前に黒装束や騎士団を運搬したときみたいに、ゴーレムと1体型にすれば良いじゃん!



「ゴーレム作成!」



上半身は俺、下半身は岩の馬のケンタウロスモドキゴーレムが出来上がった。

試しに走らせてみるが、体が固定されている関係上、先ほどよりはかなりマシになった。これなら行けるな。



「よし、出発~!!」



俺は全速でゴーレムを出発させるのだった。


その日、街道に馬の魔物が現れたとかどうとかの噂が出たのは、言うまでも無かったとだけ言っておく。













「これはシュウ様の仕業ですね。」


「シュウだな。」


「シュウ君だね。」



とある屋敷ではバレバレだみたいだ(汗)


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