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186 お風呂


食事会が終わり、部屋に戻ってきた。



「あー疲れたぜ。」


「だね、こういった貴族様との食事は気を張るよね。まぁ、料理は美味しかったのは良かったけどね。」


「うんうん。」



その考えは全面的に同意する。そう考えると、俺は貴族社会には馴染まないんだろうなと、何となく思った。

さてと、今日も色んな意味でも疲れたので、さっさと寝ようと思う。

生活魔法で綺麗にしてから、着替えてベッドへと入ろうかと思ったら、扉がノックされた。


コンコン……



「はい。」



扉を開けると、そこにメイドさんが畏まっていた。



「お風呂のご用意が出来ましたので案内させて頂きます。」


「あ、はい。……って、お風呂!?

 レリウス! サム! お風呂に入れるってさ!!」



俺が振り向くと、レリウスとサムが目を輝かせていた。



「お風呂!?」


「風呂って言うと、大量の湯に浸かるアレだよな?」



確かに大量のお湯を沸かすためには大量の燃料が必要だからな。普通の平民には贅沢品だろう。

……ふと思ったのだが、土魔法で風呂桶を作って、水魔法と火魔法でお湯を作れば風呂に入れるんじゃね? 今度機会が有ったら試してみよう。



「レリウス、シュウ、風呂だぞ! 早く行こうぜ!!」


「そうだね。」


「うん!」



今は楽して入れるんだし、有難く頂くことにしよう。



「では、私に付いて来て下さい。」



メイドさんは、俺達が風呂に行くことが決まったことが分かったので、風呂場へと案内してくれた。



「では、ごゆっくりどうぞ。」


「「「はい!」」」



俺たちは颯爽と服を脱ぐと、風呂場へと突入するのだった。



「おー!」


「広いな。」


「すげー!」



流石は貴族様のお風呂だ。10人くらいが同時に入れるくらいの広さの湯舟だ。これは入るのが楽しみだ。



「ん?」



ふと、湯船に先客が居ることに気が付いた。貸し切りじゃなかったのか……いったい誰が入っているのだろう。

湯船に入っていた人が俺達が入ってきたことに気が付いたらしく、振り向いた。



「来たか。」


「ト、トーマス伯爵様!?」



何と湯船に入っていたのはトーマス伯爵様だった。何でここに居るんだよ!!



「えっと、申し訳ありません。すぐに出ますので……」


「待つのだ。」


「えっ?」



そそくさと退散しようとしたが、捕まってしまった。大魔王からは逃げられないらしい。

それにしても、トーマス伯爵様よ、そんなにジロジロと見られると、居心地が悪いんですけど……



「本当に子どもなのだな。」



おいこら! 今どこを見てそう言った? 確かに子どもには違いないけどさ。



「幾つだ?」


「7歳になります。」


「そうか……言葉遣いと言い、礼儀と言うか態度の大きさといい、年齢らしくない感じがしたが……まぁ、これなら気にすることでもないだろうし、大丈夫だろう。」



うんうんと何かに納得をしているみたいが、きっとロクでもないことであることには違いないだろう。



「さて、私は上がらせてもらおう。お前たちはゆっくりしていくと良い。」


「あ、はい。」



トーマス伯爵はそう言うと、風呂場から出て行った。

俺たち以外居なくなったため、サムが元気になったみたいだ。



「おい、シュウ、早く入ろーぜ!」


「ちょい待ち!」


「何だよ!」


「湯船に入る前に体を洗うんだ!」


「そうだね、汚れを落としてからの方が良いよね。」


「……へいへい。わーったよ。」



どうやら、さすがにそのまま入るのは悪いと思ったのか、従ってくれるみたいだ。

3人並んで綺麗に体を洗うのだった。



「行くぜ!」


「あっ!」



ドボーン!!



サムに首を掴まれたと思ったら、そのまま湯船に飛び込まれた。



「ぷはぁ! 何するんだよ!」


「悪りぃ、悪りぃ♪」


「サムぅ~、僕にまでお湯が掛かったじゃないか。」


「へへっ♪」



全然反省してないな。まあ誰も居なから良いけどさ。

それにしても久々の風呂は気持ち良いな。と言うか、この世界に来てからマトモにお風呂に入ったのって初めてじゃね? 今まではタライ程度だったしな。



「あ゛ぁぁぁ~~~~~……」



思わず声が出てしまったぜ。



「ぷっ、シュウ君、年寄りくさいよ?」


「だせぇ!」


「べ、別に良いだろ!」



ゆっくりと風呂に浸かった後は、部屋に戻り心地よい疲れと共に眠るのだった。

えっ? 女湯はって? お前……死にたいのか?(汗) いや見たくないと言ったら噓になるけどさ……


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