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182 到着


屋敷の門まで到着したが、すんなりと中に入れたのにはビックリした。

まぁ、馬車にある紋章が有るのと、先触れでも出ていたのだろう。

そして馬車は屋敷の玄関前へと到着し、馬車の扉が開かれた。



「シュウ様、降りますわよ。」


「あ、はい。」



アリスはそう言ったが、特に動く気配は無かった。

えっと、俺が先に降りてエスコートしなくちゃならないのか?

仕方がない、最後のお勤めだ。俺は馬車を降りると、アリスへと手を伸ばして声を掛けた。



「アリス様、段差になっております。お気をつけてお降りください。」


「ありがとうございます。」



アリスは俺の手を取ると、馬車を降りた。どうやらこれで正解だったみたいだ。

アリスが馬車を降りると、執事が玄関の扉を開けた。



「おぉ! すげー!」



俺が思わず声を上げると、執事に睨まれてしまった。

だって仕方ないじゃん。扉の向こうにはメイド達が並んでいるんだぞ? これに感動しない人は居ないだろう。



「さぁ、シュウ様行きますわよ。」


「ちょ、ちょっと待って、レリウスとサムがまだ……」


「後で合流しますので大丈夫です。」



アリスはそう言うとさっさと屋敷に中に入って行った。仕方ない付いて行くとしますか。



「「「「「「「お帰りなさいませ、アリスお嬢様!」」」」」」」



屋敷内に入ると、メイド達はそう言って一斉に頭を下げたのだった。ナニコレ凄すぎるぜ!!

俺がハイテンションでメイド達を二度見とかしてると、アリスがクスリと笑った。



「シュウ様のその様に驚いた姿、初めて見ましたわ。」


「し、仕方がないじゃないですか。こういった事は初めてなのですから。」


「うふふふっ。」



くそっ! 絶対楽しんでいるな。



「冒険者の方はこちらへどうぞ。」


「あら、一緒にお父様へ挨拶しようと思ったのですが。」


「リルディル伯爵様にも準備がございますし、いきなりお会いになるのも問題となります。」


「仕方ありませんね、シュウ様、また後でお会いしましょう。」


「あ、はい。じゃなくて、か、畏まりました。」



アリスはニコリとほほ笑むと、その場から離れて行った。



「では、こちらへどうぞ。」


「あ、はい。」



俺はメイドさんの案内で別の部屋へと連れていかれたのだった。



「では、こちらの部屋でお待ちください。」


「はい。」



案内された部屋はそこそこ広い部屋だった。お客様用だろうか。

とりあえずソファーに座って待つことにした。


コンコン……


少しして扉をノックする音がした。



「は、はい!」


「お連れ様が到着しましたのでご案内させて頂きました。」



俺は返事をすると、メイドさんの声が聞こえて扉が開かれた。



「や、やぁ!」


「き、来たぜ。」



やってきたのはレリウスとサムだった。



「やっと来た。1人で心細かったんだからね!」


「仕方ないだろ! こっちだって色々と有ったんだよ。」


「屋敷に入る前に色々と持ち物とか調べられたから遅くなったんだよ。」


「そうなの? 俺は全然そういった事は無くて通されたけど。」


「はぁ? シュウだけずりーぞ!」


「そう言ってもなぁ……アリスと一緒だったからとか? 良くは知らんが。」


「とりあえず2人とも座ったら?」


「そうだね。」


「おう。」



レリウスとサムが対面のソファーに座った。



「それにしても凄い部屋だよね。」


「何か落ち着かねーぜ。」


「だね。」



確かに落ち着かないのは同意だ。



「なぁ、これから俺達ってどうなるんだ?」


「う~ん、どうなるんだろうね。」


「依頼票のサインをもらって終わりじゃないの?」


「馬鹿、そんな訳無いだろうが! 俺達で暗殺者とかからアリス様を守っただろ? きっと、お礼に大金とか貰えるんだぜ!」


「まぁ、助けたのはシュウ君だけどね。」


「いや、俺達もそれなり……少しは手伝っただろ?」


「貰えたなら、普通に3等分すりゃいいじゃん。」


「良いのか!?」


「さすがにそれは悪いよ。」


「でも、俺たちは3人でパーティだしね、それで良いんじゃない?」


「さすがはシュウだぜ!」


「う~ん、良いのかな?」



まぁ、別にお金で困ってないししね。色々と優劣付けると後々面倒くさいしな。それ以前に貰えるかどうかは決まってないんだけどね。


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