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175 潜入


転移で飛んだのはルイス団長の屋敷の前だった。

さすがは騎士団長の家だ。結構大きなお屋敷で、門の前には守衛が2人立っていた。もしかしたら貴族なのかもしれない。



「まぁ、普通に考えても、家には入れてくれないよな。」



顔見知りならばいざ知らず、全く知らない人間を入れてはくれないだろう。なのでこっそり侵入することにする。

何故だか知らないが、俺は侵入するための知識を持っていた。もしかしたら前世でその手のスパイ活動をしていたのかもしれない。個人情報的なものは何一つ覚えてないけどな。

とりあえずその時に使用していたコードネーム? を使わせてもらおう。



「こちらス〇ーク、目的の屋敷の敷地内に侵入した。大佐、次の指示をくれ。」


『よくやったス〇ーク。あそこに空気を取り入れるためのダクトが見えるだろう? あそこから侵入するんだ。』


「えっ?」



冗談で言っただけなのに何で返事が来るんだ? しかもこの声に聞き覚えがあるぞ?

ふと何となく嫌な予感がしたのでステータスを見てみることにした。


-----------------------------------------

名前 :シュウ

年齢 :7

種族 :神族

状態 :普通


LV :8

HP :73/73

MP :107/143


STR:20

VIT:17

AGI:24

INT:28

DEX:18

LUK:99999


スキル:

創造魔法、全属性魔法、召喚魔法、転移魔法、魔力制御、アイテムボックス(改)、完全無効、状況認知(改2)、思考制御、言語理解、偽装、オート狙撃(改2)、錬金術、剣術、以心伝心、AIナビ(大佐)


称号 :異世界転生者、狙撃手、クッキングマシーン

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どうやら新しいスキルを習得したみたいだ。何だよこのスキル習得のオンパレードは。

まぁ、やったのは俺なんだけどさ……


-----------------------------------------

【AIナビ(大佐)】

質問することで指示を仰ぐことが出来る。

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もしかしてだが、問いかけたのが大佐だったからこうなったのか?

もし、可愛い女の子を希望していたら……なんてこった……

やってしまったことは仕方がない。普段はOFFにしておいて、必要な時だけ使うことにしよう。



「えっと、ダクトから侵入出来るんだったな。とりあえず行ってみよう。」



状況把握で誰も居ないことを確認した俺は、ダクト……もとい空気取入れ口から侵入することにした。

入口は小さく狭そうだが、子供の体でもある俺なら問題なく入れそうだ。だが、その場所の近くに何人かの警備兵がウロチョロしていた。面倒だな。



「いっそのこと全員無力化にでもする……ん?」



どうやら警備兵は一定のペースで見回っているみたいで、よくよく観察していると、有るタイミングで全く人が居ない時間が発生することに気が付いた。



「よし、タイミングを合わせて突っ込むぞ。5…4…3…2…1…今だ!」



俺は素早く空気取り入れ口まで走り、ネズミ侵入防止の柵を外す……



ガッ!



外れなかった。よくよく見ると釘で固定されていた。マジかよ……



「何の音だ?」



しまった警備兵に気が付かれた! 恐らく頭上に「!」が出たに違いない。一度仕切り直すしかない。俺はその場を離れて身を隠すのだった。

草むらにしゃがみ込みひたすら時間が経つのを待つことにする。脳内では危険を知らせる音楽が鳴り響いているが、きっと気のせいだろう。



「異常無しだ。気のせいだったみたいだ。」



どうやら警戒を解いたらしい。再び巡回へと戻って行った。

とりあえず安全になったので今後の対策を考えることにする。どうやって侵入するかだ。


1.釘を頑張って抜く

2.柵を壊して侵入する

3.他の侵入経路を探してみる

4.その他



1番の抜くと言っても道具が無いんだよな……2番は出来れば避けたいし、3番が無難なところか? 4番は思いつかない。

とりあえず屋敷を1周してみることにした。


身を隠しながら周ってみると、1ヶ所、2階の窓が開いているのが見えた。

だけどハシゴも登るための出っ張りも無いため、とてもじゃないが登るのは無理そうだ。



「やっぱり最初の釘を何とかするしか……あれ?」



ふと思い出したのだが、転移魔法って行きたい場所が想像出来れば飛べるんだったよな。ならドローンで確認したら飛べるんじゃね?

俺はドローンを飛ばして部屋の中を確認してみることにした。



「Oh……」



机に向かって作業をしている男性が居たのだ。そんな場所に飛び込んだら即座にバレるじゃんかよ。

結局最初の場所まで戻ってくることになったのは言うまでも無かった。



「さて、釘をどうするかだが……そー言えば抜くことに拘ってたけど、別に抜く必要って無くね?」



先ほどのドローンで気が付いた。ドローンは視覚を飛ばしているだけだから、壁は無理でも隙間さえ有れば飛ばせるのだ。

俺はドローンを飛ばし、空気取り入れ口へと侵入させることにした。

隙間から入り込むと、どうやらそこは食糧庫みたいで、小麦の袋や野菜、木の実等が所狭しと置いてあった。



「とりあえず飛ぶか。」



俺は転移魔法で食糧庫へと飛んだ。



「潜入成功!」



無事に潜入出来たので、次は人質を探すことにする。

状況把握で屋敷の中を調べてみると、そこそこ人が居るみたいで、どれが人質なのかが分からない。

とりあえず動いている人物や複数人で固まっているのは違うだろう。そう考えると1階は居なそうだ。


2階には1人だけの反応が2つ、2人で固まっている反応が1つ有った。1人の1ヶ所は先ほど仕事をしていた人物だろう。

そしてもう1ヶ所の1人が、2人の反応のちょっと離れた場所に居る。もう少し詳しく調べてみるか。

反応大きさをゴブリンサイズに変更してみると1つだけ見つけることが出来た。これは正解かな?

恐らく2つの反応が母親と娘で、少し離れた反応が扉の前に居る見張りで間違い無いだろう。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] AI大佐は2の仕様かな [一言] 今日から君のコードネームはラ○デンだ
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