158 本日2回目
アリスが泊っている部屋までやってきた。
「それでシュウ様、私はどうすれば良いのでしょうか?」
「えっと……」
ご令嬢に対してお〇っことう〇ちとかって言っても良いのだろうか? でも、しっかりと出さないととんでもないことになるし……
「? 如何いたしましたか?」
え~い! ままよ!!
「……ゴホン! えっと、すまんがトイレに行って出せる物を全て出し切って貰えないか?」
俺がそう言うと、アリスはみるみる顔が真っ赤になって驚いた顔をした。
「……はい。」
そして俯いて蚊の鳴くような声でそう言うと、部屋を出て行くのだった。
だって言わなきゃ大変なことになるんだし、しかたないじゃん!!
しばらくしてアリスが戻ってきたのだが、何やら様子が変だった。モジモジしている。
「アリス、どうしたんだ?」
「……た。」
「はい?」
「……した。」
「何? 聞こえないんだけど?」
「だから、全然出ませんでしたと言ったのです!」
「……ごめんなさい。」
うん、これは俺が悪かったな。素直に謝ることにした。
そうか、出なかったのか……どうすっかな。
「あの……もしかすると、その……アレを出すことが出来ないと魔法が習得出来なくなるのでしょうか?」
「そう言う訳じゃないけど、習得する際にそれら全てをぶちまけることで、とんでもないことになる可能性があるからな。」
「!! もう一度行ってまいります!」
アリスが慌てて再びトイレへと向かって行くのだった。いってら~ノシ
しばらくして戻ってきたのだが、首を振っていたので、どうやらやっぱり出なかったみたいだ。
緊張したりすると出無くなる時って有るよね。わかるわかる。
「シュウ様、おそらく大丈夫なのだと思います。」
「良いのか?」
「はい。」
アリスが覚悟を決めた顔をしたので俺は実行することを決心することにした。
「ではアリス、手を出して。」
「はい。」
アリスが両手を前に出したのでそれを握る。
アリスがピクリと反応し、耳が赤くなったのだが、おかしいな……まだ魔力は流してないんだが……
「よし、行くぞ!」
俺がそう言うと、アリスは目を閉じてギュッと指に力が入った。俺はゆっくりと魔力を流し始めた。
「くりゅ、シュウ様の熱くて大きな何かがアリスの中に入ってくりゅのぉ、駄目、ダメダメダメ、アリス飛ぶ、飛んじゃうの、嫌ああぁぁぁ~~~~!!」
ブシャアアアアァァァ~~~~!
何かとは言わないが、大量の液体が何処からか噴き出したとだけ言っておく。
そしてアリスは気絶した。
「……どうすっかな、これ。」
辺りは大惨事だ。アリスはお嬢様だし、此処にはメイドみたいな人も居ない。さすがにこのままにしておくのは駄目な気がする。
「仕方ないな。」
俺は生活魔法を駆使して部屋やアリスを綺麗にすることにした。
いやぁ~俺がロ〇コンじゃ無くて助かったぜ。相手がエレンさんだったら耐えられなかったと思う。
いや、アリスは年上だったな。あれ? こういう時はどうなるんだ? まあいいか……
綺麗になったアリスをベットに寝かせると、鑑定をしてみることにした。
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名前 :アリス=リルディル
年齢 :13
種族 :人族
状態 :普通
LV :1
HP :10/10
MP :50/50
STR:2
VIT:2
AGI:3
INT:4
DEX:4
LUK:2
スキル:魔力感知、魔力操作
称号 :リルディル伯爵家令嬢
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「ちゃんと習得できてるな。」
それにしても、これで誰でもこのやり方で魔法が習得できるのが確定したな。
ある程度レベルのあるレリウス達だけじゃなく、レベル1のアリスでも習得できたんだからな。
まぁ、その後が大変なことになるのは何とも言えないが……
とりあえず目的は果たせたので、俺はアリスの部屋を後にするのだった。
・・・・
部屋に戻ると栗の花の様な匂いがツンと鼻を突いたような気がした。
この匂い、昔どこかで嗅いだことがあるような気がするのだが……はて?
ふとレリウスとサムが見えないと思ったら、どうやら2人ともすでにベットに入って毛布をかぶって寝ているみたいだ。
「あれ? 2人ももう寝ちゃったのか。」
まぁ、移動や戦闘で疲れただろうし、仕方ないか。
「や、やぁ、シュウ君お帰り。」
「よ、よぉ。」
と思っていたら、俺が呟いた声を聞いた2人が毛布から顔をだしてきた。
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
「ま、まだ寝て無かったから大丈夫だよ。」
「そ、そうだぞ。大丈夫だ。」
「? それなら良いんだけど。」
ただ、2人の様子が少し余所余所しいと言うか、変なのが気になるな。
「何か有ったの?」
「な、な、な、何も無いぞ。な、レリウス!」
「う、うん。決してシュウ君達の声が聞えた何てことは……」
「レリウス! バカ!!」
「あっ……」
「声? 何のこと?」
「な、何でも無いよ! お、お休み~!」
「お、俺も!」
2人はそう言うと、毛布をかぶって寝てしまった。何なんだ?
「まあ良いか。俺も寝ようっと。」
空いているベッドに入り込むと、そのまま眠ることにした。
・・・・
ベッドに入り、静かになった部屋になったことで気が付いた。
ここの宿って壁が滅茶苦茶薄いじゃんか! 隣の部屋の話声程度なら聞こえる感じだ。
アリスの泊っている部屋は隣だ。と言うことは……先ほどの会話と言うか叫びは聞こえていた!?
「・・・・寝よう。」
俺は知らない。何も知らない。栗の花の匂いも2人の様子も何も知らなかった。よし!
うほっ!(笑)




