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134 依頼完了


「はっ? えっ? 何? 何が起こった!?」


「えっ? えっ? えぇ~!?」


「何、何、何なの?」


「綺麗。」



全員が突然無くなったゴミに慌てふためいている。まぁ、当然だよな。

さて、何て説明しよう……よし!



「依頼はこれで終了ですね。」


「へっ? それで良いのかな? あれ?」


「ゴミはこちらで処分しておきますので、サインをお願いします。」


「あ、は、はい。」



俺はミーナから依頼票を奪い取り、みんなの考えが纏まる前にサインを貰った。

俺が行ったのは、勢いに任せての誤魔化しだ。



「先ほど言った通り、内緒にして下さいね。それでは~」



俺はさっさとこの場を離れるのだった。



「えっ? あれ? シュウ君?」


「お、置いてかないで~」


「私達も行く。」



・・・・



「此処まで来れば良いかな。」



依頼の家からだいぶ離れた所まで来て落ち着くことにした。



「……それで、何をしたのか教えて貰えるのかな?」


「えっと、その、な、内緒……かな。」


「ふ~ん。」



ミーナとカレンがジト目でこちらを見ていた。



「シュウ君なら、このくらい出来ても不思議じゃない。」


「いや、どう考えてもオカシイでしょ!」


「問題無い。」


「あーうん。レイラってそう言うところが有ったわね。」


「まあいっか。早く楽に終わったと考えたら良かったかも。

 それに、実際あのゴミを処理するのは私達じゃ無理だっただろうしね。」


「そっか、依頼失敗になったら、罰則金を払わなきゃいけなかったし、シュウ君には感謝だね。」


「ありがとう。」


「どういたしまして。」



俺が何をやったのかは気になっているみたいだが、さっき内緒と言ったのも有ったし、気にはなっても聞かないでくれるみたいだ。



「じゃあ、さっさと報告して、街に遊びに行こう!」


「うん!」


「行く。」


「そうだな。あっ! 回収したゴミだけどどうする?」


「要らないからシュウ君が何とかしておいて。」


「良いのか?」


「もちろん。」


「じゃあ、ゴミは俺が処分しておくよ。」


「お願い~」



そう言うことなら有難く貰っておくことにしよう。言っては無かったが、実はかなり良い物が有ったのだ。内訳はこんな感じになったのだ。


鉄:528kg、銅:267kg、銀:11kg、金:7kg、木屑:308kg、紙屑:78kg、生ゴミ:36kg、ミスリル:1kg


な、な、な、何とミスリルが有ったのだ! さすがに量は少ないが、何かに使えるかもしれない。

他にも金や銀も有ったし、鉄や銅も大量に手に入ったのは嬉しい。鉄は後で武器にでもしようと思う。

木屑や紙屑も手に入ったので、これは後で錬金術で薪や紙にでも変えておくことにする。

残りの生ごみは流石に要らないので、後で捨てておこう。


それにしてもよくもまぁこんなに沢山のゴミがあの部屋の中に会ったものだな。

……ふと思ったのだが、今回の依頼って清掃と片付けだったよな? もしかして、これってゴミじゃなかったのかもしれない。

まぁ、サインを貰っちゃったから依頼完了だし、処分するって話をしたときに返事もしたことだし、構わないよね?


冒険者ギルドへと戻って来た。丁度朝の忙しさが終わったタイミングだったらしく、人はまばらだった。

早速報告のためにイザベルさんの所へ向かうことにした。



「イザベルさん、終わったよ~」


「えっ? もう? そんなに簡単な依頼だったの?」


「う~ん。どうなんだろう?」


「シュウ君のおかげ。」


「確かに、シュウ君が居なかったら終わる気がしないかも。」


「そうなんだ。まぁ、依頼人のサインも有ることだし、処理しちゃいますので、ギルドカードを出してね。」


「「「はい。」」」」



俺達全員分のカードを出すと、処理をしてくれた。



「はい。ギルドカードと、依頼料の大銅貨4枚よ、ご苦労さまでした。」


「ありがと~」


「これで美味しいもの食べられる~」


「嬉しい。」


「本日は冒険者ギルドのご利用ありがとうございました。私、イザベルが対応させて頂きました。

 またのご利用をお待ちしております。」



依頼料を受け取った俺達は冒険者ギルドを後にするのだった。


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[気になる点] スキル使ってるから証拠は残してないけど 確実に孤児院の悪評は広まると思う…… 依頼主の心情考えたら 「冒険者に依頼して孤児院の子にゴミ処理させたら室内に合った貴金属が失くなった」 っ…
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