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010 かくれんぼ


あの後アランとエレンが付き合いだしたと、風の噂(シスターの世間話)で聞いた。良かった良かった。

そして、何だかんだで孤児院に来てから3年ほどの月日が流れた。


この3年間は色々と有ったなぁ……

おままごとしたり、おままごとしたり、おままごとしたりとかだ。あれ? おままごとばっかり!? 子供だから良いけどさ。

ただ、カレンがあの後からやたらと俺におっぱいを吸わせようとするんだが、あれからは拒否しているとは言え、何とかならないものか……

幸いなことに6歳になったカレンは、孤児院の外での奉仕作業に連れ出されるので、昼間は平和なんだけどね。


ぴとっ。



「シュ~ウくん♪」



俺の背中に引っ付いてきたのはアンナだ。



「どうした?」


「ん~ん。なんでもな~い♪」


「そうか。」



アンナはこんな風に、俺に引っ付いてくることが多くなった。

アンナはぷっくりとした赤ちゃんから可憐な幼女へと変わったので、俺的にはこうして好かれているのは嬉しいから別に構わないのだが、同年代の男の子達のやっかみの視線にはちょっとウンザリしている。と言うか、3,4歳でもやっかみって有るんだな。初めて知ったよ。


それにしても、アンナがこうも構ってくる様になったせいで、新たにスキルを取得したりしてのお試しが出来ないでいる。折角成長して動き回れる様になったのにね。

ちなみに今のステータスはこんな感じになっている。


-----------------------------------------

名前 :シュウ

年齢 :3

種族 :神族

状態 :普通


LV :2

HP :13/13

MP :53/53


STR:5

VIT:5

AGI:5

INT:5

DEX:5

LUK:99999


スキル:創造魔法、詠唱破棄、物理無効、魔法無効、状態異常無効、魔力盾、アイスアロー、おっぱい召喚、言語理解、偽装、鑑定、アイテムボックス、気配察知、生活魔法


称号 :異世界転生者

-----------------------------------------


何で生活魔法が増えているのかって?

そりゃあ……朝起きて布団が湿ってたら必要だろ? 仕方なかったんだ!(自爆)


あ、そうそう。あれから色々スキルの検証を行った所、新たに鑑定の新機能を発見したんだよね。

何と鑑定結果にも鑑定が出来たのだ。例えば……そうだなぁ、この毛布で良いか。これを鑑定すると以下の通りになる。


-----------------------------------------

【毛布】

ウールシープの毛から作られた毛布、柔らかくて保温性が有る。

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そこでウールシープのところを再度鑑定すると


-----------------------------------------

【ウールシープ】

体中が毛におおわれており、その毛を使って外敵から身を守っている。毛は柔らかく服などの素材として使われている。食肉可。

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こんな風に詳細を知ることが出来きて便利なのだ。

他にもスキルなどの詳細なども分かるようになった。例えば先ほどの生活魔法だとこうなる。


-----------------------------------------

【生活魔法】

消費MP:1

飲み水を出したり、火を起こしたり、洗濯や乾燥等が行える。生活に便利な魔法。

-----------------------------------------


あっ、さっき生活魔法の取得した理由がこれかって? そ、そう、飲み水が欲しかったんだよ。うん。

あれ? 結果と事実が逆だって? こまけぇことは良いんだよ!!



「シュウくん、おそとへいこ~」



おっと、折角のアンナのお誘いだ。ちょっと行って来るとしますかね。



・・・・



「しゅうくん、なにしてあそぼっか。」


「そうだなぁ、かくれんぼとか?」


「いいよ~」



俺達がそんな話をしていると、周りにいる子供たちも群がってきた。



「わたしもやる~」


「おれも~」


「ぼくもやりたい。」


「じゃあ鬼を決めるぞ、じゃ~ん、け~ん……」


「「「「「ぽい!」」」」」


「うわぁ、まけた~!」



負けたのは1つ年上でもあるロイだ。



「「「「かくれろ~!」」」」



俺を含めた他の子達は、わらわらとその場から蜘蛛の子を散らす様に逃げて行った。



「がぞえるぞ~、い~ち、に~、さ~ん……」



俺は物陰に隠れて身を潜めている。



「くくくっ、見つけられるかな?」



何を隠そう、俺が一番隠れるのが上手なのだ。体は子供、頭脳は大人の俺に掛れば余裕だ(笑)



「……きゅうじゅうきゅ~、ひゃ~く! よし探すぞ~!!」



どうやら数え終わったみたいだ。ロイがきょろきょろと当たりを見回した後、目星を付けたのか移動を開始した。

って、こっちに来てるじゃん! だ、大丈夫だ。まだ慌てる様な時間じゃない。



「おっ、しゅう、み~つけた!」


「ぬわああぁぁぁ~~~!!」



一番最初に見つかってしまった。何故だ!

ふと、何となくロイに対して鑑定を掛けてみた。


-----------------------------------------

名前 :ロイ

年齢 :4

種族 :人族

状態 :普通


LV :1

HP :10/10

MP :50/50


STR:3

VIT:2

AGI:4

INT:2

DEX:4

LUK:3


スキル:索敵


称号 :

-----------------------------------------


ん? 索敵のスキルを持ってる? もしかして俺が見つかったのはこのせいか。

と言うか、ロイは何時の間にこんなスキルを習得したんだ? もしかしてかくれんぼとかが原因なのか?

ステータスを見る限りでもスカウト系に適しているみたいだし、案外才能が有るのかもしれない。



「よし、あそこにもいそう。」



ロイはそう言うと、茂みに向かって駆けだした。



「マイク、みっけ!」


「くそ~みつかった!」



索敵を上手く使いこなせてるっぽいな。ある意味ズルかもしれんが。

そーいや、索敵と気配察知って何が違うんだ? ちなみに気配察知はこんな感じだ。


-----------------------------------------

【気配察知】

消費MP:なし

感知する範囲と対象を指定することで、それを把握することが出来る。

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そして索敵はと言うとこんな感じだ。

-----------------------------------------

【索敵】

消費MP:なし

索敵をした際に半径50m以内の生き物を感知できる。

-----------------------------------------


何となくだが索敵はアクティブスキルで、気配察知は索敵の上位互換でパッシブスキルみたいだ。

ロイはスキルを使って次々と見つけていく。最後にアンナが見つかって終了した。



「つぎはシュウがおにだな。」


「「「「かくれろ~!」」」」



再び子供たちが散り散りに逃げていく。俺は数を数えることにした。



「い~ち、に~、さ~ん……ひゃ~く!」



さて、気配察知を使えばあっさりと見つけることは可能だろう。だが命を懸けたゲームならまだしも今は遊びだ。折角だし実力で相手をしてやろう。

俺は気配察知を切り、みんなを探し始めるのだった。










「みんな何処~?」


完敗である。今日のところはこれで許してやろう。くすん……


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― 新着の感想 ―
[一言] >負けたのは1つ年上でもあるロイだ。 5話にも5歳男子の一人として同じ名前で居ませんでしたっけ
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