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コンプレックスガール  作者: ぴよ ピヨ子
第六章:アンラッキー警報発令中
111/241

第111話:自分語り

 小林さんと新地君の痴話喧嘩?に、不幸にも巻き込まれてしまった私。そんな私が見守るその先で二人は先行きの見えない話し合いを行い、突如として乱入してきた鈴木君によってその場は更なる混沌の渦へと沈んでいく。


「先ず一つ、確認しときたいんだけどさ。新地君は小林さんのことを、妹みたいに思っているんだよね?」

「あ、あぁ・・・」

「小林さんが好みのタイプであるとか性格がどうとかそこは重要じゃなくて、あくまでも彼女のことを妹のように感じているがために異性として見れないと?」

「・・・・・」


 鈴木君の問いに、新地君は首を小さく縦に振る。


「なるほどね?ちなみになんだけれど、新地君の好みのタイプは?」

「え?」

「見た目とか性格とか、新地君なりの好みのタイプってあるの?」

「いや、それは・・・。そんなのないけど・・・」


 そう言って、新地君は視線を彷徨わせる。


「ふむ、なるほど・・・。それなら、可能性はあるのかな?」

「「「・・・・・」」」


 鈴木君は何に納得したのか、一人でウンウンと頷いている。


「小林さん、ちょっとこっち来て」

「え?」

「いいからいいから」

「・・・・・」


 鈴木君と小林さんは、二人連れ立って行ってしまった。そして、その場に新地君と二人きりで放置される私。


「「・・・・・」」


 気マズい、滅茶苦茶気マズい・・・。てか、何で私がこんなことしなきゃいけないわけ?!


「あ、あの・・・」

「ん、何?」

「何か、巻き込んでゴメンな?」

「・・・・・」


 鈴木君たちが消えていった方を眺めながら、二人してただただ廊下に佇むだけの時間。新地君とは学校で積極的に話すわけでもないし、偶にチビだのチビ助だのと揶揄ってくる以外には接点らしい接点もないため会話も弾まない。


「「・・・・・」」


 ただただ、気マズいだけの時間が過ぎていく。そして、そんな微妙な空気に耐えかねたのか、新地君はポツポツと自分語りを始めた。


「俺と美乃里はさ、親同士仲が良くて、その関係で小さい頃から一緒にいてさ。小さい時は一緒にお風呂入ったり一緒に遊んだりもして、だけどそれはもうだいぶ前の話で・・・」

「・・・・・」

「もちろん今でも話したりはするけどさ、去年とかは勉強を教えたりもしてたし・・・。でも、昔ほど深い付き合いはしてないっていうか、俺たちもう中学生だしさ」

「・・・・・」


 その関係性は、私とともちゃんの関係とよく似ていた。私とともちゃんも年齢が上がるとともに微妙に距離が開いていったし・・・。


「小さい頃は、男とか女とか意識してなくてさ。だけど、小学校に上がったらその辺に敏感になるっていうか・・・。ましてや中学生の今なんて言うまでもないっていうか・・・」

「・・・・・」

「男と女が一緒に遊んでたらさ、周りの奴等が色々言ってくるだろ?それが面倒臭かったし、美乃里もそれは嫌だろうなって思って距離を取っててさ」

「・・・・・」


 私の場合は、私が男らしくなかったから。だから男友達は少なかったし、その影響もあってか数少ない男友達であり幼馴染でもある陽介にべったりだった。

 家に帰ってからはともちゃんともよく遊んでいたけれど、学校ではそこまでだったしなぁ・・・。やはり男女の間には目に見えない壁があるというか、同性同士で群れ合う何かがあるのかもしれない・・・。


「正直な話、誰が好きとか見た目がどうだとか、俺にはよく解らねぇ~よ。俺にとって美乃里は偶々家が近くて昔よく遊んでたってだけで、強いて言うなら妹みたいなヤツだって話で・・・」

「・・・・・」

「だから、いきなり好きですって言われても困るっていうか、どうしたらいいのか解らないっていうか・・・」

「・・・・・」


 それから数分後、鈴木くんたちは戻ってきた。小林さんの顔は幾分かスッキリとしており、この分なら大丈夫そうかな?


「僕たちは先に行くから。男子は男子同士で、女子は女子同士でってね?」


 怪訝そうな顔をする新地君の手を取り、鈴木君は行ってしまった。そしてその場には、小林さんと私が二人きり・・・。


「「・・・・・」」


 そろそろ帰ってもいいですかね?と、私は心の中で呟きながら溜息を零すのだった。

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