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若くして大秘術士と謳われる男の探遊記  作者: PENJAMIN名島
第一幕   若くして大秘術士と謳われる男の探遊記
23/192

22:謎のゴスロリ少女に翻弄される噺

「私たち、時間掛けて隈無く見て回ったんだけど、一体どこから入ってきたのかしら?」


 入り口はミル達が入ってきた地上に一つしかないはず。


 もしかしたら地上からずっと後を付けてきて、隙を見てイシュリーと紅玉騎士団を出し抜き、ここに先回りしてきた可能性もあるが、現実問題としては考えにくい。


「どこからと言われれば、神聖樹の根元と言うのが正解なのではないでしょうか」


 つまりは別世界からの闖入者、女王の許可なく立ち入った者と言うことになる。


「てことは最下層を抜けてきたってこと?」


「はい、間違いはございません」


「この先には、かなり強力な魔物が徘徊しているって聞いたけど?」


 情報通りだとすれば、エルラムと名乗る少女はそれらを圧倒する、何かを持っている事になる。


「もしかしてこの団体さんの目的って、ここのモンスター退治とか? 安心してくださいな。全て邪魔だったので排除しましたので。ついでに魔物門も消しておきましたよ」


 涼しい顔でトンでも無いことをサラッと言ってのけてくれる。この先にいるのは魔人や超獣と呼ばれる強力な魔物のはずなのに。


「あなた一人?」

「そうですよ。誰かを引き連れてなんて面倒じゃあないですか」


 たった一人で上級の魔物の群れをあっさりと片付けてしまった。なんて言葉を簡単に受け入れる事はできないが……。


 そしてもう一つ。何よりも大切な事を確認しなくてはならない。


「お宝って、あったのかしら? ごめんなさいね。私も一応は秘宝ハンターなんてやってるから気になって」

「ああ、そうなんですね。でもこんな所にお宝隠す人なんて、普通はいないんじゃあないですか?」


 エルラムは何か知っている。ミルは確信を持って探りを入れる。


「あなたも随分物知りみたいね」


「いえいえ、それほどでもありませんよ。それとこういうやり取りも嫌いではないのですが、別に隠し事をする気もありませんので、貴方が気になっているのはこれですか?」


 ドレスのポケットから取り出した物を、ミルは見たことがある。


「ワタクシの探し物はこの“メダリオン”だけです。他の物に興味はありませんが、この先どこを見て回っても、もう何もお宝と呼べる物はありませんでしたよ」


 魔物を退治してくれて、おまけに探索までしてくれた。嘘を言っている感じもしないし、疑うことに意味もなさそうだ。


「おや、もしかして貴方もこれがお目当てで?」


 一瞬ミルが思わず前のめりになってしまったのを、エルラムは見逃すことなく、愉快そうに笑みを浮かべる。


「残念ですが、先に手に入れたのはワタクシですので」


 もちろんそうだ。もしそんな暗黙のルールも守らずに、力ずくでお宝を奪おうものなら、悪名は

「あっ」と言う間に広まってしまい、秘宝ハンターなんて出来なくなってしまう。


「うーん、このままだと遺恨を残しそうですね」


「残さないわよ。けどそうね、交渉が可能なら嬉しいかしら。私が渡せる物で、交換が可能な物があるか話がしたいわ」


 メダリオンという名のメダルが欲しいのはウイックである。ミルは手は組んではいるが、特にそれを狙っているわけではない。


「では貴方の命と交換では?」


 言われて驚きを顔にさらけ出す。


 相手は暗に交換する気がないと言っている。と取るべきなのだろうが、ミルは本当にもらえる物なのかと、頭の片隅に浮かべてしまう。


「貴方、本当に面白い方ですね。よろしいですよ。ワタクシと対戦をして、勝てたらお渡ししましょう。いかがです?」


 まるでゲーム感覚で挑発してくるが、相手の実力を知らずに、軽はずみに返事していいのか? 悩むミルに更なる提案が出される。


「ではワタクシはこの剣一本でお相手しましょう。貴方も剣士であるようですし」


 どれだけ自信を持っているのか知らないが、いくらなんでも見るからに剣士のミルを相手に、それは嘗めすぎだ。


 ハンデを付けてくれているように思わせて、いざ対戦となれば約束を守らず、卑怯な手で意表を突いてくると見るべきだ。


「早くした方がいいですよ。お仲間のことを思うのなら」


 即答が出来ず、悩むミルに追い打ちをしてくるが?


「貴方一人でなにができるの? つまらないハッタリはいらないわ」

「ワタクシ、連れはいないとは言いましたが、誰も付いて来ていないとは言ってませんよ」


「つまり何かが起きていると?」


 未だに誰も戻ってこないのが、何か起こっている証明になっている。ミルには最初から選択肢などなかった。


 ここで彼女を無視して駆けつけようとしても、きっと邪魔をされる。

 勝負をして勝利するしかないのだ。

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