1:グレイルの脳内絵日記
外でミルとクガルグがくっついて寝ているのを発見した。おそらくミルが寝ているところにクガルグが後から来たんだろう。
子供とはいえ男女がくっついて眠るのは問題か? 引き離すべきか迷う。二人が寝ている姿は可愛いが……。
少し悩んだが、結局ミルからクガルグを少し離しておくことにしたのだった。
キックスが精霊の子供たちを乗せたそりを引っ張って走っていた。キックスはもう疲れたようだが、ミルたちにまだ走ってほしいとおねだりされて止まれないらしい。
サボり癖のあるキックスを延々と走らせるとはさすがミルたちだ。騎士たちの日々の訓練に取り入れようか。
人のいない雪の積もった訓練場で、ミルが一人はしゃいで駆け回っている。
そうやって楽しそうに遊ぶ姿を砦の上階から見るのが好きだ。
しばらくしてからまた訓練場を見にいくと、もふもふが増えていた。
この砦は冬は雪に閉ざされて静かな場所だったが、ミルが来てからというもの賑やかで明るくなった。
ミルが俺のシャツの上で寝てしまった。これから着ようと思って出しておいたシャツだが、起こすのも可哀想なので別のシャツを着ることにしよう。匂いがして安心するのか、服をその辺に置いておくといつもミルが上に乗ってしまうのだ。
ミルを執務室に残して所用を済ませ、部屋に戻ると、ミルがこっそり机の引き出しを開けていた。そこにジャーキー入りの瓶があること、気づいていたのか。
ミルは俺が戻ってきたのを見て、「ヤバイ!」と焦った顔をしていた。後でやろうと思っていたが、仕方がないから今食べさせてやるか。
金づちや木の板を用意して、厩舎の壊れた扉の修理をしていると、遊んでいたミルがわざわざ見に来た。普段と違うことをやってると毎回見学しに来るな。
ミルは精霊だから、普通のキツネと比べると体の成長はかなり遅い。今も出会った頃と変わらず、小さく可愛いままだ。
だけど少しずつ成長はしている。小さくて可愛いミルを見ながら大きくなった姿を思い浮かべると、すでに感慨深い気持ちになる。
俺は結婚もしていないし子供もいないのに、ミルを見ていると親心というものが完璧に分かってしまうな。




