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北の砦にて 新しい季節 ~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました~  作者: 三国司
第四部・ふしぎなじけん

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ミルの脳内絵日記 夏2

二話同時投稿です。『夏1』をまだ見ていない方はそちらからどうぞ。


挿絵(By みてみん)

人間は靴を履いてるから気づきにくいけど、夏って地面も結構熱くなってるんだよね。

砦の石畳の廊下に日が差していたりすると、肉球が当たって「アチチ!」となるから気をつけないといけない。





挿絵(By みてみん)

肉球をやけどしないように、ティーナさんが靴下を編んでくれた。どうやら最初は可愛い色の毛糸で編んでくれてたみたいだけど、何度も何度も失敗したらしく、残り物の毛糸を使ったので、ドブみたいな色の靴下ができた。

こんな色の毛糸、そもそも何で買ったの……。

それに謎の糸がそこかしこからびょんびょん飛び出てる。

でも、サイズはいい感じ! 何度も作り直してくれてありがとう、ティーナさん。地面を歩いても足が熱くなくて快適だよ。





挿絵(By みてみん)

野菜を入れて運ぶのにでも使ったのか、食物庫のすぐそばに丸い籠が置いてあったんだけど、いつの間にかクガルグがその中に入って丸くなっていた。

暑くないのかと思ったけど、籠だと風も通るし快適らしい。それに包まれているような感じがして安心するんだとか。猫って狭いところ好きだよね。

この籠はクガルグホイホイと名付けよう。





挿絵(By みてみん)

クガルグがずっと籠に入っているので、そんなに快適なのかなと思って、隣にあった籠に私も入ってみた。

だけどクガルグが一緒に寝たいとこっちに移動してきたので狭い。全然快適じゃない。

二人で仲良く籠に入っている光景を見て支団長さんが何か尊いものを見たような顔をしているけど、助けて……。クガルグに潰される。





挿絵(By みてみん)

クガルグがあまりにも籠を気に入っているので、支団長さんはその籠をクガルグにプレゼントした。クガルグは籠を住処に持って帰って毎日使っているみたい。

するとヒルグパパも籠を欲しがって、結局支団長さんは特注で大きな籠を作った。

クガルグたちは住処の山で、親子で猫鍋ならぬ豹籠を楽しんでいるようだ。





挿絵(By みてみん)

キックスが猫じゃらしを使って私をじゃらそうとしてくる。

だけど私は猫じゃないし、何より暑いので動きたくないのだ。





挿絵(By みてみん)

私に相手にされなかったキックスは、今度は遊びに来ていたルナベラに猫じゃらしを振り出した。

いくら猫だからって、ルナベラは大人だよ。猫じゃらしじゃ遊ばないよ。

それにほら、猫じゃらしを知らないのか、「な、何ですか、それ」って怖がってるじゃん。





挿絵(By みてみん)

かと思いきや、最終的にルナベラは猫じゃらしに夢中になっていた。

目の前でじゃらされると気になって、捕まえたくなっちゃうみたい。





挿絵(By みてみん)

サンナルシスが猫じゃらしをいくつも持って帰ろうとしていた。これがあればルナベラが寄ってきてくれると思ったんだろう。

だけどルナベラは「そんなものなくても隣にいますよ」と言い、サンナルシスは嬉しそうにしていた。

この二人、隙あらばいちゃつくんだから。





挿絵(By みてみん)

夏の恒例と言えば、父上の住処の湖で泳ぐことだ。

だけど父上は私が溺れないかと心配して、私の体が入るくらいの球状の水の塊を作り出し、宙に浮かせ、そこで私を泳がせた。

でも父上、これ泳いでも泳いでも進まないし、あんまり楽しくないよ。





挿絵(By みてみん)

日本のスーパーで売っているブルーベリーは中が白かったと思うけど、この世界の――と言うかこの国で採れるブルーベリーは中も真っ青だ。

だから食べると口や指が真っ青になる。

ブルーベリーをおやつに女子会を開けば、レッカさんとティーナさんはお互いの口が真っ青になっているのを見て笑い合っている。

ほのぼのしてて可愛い二人だ。ふふふ。





挿絵(By みてみん)

でも女子会では、結局私が一番ブルーベリーで口元を汚して、ティーナさんたちにお風呂に入れられることになった……。

この前も地面に穴掘って隻眼の騎士にお風呂に入れられたし、最近よく洗われるなぁ。





挿絵(By みてみん)

スノウレア山の麓の森にもブルーベリーが生っているのを見つけたので、お腹を満たしてから砦に来たら、ブルーベリーを食べたことが隻眼の騎士にすぐにバレてしまった。

今回は口元を汚さないように気をつけて食べたつもりだったんだけど、そんなに汚れてるかな?






挿絵(By みてみん)

夏に紳士的な態度で接してくれたクガルグに、お礼を言ってみた。

「夏の間やさしくしてくれて、ありがとう、クガルグ」

ほほ笑んで言ったら、何故かクガルグのしっぽの炎がボッと激しく燃えた。

照れてる?






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