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超巨大宇宙船が落ちて来てから十八年が経ちました:今日からあなたが艦長です!!  作者: なつのさんち
二〇四七年

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096:撮影会

「あれ? マーシェは?」


 イルカの鼻先に乗って特大ジャンプを楽しんでいた艦治(かんじ)が、マーシェ(雅絵(まさえ))がいなくなっているのに気付いた。


≪今から二人の時間だから帰ってもらったんだー≫


 艦治と共にクルーザーに上がったまなみが、ウエットスーツを脱ぎながら艦治を見やる。


「え? ここでするの?」


≪それでも良いけど、ちょーっとだけ違うんだよねー≫


 まなみはウエットスーツの下に着ていた黒いビキニを晒し、ポーズを決めて艦治に見せつける。

 ただし、顔は無表情のままだ。


「……エロい」


 艦治の性的趣味として、めっちゃエロいでしょ、どうですか? と訴えかけるような笑顔や挑発するような表情があまり好きではなく、まなみの何を発するでもない無表情のままの顔が非常にドンピシャで好みだった。


≪写真でも動画でも撮って良いよ。電脳OSにいっぱい保存して、万が一私が一緒にいれない時に見返して、寂しさを紛らわすのに使ってね≫


 神州丸(しんしゅうまる)の唯一の罪とされる、未成年がアダルトコンテンツにアクセス出来なくなった事により、艦治達の年齢層はアダルトビデオを見る機会はほぼなくなってしまった。

 兄や友達の兄のタブレットやパソコンで見せてもらう事はあっても、それを見ながら致すというのはなかなか難しい。


 まなみが仮想空間で性技を伝授してもらっている際に、艦治に自分の写真や動画を撮らせて電脳OSに保存させる事を雅絵からすすめられたのだ。

 個人的に撮影されたアダルトコンテンツにまで、規制が掛けられる事はない。


「……良いんですか?」


 思わず敬語で確認する艦治に、まなみが頷いて答える。

 艦治は様々な角度からまなみを眺め、様々なポーズをリクエストして、ビキニ姿のまなみを撮りまくった。


「あーヤバイ、これ好き。うっわ、たまんねぇ……」


 最初は遠慮しながら指示をしていた艦治も、少しずつ大胆なポーズを要求したり、至近距離から見つめたりするなど、まなみの頬を上気させるほどの熱中具合になっていった。


「えっと、場所と服装を変えて、もっと撮っても良い?」


≪良いよ、何か私も楽しくなって来たかも!≫


 自分から言い出したまなみだったが、表情には出にくいものの、羞恥心を抱えながら撮影されていた。

 しかし、艦治があまりにも興奮し、嬉しそうにしているのを見て、見られるという喜びを感じ、撮られているという状況に興奮していた。


 二人から見えない位置で待機していたナギを呼び、艦治とまなみはワープゲートを使って鳳翔(ほうしょう)内の別の区画へと移動する。



 シャワーで海水を流し、バスローブを羽織って二人が移動して来た場所は、まなみ用の服や下着などが無数に保管されている衣裳部屋だった。


≪うわー、色んな服があるじゃん。いつの間に?≫


「まなみ様を見つけた後に作っておきました」


 真っ白な空間に普段着や部屋着、外出用のおしゃれ着からフォーマルなスーツや着物など様々な服装が、まるでブティックのように吊り下げられており、試着室まで用意されている。

 ナミがまなみを見つけて以降、いずれ必要になるだろうと、元の世界の日本のものを参考にしながら服を作っておいたものだ。


≪もう一生服を買う必要なさそう≫


「お好みのものがありましたら、そのまま亜空間収納へお入れ下さい」


 ナミの言葉を聞いた艦治が、まなみに着てほしい服を選び始める。

 じっくりと服を見比べる艦治を見て、まなみが尋ねる。


≪どんな服が好みなの?≫


「こういうのって、エロいですよ! どうですか!? っていう服より、普通の大人しい服装の方がぐっと来たりするんだよねぇ」


≪じゃあこういうのはあんまり?≫


 まなみは赤いチャイナドレスを胸に当てて、艦治に見せる。


「いや、めっちゃ良い」


≪じゃあこっちは?≫


 次にまなみが見せたのは、黒いバニースーツと網タイツのセットだ。


「うわー、これ着せて撮影したいね」


≪何それ、どっちもエロエロだよ?≫


 言った事と違うと指摘するまなみだが、艦治は恥ずかしそうに答える。


「いやだって、まなみが着るなら何でも良いに決まってるし……」


≪かんち……!!≫


 艦治の言葉に感激したまなみが、チャイナドレスとバニースーツを放り投げて艦治に抱き着く。


≪あっ、固い。言ってくれれば良かったのに≫


「いや、言ってたらキリがないよ」


 まなみは艦治が自分で興奮してくれているのに気を良くし、キスをせがむ。


≪そうだ、今日はもう遅い時間だから仮想空間でしようよ。そしたらゆっくり出来るし≫


≪えー、でも現実に戻った時にテンション下がるから嫌なんだよね≫


 仮想空間でセックスをすると、仮想空間で射精すると同時に現実でも射精してしまう為、夢精した後くらい嫌な気分になってしまうのだ。


≪失礼致します。

 艦治様。医療用ポッドに入って仮想空間へアクセスして頂けば、そのようなご不快な思いをしなくて済みます≫


 ナギの提案を受けて、艦治がまなみから顔を離して聞き返す。


「どういう事?」


「医療用ポッド内のマニピュレータに、専用の器具を装着します」


 要は、医療用ポッド内で勃起した性器にオナホールを被せて精液を受け止めるという形だ。


「仮想空間でまなみとセックスしているのに、現実ではオナホールに射精するって何かSFホラーみたいな話だね……」


≪でもパンツが汚れなくて済むなら良いんじゃない? それに、今日は射精するかどうか分からないよ?≫


「え? どういう事?」


≪今日は仮想空間で私のアバターに入ってもらうからね。私もオナホール装着した方が良いのかな?≫


「いや何も出ないでしょ」


 艦治はすっかり忘れていたビッグイベントの開催を告げられ、少し内股になるのだった。

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