表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超巨大宇宙船が落ちて来てから十八年が経ちました:今日からあなたが艦長です!!  作者: なつのさんち
二〇四七年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/166

018:艦治と良光の電脳通話

≪はいはいはーい≫


≪あ、良光(よしみつ)。今大丈夫?≫


≪おー、ちょうど昼寝から目が覚めたとこだわ≫


≪良光が昼寝って珍しいね≫


≪昨日あんな事があったからな、さすがに寝れなかったわ。

 お前も寝れなかったんじゃねぇの?≫


≪いや、割とぐっすり寝た感じだね≫


≪考え込む性格のお前が寝れたんだ、珍しいな≫


≪そう言われれば……、まぁそれは良いとして。

 ナギの金銭感覚が僕と全く違ってビビってる≫


≪金銭感覚?≫


≪そう。僕の銀行口座にお金を振り込んでくれたんだけど、いくら入ってたと思う?≫


≪んーーー、一億とか?≫


≪それの千倍≫


≪一千億!? また予想を上回られた……≫


≪いくらトップ探索者が稼いでるって言ってもさ、一千億円分の働きをして見せろってなったら無理があるよね≫


≪まぁ、そこらへんは艦長補佐に丸投げすれば考えてくれるんじゃね?≫


≪でも一千億振り込んでおいて、まだ足りないかって聞いてくるんだよ?

 いくらヒューマノイドだと言っても庶民の感覚と離れ過ぎてて大変そうだよ≫


≪でも前艦長の三ノ宮(さんのみや)伊之介(いのすけ)が超大富豪だったんだろうなって事は予想出来たけどな≫


≪え、何で?≫


≪月よりデカイ宇宙船を息子がプレゼントしてくるような一族だぞ?

 いつの時代であっても庶民な訳ないだろ≫


≪確かにそう言われればそっか。規模が違い過ぎてそんな事にも気付かなかったよ≫


≪それで今その人工天体ってヤツはどこにあんの?≫


鳳翔(ほうしょう)ね。地球から観測出来ないように木星の裏側に隠してるんだって≫


≪規模がデカイかくれんぼだな。

 それで? その鳳翔にはどうやって行くんだ? 神州丸(しんしゅうまる)を動かしたら墜落したってのが嘘だったってバレるよな?≫


≪神州丸の内部にワープゲートがあって、それで移動出来るらしいよ≫


≪……何でもありじゃん≫


≪明日行ってみる? 日曜だし≫


≪めちゃくちゃ魅かれるお誘いだけど、また今度にしようぜ。

 実は沢渡さんから迷宮(ダンジョン)探索に誘われてて、お前にも声掛けてみてくれって言われてんだ≫


≪しまった。タブレットに来た連絡の返事、また出来てないわ≫


≪後で電脳OSから連絡先を送っておけよ?

 あの人、お前がナギさんに見込まれた期待の新人探索者だって噂を信じてるっぽいぞ。

 自分の探索者集団にスカウトする気だ。俺も誘われてる≫


≪おふ、マジか。良いのか悪いのか……≫


≪元々の運動神経は良いんだから、何とかなるだろ。

 最強の支援妖精もいる訳だし≫


≪探索の時に人型妖精だって騒がれないかな?≫


≪アキラメロ★≫


≪人にとっては羨ましい事なんだろうけどなぁ≫


≪まぁまぁ。お前の視力も戻ったんだし、探索者として活躍して他人にとやかく言わせねぇようにすりゃ良いじゃん≫


≪あー≫


≪大学行くのか、行ったとしても行かなかったとしても仕事はどうするのか。めちゃくちゃ迷ってたろ?

 正直死ぬまで金には困らんのだろうし、何がしたいかゆっくり考えたらいいんじゃね?≫


≪……そうだね≫


≪迷宮探索でリアルアドベンチャーしようぜ。

 俺も死ぬまで付き合ってやるから、おこぼれ期待してるぜ★≫


≪何なら今すぐ五百億円振り込んでも良いんだが??≫


≪価値観ぶっ壊れて早死にしそうだから止めろ≫


≪ホントそれなんだよね。話の感じからしてまだまだありそうだし≫


≪そりゃあるだろ。神州丸だぞ? 総資産で日本丸ごと買えるんじゃね?≫


≪月々の小遣いですら余らせてたのに、一千億なんて一生掛かっても使い切れないよ≫


≪そう言えばお前って小遣いいくら貰ってんの?≫


≪月に三十万円だね≫


≪はぁ!? 大学生の仕送りかよ!!≫


≪でも食費とジム代と病院代とか諸々含めてだよ?≫


≪いや、それでも多くね? 俺の家もそこそこ裕福だと思ってるけど、それでも月五万だぞ?≫


≪良光はお姉さんも妹ちゃんもいるから仕方ないよ≫


≪あー、それはあるな。って三人合わせてもお前の半分じゃねぇか≫


≪五百億振り込もうか??≫


≪持ちネタみたいにすんのヤメロ≫


≪しょうもない事でも言ってないと頭おかしくなりそうなんだよ≫


≪なるほどな。

 それより明日の迷宮探索の下調べしようぜ≫


≪あー、そうだね。探索者デビューだ。

 あー、みんなに支援妖精見られんのか……≫


≪お前が特別扱いを受けてる事はオープンにするんだから良いじゃん。

 そう言えばナギは今どうしてんの?≫


≪大きい方は帰った。小さい方は僕の胸板で寝っ転がってる≫


≪何かご用でしょうか?≫


≪うぉい!? 個別通話に割り込んで来んなよ!!≫


≪五百億円でよろしいですか?≫


≪だから止めろって言ってんの!!≫


≪ナギ、聞いてるのは百歩譲って仕方ないとしても勝手に割り込んでくるのは止めてね。

 良光としょうもない話とか出来なくなっちゃう≫


≪しょうもないお話とはどんな話題なんでしょうか?

 私、気になります!≫


≪分かってて言ってるでしょ!? いいから黙って存在感消してて!!≫


≪はーいわかりましたーーー≫


≪……何かナギのキャラ、変わってね?≫

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ