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PURGEー68 団体戦!!

 レジアから突き付けられた勝負内容に森本小隊全員が口をそろえてそのまま言い返してしまった。


「「「「団体戦?」


 この問いかけに答えたのはレジアと彼等の間に割って入って来た入間だ。


「そ。小隊同士同じ人数の代表者を上げて勝負する決闘や。今回の場合は木花小隊が隊員数三人なので最大三人やけどな」

(流れるような説明。最初からそれ目的で乗って来たんだろうな、この隊長さん)

(入間隊長。前に幸助から聞いていたけど本当に気まぐれだな。現在進行形で仕事さぼってるし)


 リドリアと黒葉がジト目になって察する。クオーツ隊長といい、このところ黒葉は隊長格に振り回されている自覚にため息をついてしまった。


 返答がない事で肯定とみなされたのか、レジアは入間に被った部分からひょっこり顔を出して内容を説明した。


「まあそんなわけで、勝負は三日後、代表者三人による三回勝負。先に二勝した方が勝ちってルールでどうでしょうか」

「シンプルね。分かりやすくていいわ」


 リドリアは話を進めつつも自分の隊のリーダーである信乃にアイコンタクトを送り、信乃もこれに返答した。


「大丈夫です。私も、それに乗ります」

「決定ですわね」


 入間が下がり、レジアと女性陣三人が睨み合う。


「それじゃあ本番の勝負、楽しみに待ってますわ」


 レジアは最後までにやつきながら去っていった。一応手払いをして去るのを見た一行。ふと横に視線を向けると、またしてもいつの間にか入間の姿も消えていた。


「神出鬼没ね、あの隊長」

「気配も全く察知させない辺り、やっぱり隊長格って凄いんだろうけど」


 客人が帰った事もあり、家に戻って早速三人の代表を選出する話になった。


「まず俺は確定だな。異動になるのは嫌だし、直接止めたい」


 黒葉の言い分。残りの三人はこれを聞いて何処か納得いっていない様子だ。


「あれ? なんか納得いってない感じ?」


 三人はお互いにアイコンタクトを取ると、最初に代表して信乃が話し始めた。


「黒葉君、今回の団体戦は私達に任せてもらえないかな?」

「はい?」


 信乃からの頼みに目を丸くする黒葉。続いて発言したのはリドリアだ。


「アンタには前にアタシの件で本当にお世話になったし、それを少しでも返したいの」

「返したいって、あの時俺は結局決闘には出られなくて」

「いいの! アンタがいなかったらアタシは負けてたんだから!」


 強気で押し切るリドリア。そこに信乃も続けて口を開く。


「私も、海での任務では本当に助けられたから。自分の気持ちや思いにも、気づけたから」

「え?」


 信乃がふと小さく呟いた言葉にリドリアが反応する。一方で残ったレニも黒葉に対して発言した。


「ボクにいたっては、黒葉さんと出会ってなかったらまず今ここにいないから。恩は返しきれない程に大きいんです。

 この機会、貴方達の為にボクも役に立ちたいんです!」


 三人それぞれの気持ちの籠った台詞に黒葉は率直に嬉しく思った。

 だが黒葉としてはやはり自分が関わっているのならば自分が出なければと発言しかけるも、ここでリドリアが追加で口を開いた。


「それに、レジアの目的は結局のところアタシと戦って勝つことなの。アタシ達はこういっちゃなんだけど、本当に幼少期からのライバルだから。何回も勝負をして来たのよ」

「それでさっき、インターホンを見た途端に嫌な顔を」


 黒葉が何処か納得した顔色を見せる中でリドリアは続ける。


「だからこれはアンタの為だけじゃない。アタシ自身の問題でもあるの!」

「ボクも、自分の今の実力を確かめたいんだ」

「私は、やっぱり黒葉君と一緒にいたいから……」


 黒葉は三人の熱い態度に自分がやらなければならないという義務感を溶かしていった。


「皆……分かった。今回は皆を頼っても、いいかな」


 三人は黒葉の微笑を受けて揃って頬を赤くさせた。


「ナッ! も、もちろんよ! アタシ達に任せなさい!」

「必ず、ボク達勝ちます!」

「だから今度こそ、ゆっくり休んねで」


 というわけで、話し合いの結果森本小隊からはリドリア、信乃、レニの三人が出ることで決定した。



_______________________



 一方の木花小隊。一つ約束を終えたレジアは自宅のシャワーを浴びようと浴室に入っていた。


「フフッ、きっかけ作りは上々。後は勝つだけですわね」


 さっそく身体を洗おうとするレジアだったが、突然の後ろから泡の付いた手で抱きしめて来る人がいた。急に肌に触れられレジアはつい声を出してしまう。


「ヒャッ!」

「レジアちゃん、楽しそうね」

「もう、急に抱きしめないでくださいシャウさん」


 現れたのは『シャウ シャッキー』。抱きしめてくる彼女の実り豊かな双球がレジアの背中にその存在を主張していた。

 あまり立派なものを持っていないレジアとしては少し嫉妬心が芽生えるが、相手はこれを天然でやっているのだと半ば呆れ気味に流した。


「何を突然入って来たのですか?」

「そりゃあレジアちゃんと一緒にシャワー浴びたいなぁって。レジアちゃんの白い素肌。スレンダーな身体。やっぱり何度見て触っても最高! グヘへ……」

「ちょっと、どこ触ってるんですか!」

「ええ~別にいいじゃん、減るものじゃないんだし」


 シャウに次々肌を触られてしまい変な気分になってしますレジア。その反応もシャウは楽しんでいるように見える。


「ちょ! 止めっ ダメェ!」

「ああ! 赤くなってる。可愛いなぁもう!」


 二人のシャワータイプはしばらく続き、ある意味で気合を高めていたのだった。


 そこから三日後、小隊同士の団体戦が始まる。

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