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PURGEー64 レジア!!

 偶然に出会った少女『レジア』と二人でテーマパークを回る事になった黒葉。とはいっても黒葉はそこまでこのテーマパークについてそこまで調べておらず、何処をどう回るべきか悩んでしまっていた。


「ええっと……ここにジェットコースターがあって……こっちには観覧車か」

「どうかしましたか?」


 ふと問いかけてくるレジアに黒葉はちょっと焦りつつ答えた。


「ああごめん。俺ここの事よく知らなくて……」

「そうなのですか? なら私が色々教えてあげますわ! おススメとかありますので!」


 レジアの案内に従い黒葉はテーマパークのアトラクションに向かっていった。最初はジェットコースターに案内される。やはり人気なようでかなりの人数が並んでいる。


「まるで宙を飛んでいるかのような感覚になるコースターって聞いたけど……」

「まるでじゃなくて本当に飛ぶのです!」

「本当に……飛ぶ?」


 黒葉はレジアの言っていることがよく分からないまま順番待ちをしていた。そしてアトラクションに登場して少ししたタイミングにようやく彼女の言っていた事を理解した。というより、文字通り体感させられた。


「アアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

「アハハハハ!!! 噂には聞いていたけどすっごいですわぁ!!」


 二人が乗っているジェットコースターはスタートして上り坂を上がり切ったタイミングにレールが途切れており、そこから大砲から発射された砲弾の勢いで空中へ飛び出していったのだ。


「待て待て待て待て!! これ仕様!? 本当に仕様なの!!?」

「言いましたでしょ、飛ぶって」

「飛ぶって物理的な仕様だなんて思わないじゃないか!! アアアァァァァァァァ!!!!」


 黒葉が想像以上の勢いから来る風圧に震えながら数分。体感時間ではもっと長く続いていたように思えたアトラクションの時間が終わると、乗り物はレーンの上に乗りスタート地点に到着した。

 正直なところこの一つのアトラクションだけで黒葉は疲労していた。


「アァ……いきなり予想外の衝撃……」

「アハハ、と足りで見ていて面白かったですわ黒葉君!」

「ああ、ごめん。せっかく連れてきてもらったのにね」

「いいですことよ。それじゃあ次は落ち着いたにアトラクションに行きましょう」


 レジアが次に案内したアトラクションはシューティングゲーム。入り口で聞いたルールによると手渡された銃を使ってコース内に出現するモンスターを討伐し、得点を競うゲームらしい。

 進んで登場した乗り物はさっきのと違いゆっくり進んでいく。黒葉はさっきと違い落ち着いて遊べることにホッとして先に進んでいった。


「良かった。さっきみたくいきなり空を飛ぶなんて事態はないようで……」

「そうですわね。でもこっちは別ベクトルで驚くと思いますわ」

「え?」


 レジアの言った通り黒葉は目を丸くすることになった。コースを進んだ先は真っ暗闇の空間。どこにも的と思えるモンスターは見えなかった。

 直後、モンスターはリアルな立体映像として出現。乗り物の搭乗者たちに襲い掛かって来た。


「驚くってこの事か!!」


 黒葉は確かに驚かされた。しかしさっきとは違って表情からこぼれ出る程に楽しそうに見えた。隣にいるレジアは彼の様子に釣られて楽しさを感じ取りながら共にシューティングゲームに向いた。

 二人はシューティングに熱中し、黒葉にとってさっきのジェットコースターとは反対に数分を一瞬の出来事のように感じた。


 アトラクションの建造物から出た黒葉は、テンションを高くさせてレジアに話しかけた。


「凄かった! あのアトラクション! 案内してくれてありがとう!!」

「フフッ、楽しんでくれて嬉しいですわ! さ、次に行きましょう!」


 そこからも黒葉はレジアに案内されるがままに次々となじみがあると思わせて一味捻りを入れて来るアトラクションが次々と楽しんでいった。

 黒葉は案内されるアトラクションに入って行くたびにドンドンテンションを上げていき、すっかり時間が過ぎていっていた。


 しかし連続でアトラクションを回っていた二人は流石に疲労感を感じ、一時休憩を挟むことになりベンチに座っていた。


「いや~! どれもこれも凄く楽しい! ここに来れてよかった!!」

「私もあなたと一緒に楽しめてよかったですわ。一人でも楽しめたけど、貴方と一緒だと倍以上ですね」


 黒葉はここでテンションを落ち着かせていると、ふと頭に思い浮かんだ事をレジアに問いかけた。


「にしてもレジア、君はここに来るのって初めてなんだよね?」

「え? ええ、そうですがどうかしましたか?」

「いや、初めて来たにしては色々ここについて知っているなと思って……」

「あぁ……それは……」


 レジアは答えを言いかけようとすると、彼女の通信デバイスに突然着信が入って来た。


「ちょっと失礼」

「あぁ、うん」


 黒葉の許可を取ってベンチから一度離れたレジア。彼女は少し人目に付かない位置にまで移動し着信に応答した。


「もしもし。レジアです。はい。あぁ……またそういう……場所は……え? それってここの事では……」


 レジアが電話の内容に少し驚いたような様子を見せると、突然に彼女の元に迫る足音が近づいていた。

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