ＰＵＲＧＥー０　変態！！

　この宇宙にはいくつもの星々が存在し、その中の一部に生物が誕生、更にごく一部が進化し……

　徒党を……村を……街を……国を……世界を作り出していった。

　そんな宇宙のいくつもある『異世界』のうちの一つで、一つの事件が起こっていた。

「イヤアアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーー！！！！！　変態！！！！」

　騒動の中心にいたのは、ぶたれて倒れたらしき平凡な顔つきの黒髪の少年。

　そして何よりの問題はもう一方の人物。曇り一つない青空のような美しい長い髪に凛とした品のある顔つきをした美少女。彼女はどういう訳か着ていた服が脱がされ下着を晒されていた。

　周囲にいる人々は少女が隠そうとしても見えてしまう赤い布地からはみ出している起伏の大きい肢体に邪な視線を向ける者。そして少女がぶった少年に対し嫌悪の視線を向ける者に分かれていた。

　更に外柄からは、状況が伝達されたのか次々と野次に似た叫び声が上がっている。

「大変だぁ！！　痴漢だぁ！！」

「入隊初日から女性隊員の服を脱がした！？　まじかそれ！！？」

「さいってい！！　何考えてんのよそのケダモノ！！」

「おい！　あれってもしかしてアイズ財団の令嬢じゃ！」

「マジか！　終わったなその痴漢野郎」

　少年は弁解しようと話をしようとしても誰も話を聞く様子はなく、何より彼自身どう話し出せばいいのか分からなかった。

（また……やってしまった……）

　なぜならこの痴漢行為は冤罪でもなんでもない、確かにこの少年が引き起こした行為であったが為だった。