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【電子書籍化】 目覚めたら悪役令嬢の中でした  作者: 氷雨そら
第4章 残された魔法と真実

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公爵家の魔力の源



 シェラザード公爵家の図書館は、やはり蔵書が充実している。

 いろいろと読んでみたい本であふれているけれど、私は真っすぐシェラザード公爵家に関する蔵書が集められているスペースへと向かっていく。


 おそらく、どこかにリーティアの存在があるはず。

 それに、たぶん古の大魔道士、あるいは筆頭魔術師と繋がっている。


 ――――でも、リーティアという名前を公爵家令嬢としての教育を受ける中で見たことはなかったわ。


 つまり、リーティアという名前は魔人の姫の名前なのだろう。

 シェラザード公爵家で調べるには、もともとの公爵家令嬢の名前を探す必要があるに違いない。


 そして、私の記憶の中であてはまる人物は一人だけ。

 筆頭魔術師の婚約者になり、子どもを残して謎の失踪を遂げた公爵家の当時の一人娘……レナス・シェラザード。


 彼女は、筆頭魔術師と政略結婚をした。

 そして、なぜか子供を産み落とした直後に、公爵家の歴史から姿を消している。


 ……公爵家令嬢の教育では語られなかった、魔人の世界とこの世界をつなぐ扉が現れる度に、公爵家の長女が生贄になっていた歴史……おそらくその始まりがレナス・シェラザード。


「アイリス姉様……次期公爵と公爵だけが見ることを許されている本です」

「ごめんなさい。ロイまで巻き込んで……でも、どうしても知らないといけないから」

「マーリンとも関係しているんですよね? 僕が全部読んで説明できると良いのですが」


 さすがに、まだ六歳にもならない少年には難しいだろう。

 これは、少し古い言葉で記されているから。


「八割くらいしか分からないんですよね……」

「天才はいた……!!」


 おそらく、ロイは天才だ。

 当時の、筆頭魔術師の血を濃く受け継いでいるのか、それとも魔人の血がそうさせるのか。


 私が、十歳くらいでようやく読めるようになってきた古い文章。

 アイリスだって努力していたと思うのに、同じ血が流れているはずなのに神様は不公平だ。


「ありがとう……。十分すぎるわ」


 読み進んでいくうちに、聖女と悪役令嬢の物語を思い起こされる記録が繰り返されていた。

 聖女を多く輩出しているシェラザード公爵家。一方、悪役令嬢みたいに断罪されている長女がとてつもなく多い。


 そして、歴史と照らし合わせれば、それはいつも魔獣が活性化して各地に被害が出ていたという時期と一致していた。


「――――本当だったのね。悪役令嬢が魔人の世界とつながる扉を閉めるための生贄だったのは」


 そして、レナスについての物語は、リーティアが語る物語と重なる部分が多かった。



 ✳︎ ✳︎ ✳︎



 レナス・シェラザードは、筆頭魔術師の婚約者に選ばれた。

 特別な力を持つわけでもない普通の令嬢だったらしい。しかし、ある時から彼女は金色の魔力を持ち、聖女と目される存在へと変わった。


 それと同時期に、魔獣が活性化する。

 そして、筆頭魔術師との間に子を成した直後、レナスは消息を絶った。そして、筆頭魔術師も表舞台から姿を消す。


 レナスと筆頭魔術師の子どもは、レナスの父母である公爵の手で育てられ、公爵家を継いだ。


 その後からだ、公爵家に金色の魔力を持つものが生まれるようになったのは。

 回復の力が強いシェラザード公爵家は、そのあとから聖女を輩出する家系として王国での発言力を増していった。


 夢の中でみた、リーティアの言葉が胸をよぎる。

 でも、おそらくレナスの中の人がリーティアになってから、筆頭魔術師との間に子どもが生まれた。


 だから、私たちは魔人の血は流れていないけれど、魔人の魔力が受け継がれているのだろう。

 ようやく、点が線で繋がった気がした。


「――――たぶん、筆頭魔術師はあの、白銀の魔力を持った人」


 少し離れただけなのに、物凄くフェリアス様に会いたい……。話を聞いて欲しい。

 なんとなく、リーティアの気持ちが私の中に流れ込んできている。そんな気がした。



最後までご覧いただきありがとうございました。


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『目覚めたら悪役令嬢の中でした』


html> イラストは木ノ下きの先生に描いていただきました。加筆改稿書き下ろしたっぷりの電子書籍版もどうぞよろしくお願いします(*´▽`*)
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[一言] ロイ君すげえ
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