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正義とヒーロー

先ほどのマスケラの男との遭遇後、いつものように屋敷へと戻ってきた四人。しかし、その足取りはいつものように軽快ではなかった。


「そうかい。まさか敵がいるとはねぇ」


その報告を受けたグランマが、神妙な面持ちで頷いた。


「グランマも知らなかったの?」

「この世にはあんたたちがつけてるような仮面は山ほどあるからね。それを考えれば、欲しがる連中もいるもんさ。でも、わざわざ日本でやることはないだろうに」

「じゃあ俺たちのを狙わなくても、日本の他の仮面を狙えばいいじゃんか」

「他のっていっても、あたしがこれを集めるのにどんだけ苦労したと思ってるんだい? そいつだって一つ持っていたんだろ? もうどこにどれだけ仮面があるかなんていうのはわかんないのさ。だったら、夜な夜な動いちまってるあんたたちの方が探す手間も省けるってもんだろ。犯罪者を成敗しているとはいえ、その犯罪者の口から『仮面』って単語が出てくれば、探してる連中は気になるってもんだよ」


『あたしも仮面って言葉には敏感だった時期もあったよ』、そうグランマは付け加えた。


「マスケラ」

「ん?」


雪乃が呟いた。


「あの人が付けていた仮面」

「マスケラ?」

「外国の仮面。本で見たことがある」

「外国か。ってことは、その人は外国人ってこと?」

「あんなに日本語うまかったじゃんか。だから琴音はバカなんだよ」

「なんだって!? 誰が阿修羅の戦い方教えてやったと思ってんのよ! 感謝しろっ!」

「まぁまぁ。今はそんなことどうでもいいから」

「そんなことぉ?」


今にも奏太に掴みかかりそうな琴音を悠真が仲裁に入って止めると、グランマに言った。


「あの人、『我々マスクオブデスティニー』って言ってました。もしかしたらあの人以外にもいるのかも」

「なんか厨二くさい名前ね」

「だからもしかしたらその人たちは子どもなのかも」


悠真の推測に、グランマはクスッと笑った。それを見てちょっとだけムッとした悠真。


「悠真。そうかもしれないしそうじゃないかもしれない。でも仮面をかぶった人間なら、大人も子どもも関係ないだろ?」

「まぁ、確かに」

「そーゆーことだよ。相手が誰でも関係はないのさ。とりあえず明日も学校だ。今日はもう寝なさい」


グランマにそう言われた四人は、グランマの部屋を出て、各自の部屋へと向かった。



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