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ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第七章 迫る魔の手

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第2話 迷宮の怪談? 

 音羽のおかげで三階層のモンスターが一網打尽にされた直後、瑛士のスマホから通知音が鳴り響いた。


「ん? なんかすごく嫌な予感が……」


 スマホを取り出してみると案の定、コメントが猛威を振るっていた。


 《チャットコメント》


『ミルキー様、かっこよすぎじゃね?』

『スマホで何か操作していたけど、そんな機能あったんだ!』

『ミルキー様と無邪気にはしゃぐルリ様……尊すぎる……』

『やはりこのカップリングが神! ほんとの姉妹みたい……やはり百合は至高』

『ミルキー様×ルリ様のイチャイチャに挟まる一般男性w』

『ところでルリ様のご主人って何してるの?』

『二階層の爆発に巻き込まれて……安心しろ、二人はオデがぐふふ』

『おい! 百合に挟まろうとしてるやつがいるぞ! 粛清だ!』

『ご主人さん、御冥福を祈ります……安らかにwww』

『ご主人=サンドバッグ説www』

『ルリ様の「ご主人」呼びが尊すぎて耳が幸せ』

『運営に頼んでご主人だけ視点カメラつけてwww』


 コメントを見た瑛士の顔色がどんどん赤くなり、思わず大声で叫ぶ。


「コイツラ……人が大人しくしてれば言いたい放題しやがって!」

「ご、ご主人どうしたんじゃ?」


 瑛士の叫びにびっくりしたルリが慌てて駆け寄ってきた。


「どこの怪談話だよ! 俺は幽霊じゃねぇ! 配信用のドローンはどこだ?」

「それなら右側にある岩場の辺りを飛んでおったような……」


 恐る恐るルリが指さした方を見ると、カメラを積んだドローンが岩の上に鎮座していた。


「あいつか……」


 瑛士が無言で近づいていくと、逃げられないように両手で本体を掴み、カメラに向かって吠える。


「誰が死んだって! この通りピンピン生きてるわ! 勝手に人を殺すんじゃねーよ!」


 配信画面に瑛士の顔がドアップで映し出され、コメント欄は大喜利状態になる。


 《チャットコメント》


『ギャー! 化けて出たwww』

『近い近いwww 男のドアップなんて見たくねwww』

『あら? 近くで見てもいい男ね。スクショ取ってオネエグループに共有したわ』

『南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏、この画面下から強い怨念が……』

『おい、誰か胡散臭い陰陽師を呼んでこいwww』

『悪霊退散、悪霊退散、困ったときには~♪』

『こらwww歌うんじゃねーよwww』

『ホラータグ付けとけ運営!www』

『心霊映像として切り抜き決定』

『逆にイケメン角度なのが腹立つ』

『今日から“ドアップの人”って呼ぶわ』

『推し二人と並ぶと存在が罰ゲームw』

『ご主人の顔でスマホ画面割れたんだが賠償請求いい?w』


 次々と流れるコメントに訴える瑛士に対し、タブレットでコメントを見ていたルリと音羽は爆笑していた。


「あはは! ご主人と下僕どものやり取りが面白すぎるのじゃ!」

「くっ……ほんと何をムキになってるのかしら」

「あ? 原因はお前らだろうが! なんでちゃんと()()()()()と言わねーんだよ!」


 二人の笑い声を聞いた瑛士が食ってかかる。


「え? それは黙っておいたほうが面白いじゃない」

「そうじゃぞ。それにご主人……本当に気がついておらんのか?」

「は? 何がだよ?」


 ルリが投げかけた言葉の意味がわからず、あっけにとられる瑛士。


「配信を開始したのは音……ミルキー先輩が仮面をつけてからなのじゃ。ドローンカメラはずっと()()()()()()()()()()()()()からのう。要するに最初からご主人の様子は全部写っていたのじゃよ」

「はぁ? それじゃあコイツらは俺が無事だってことを最初から……」

「もちろん知っているに決まっているのじゃ」


 ルリから放たれた言葉に膝から崩れ落ちる瑛士。するとコメント欄は再び大盛りあがりになる。


 《チャットコメント》


『乙www』

『抜けてるところが面白すぎwww』

『さすがルリ様のご主人www』

『新しいおもちゃが現れたぞwww』

『ふふふ、おちゃめな君もかわいいぞ! 夜道で襲っちゃおうかな♪』

『ご武運を祈る……新しい扉を開いたら報告ヨロwww』

『ふむ……受けなのか攻めなのか非常に興味が湧く……』


 コメントを見た瑛士は地面に手をついて項垂れていると、隣に音羽が現れて肩に手をおき、優しく語りかける。


「大丈夫、私が一番よくわかってるから……」

「ありがとう。持つべきものは幼馴染だよな」

「そうよ。全世界にあなたの勇姿を見せつけてやりなさい!」

「そうだな! 名誉挽回だ!」

「わかればいいのよ。じゃあ、まずはお手」

「はい……じゃねーよ! 誰が犬だ!」


 瑛士の大絶叫が三階層に響き渡ると同時に、コメント欄も一気に盛り上がる。


「あーひどい目にあった……」


 疲れ果てた瑛士が岩に腰掛けながら項垂れていると、仮面をずらした音羽が不思議そうな顔で話しかける。


「そんなに疲れてどうしたの?」

「お前らのせいだろうが! さんざん俺のことを弄びやがって……完全におもちゃにされてるじゃねーか!」

「え? ちょっとおちゃめなジョークだったのに……」

「絶対楽しんでいただろ! それより、素顔を出していいのかよ? まだ配信中だろ?」


 素顔をさらしている音羽に疑問を投げかけると、彼女の隣に立っていたルリが胸を張って答える。


「配信ならとっくに終わっているのじゃ。ご主人が項垂れている間にな」

「そういうことはもっと早く言え!」


 再び絶叫が響くが、耳を塞いでいた二人には聞こえていなかった。肩で息をする瑛士に対し、音羽が非常とも取れるお願いを言い始める。


「それだけ元気があれば大丈夫ね。瑛士くん、さっきドロップしたアイテムがあるはずだから回収よろしくね」

「え……俺が一人で回収するのか?」

「当たり前でしょ? か弱い女子二人にこんな危険な岩場を捜索しろっていうの?」

「そうじゃぞ、ご主人! さっき言ったじゃろ? 音羽お姉ちゃんとわらわは俺が守るって」

「はいはい、俺が悪かったってことでいいか……ってなるか!」

「そうよ、私のことは命より大事って言ってくれたじゃない!」

「お前らの妄想に俺を巻き込むな!」


 二人から次々と放たれる曲解に思わず叫ぶ瑛士だったが、上目遣いで見つめる二人にかなうはずもなかった。


「……なんで俺がこんなことしなきゃいけねーんだよ……」


 文句を垂れながら岩の間に手を突っ込み、ドロップアイテムを探す瑛士。すると近くの隙間から光が漏れていることに気が付いた。


「ん? 何が光っているんだ?」


 まるで瑛士を呼ぶかのように輝いている物体の正体とは——

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

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