表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストリモート〜失われし読書魔法(リーディング・マジック)と金髪幼女で挑む迷宮配信〜  作者: 神崎 ライ
第十五章 動き始める新人配信者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

168/213

第3話 ルリの天然爆弾が炸裂?

 突然スマホに届いた通知を見た瑛士が固まっていると、同じようにタブレットを見つめていたルリが口を開く。


「何を考えておるのか理解不能じゃのう。限定配信のお知らせと言われても、何人が見るのじゃろうな」


 タブレットを持ったまま、呆れたようにルリが声を上げる。


「全く同感だな。アイツのチャンネルを登録している奴らって、お前のリスナーだろ?」

「そうじゃのう。わらわのリスナーもいるが、音羽お姉ちゃんのリスナーも結構登録しているはずじゃぞ?」

「どっちに転んでもアンチしかいないじゃねーか……」


 ルリの話を聞いた瑛士は、額に左手を当てながら大きなため息を吐く。


「良いのではないか? 下僕どもにとってもいいおもちゃじゃし、楽しそうにしているのは良いことじゃぞ」

「あのな……それを世間一般では炎上というんだが……」


 話を聞いて腕を組み、大きく頷くルリだったが、この直後に瑛士の予想とは違う返答が飛んでくる。


「なんと……世間では炎上というのか! なるほど、わからんのじゃ!」

「なんでそうなるんだ! 最初の配信なんて、あからさまに荒れてたじゃねーか!」

「ん? いーちゃんの初配信のことを言っておるのか?」

「それ以外に誰がいるってんだよ……」


 肩を落として項垂れる瑛士に対し、ルリは首をかしげながら声をかける。


「アレが炎上じゃと? わらわには、下僕どもと()()()()()()()()ようにしか見えなかったのじゃ」

「……たしかに、おもちゃにされていたのは間違いないが……」

「そうじゃろ? アレは炎上ではなく、遊ばれていたという話じゃ」


 胸を張って言い切るルリを見て、頭を抱えてしゃがみ込む瑛士。


「俺の認識が歪んでいたのか? いや、でもいつ火の粉がこっちに飛んでくるか……」

「ありゃ? ご主人、どうかしたのか?」


 ぶつぶつと独り言をつぶやく瑛士を見て、声をかけるルリ。すると、スマホをじっと眺めていた音羽が二人に話しかける。


「落ち込んでいるところ申し訳ないけど、この通知って、なんかおかしくない?」

「何がだよ? ただの限定配信のお知らせだろ。どこにもおかしいところなんて……」


 問いかけに瑛士が答えようとした時、音羽が言葉を遮るように話す。


「普通に考えて、限定配信とかのお知らせって、チャンネル登録してる人に届くんじゃない?」


 彼女の放った一言により、リビングの空気が一気に張り詰める。そして、確信を突くように音羽が瑛士とルリに質問を投げかける。


「二人とも、いーちゃんのチャンネルって登録しているの?」

「い、いや……俺は登録した()()()()()ぞ……」


 顔を上げた瑛士が真剣な表情で言葉を返すと、音羽が小さく息を吐いて話し始める。


「そうよね。いーちゃんこと飯島女史のチャンネルなんて、わざわざ登録なんてするわけがないわ」

「ああ、アイツの顔なんざ見たくもなければ、声も聞きたくない」


 吐き捨てるように話す瑛士は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべている。


「そうなるわね。普通なら絶対にチャンネル登録なんてしない……するならブロックして自衛するわ。まあ、私は情報収集のために登録してるけどね」

「お前、登録していたのか!」

「当たり前じゃない。敵の情報を、何の苦労もせずに手に入れられるのよ? しかも無償で全世界に発信してるんだもん。利用しない手はないでしょ?」


 その様子を見て、口を大きく開けたまま固まる瑛士に対し、さも当然といった表情で話す音羽。


「いや、まあ……情報を集めるのは大事なことだが……相手は飯島女史だぞ?」

「だから? 別に害があるわけじゃないし、嫌なら見なきゃいいわけだし」

「……」


 ど正論を真正面からぶつけられ、何も言い返せなくなる瑛士。すると、静かに話を聞いていたルリが口を開く。


「うむうむ、音羽お姉ちゃんの言う通りじゃ。嫌なら見なければよい、は間違いないのじゃ。それに……ご主人は、チャンネル登録欄を()()()()()()()()じゃろうしな?」

「は? お前はいったい、何を言っているんだ?」

「ん? わらわが知らぬとでも思ったか? 最近、熱を入れている配信者以外にも、複数名お気に入り登録しておるしな。わざわざジャンルまで分けておる徹底ぶりは見事じゃ。特に最近の推しはたしか……モリライブじゃったか?」

「あ、バカ! なんでばらすんだよ!」


 ルリが大きく頷きながら語り出し、慌てて瑛士が止めにかかるが、すでに手遅れだった。


「へえ……ジャンル分けまでして管理してるというのは、初耳だわ」


 瑛士の顔が機械人形のようにぎこちなく動き、わずかに俯いた瞬間、全身からどす黒いオーラを纏う音羽が目に飛び込んできた。


「イ、イエ、オトハサン。コレハデスネ……」

「どうしたのかな? まだ何も言っていないけれど?」


 顔を上げた音羽は目を細め、満面の笑みを浮かべて瑛士を見つめる。


「逆に、その笑顔が怖いんだけど……」

「え? 私の笑顔が怖いですって?」

「い、いえ……すごく素敵だなと……」

「ありがとう。ところで、瑛士くんはどうして、そんなに焦っているのかしら?」


 細められた目から放たれる鋭い眼光に焦り、思わず口を滑らせる瑛士。


「いや、焦ってなんていないぞ……別に、やましいことなんて何もないからな」

「そう。私はまだ何も聞いていないんだけど? なんで言い訳する必要があるのかしら?」

「うっ……」

「まあいいわ。今日はたくさん時間あるからね……じっくり、お話を聞かせてもらおうかしら」

「え、あ、いや……」

「瑛士くん、正座しなさい!」

「は、はい!」


 音羽の圧に負けて、リビングのど真ん中で正座する瑛士。その様子を見たルリは、足音を立てないようにキッチンへ移動する。


「ご主人……ご武運を祈るのじゃ。さて、わらわは優雅にアイスでも食べながら、限定配信の概要でも見ようかのう」


 すぐ隣のキッチンへルリが避難することに成功した時、リビングから瑛士の声が響く。


「すいませんでしたー! あー! お願いだから、リストは消さないで!」


 はたして彼は、無事お気に入りリストを守ることができるのか?

最後に――【神崎からのお願い】


『面白い!』、『楽しかった』と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。

感想やレビューもお待ちしております。

今後も本作を書いていく強力なモチベーションとなります。感想を下さった方、評価を下さった方、本当にありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ