表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神さまの器〜母ちゃんと僕と、ときどき阿修羅〜最近、母ちゃんと阿修羅の距離感が近いのが気になるんだけど……  作者: 黒砂 無糖
転移と幻世の世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/60

闇に潜む者は  

見てるし、いるんだよな

小さな神様、小さな妖、汛と小梅、

小さなお家には、小さな存在がいっぱいだ


夜になって、道祖神の翁と媼は帰って行った


独りぼっちだと寂しかっただろうけど、

会話ができるもふもふや、小さな住人の気配が至る所にあるから、賑やかなくらいだ


ちょっと困るのが、風呂とトイレだ。



——食後のトイレタイム——



「あの、戦う間は、出て行って貰う事は出来ませんかね?」


清美さん、恥ずかしいから

見ないでもらえますか?


「気にしなくていい。見慣れてるから」


そう言って、清美は全く気にする事も無く

フヨフヨ漂っている


仕方がないかと、集中しようとしたら、

僕の顔の前にフヨフヨ寄って来て


「ガンバレー」


と、応援し出した


「・・・」


僕は目を閉じて、心を無にし

見なかった事にした





——お風呂タイム——



「キヨシ、そこにいたら流されないか?」


キヨシは、いつも桶にしがみついているが、

桶は、僕が使うから仕方が無いからか


今は僕の座っている

風呂の椅子にしがみついている。


「オラ、大丈夫だ。ちゃんと捕まってる」


キヨシはそう言ってギュッ椅子にしがみついているけど・・・


「本当に大丈夫かなぁ」


僕は、心配になりながら、

お湯を桶に掬いザバザバと頭から被った。


「うあーっ!」


お湯をかぶる時に下がった視線の片隅に


何かが流れて行った・・・


ハッとして足元を見たが、

そこには、キヨシは居なかった


「汛!小梅!キヨシが流された!助けて!」


僕が慌てて叫ぶと、


「分かった。任せて」「分かったにゃ」


と、2人が返事をくれた


少ししたら、汛に咥えられた状態で、

キヨシは戻ってきた。


「キヨシ、大丈夫か?」


しょぼくれたキヨシに声を掛けてやると

キヨシは、目に涙を溜めながら


「オラ、邪魔したか?ごめんな?」


と、小さい体を更に小さくして泣くから

僕は桶に少しだけ湯を張り、


外に流されて、泥だらけになった

キヨシを、桶に入れて洗ってやった。


「邪魔じゃないよ。今度、桶をもう一つ用意しよう。桶の中に入れば流されないだろ?」


この小ささじゃ流されても仕方がないよ


桶の湯を変えて浅く張り、キヨシを座らせた


「2人も入る?」


汛と小梅に尋ねたら


「入る」「嫌にゃ」


と、別々の答えが返って来た。


結局、僕が上がった後、肩にキヨシを乗せて、2人とも丸洗いした。


「悠、酷いにゃ、拷問にゃ」


小梅は文句を言っていたけど、2人ともスッキリした後は毛繕いをしてのんびりしていた


「風呂掃除なら、オラに任せてくれ!」


キヨシはそう言って、胸を張って居たので


「流されない様に、気をつけろよ」


僕はキヨシに任せ、寝る支度をした




布団を敷いて横になったら、

右顔横にに小梅、左足元に汛が居座った



——これ寝返り、出来るかな?



「皆、おやすみ」



・・・・・・



シャッ、シャッ、シャッ






僕は目を閉じたまま、意識が覚醒した。

夜中に、何の音だ?




シャッ、シャッ、シャッ




何だ?と思い目を開けるけど、

暗く何も見えない。


少し待っていたら、目が慣れて来た。


汛の白銀がほんのり光って見える。

その背中がモゾっして


「悠、どうした?」


と、尋ねてきたから


「さっきから、何か払う様な音がするんだ」




シャッ・・・



音が、止まった。


「悠、なにかか居たか?」


汛があかりを灯してくれたので、

音がした辺りを見たら


置いた記憶の無い箒が立て掛けてある。


「なんか、見覚えの無い箒があるよ」


僕は、とりあえず汛に伝えた


「アレか?元から無かったのか?」


汛は、確認しに箒に近寄り、

人型になり、箒を握ろうとしたら


シャシャシャシャシャ


捕まるまいと、箒が慌てて逃げ出した。


何だアレ?面白いな?


「悠、多分だけど、箒の付喪神だよ。どうする?気になるなら外に出すけど」


汛が、箒を見ながら確認すると


シャシャシャシャシャ


と、箒が近寄り


シャシャシャ シャシャシャシャ


と、目の前で何かをアピールしている


「部屋の掃除するから、おいてくれって」


汛が通訳してくれたので


「食事中と、夜中にやらなければいいよ」


と、箒に言うと、


シャシャシャシャシャ、と、部屋の隅に行き

箒は動かなくなった。



翌朝、シャシャシャシャシャと、

音がして目覚めたら


日が登ったら、早速仕事だとばかりに

部屋の隅から箒が床を履き清めている。


—-ロボット掃除機みたいだな


ある意味便利だなと、思いながら


「おはよう」


と、声を出すと、

部屋のあちこちから返事が返ってくる。


ふと、汛を見ると


「汛、なんか大きくなった?」


昨日より、だいぶ大きくなっている


「うん。回復する程成長するよ」


と、汛は嬉しそうに教えてくれた。

尻尾が、ブンブンしていて

つい、もふもふしたくなるが我慢だ。


翌日も、そのまた翌日も

日に日に、迅が成長していく


そして、どんどんかっこよくなる


—-白銀のイケメンって狡いよなぁ


成長と共に髪も伸び、

今は後ろで一括りにしている。



—-美形・・・羨ましい



1週間も掛からず、僕は身長すら抜かれた

今の僕は、汛に対して誇れる物は何一つ無い


僕は、見上げなければならなくなった

汛に対して、不満を覚え


「汛、僕よりでかいよね?」


僕は恨めしそうに言ったのに


「元々、私が年上ですからね」


と、余裕の笑みを見せたので


チクショーと、思ったが


「ニャーン」


と、小梅が

鳴きながらすりすりして来たので、

一瞬で気分は良くなり


—-本当にかっこいいよなぁ、羨ましい


と、心の中で素直に賞賛した。

見上げるのは、若干気に入らないけど・・・



その日は、良く晴れていて、

小さな庭に、申し訳程度にせり出た縁側で

洗濯物を干している汛を見ていた。


そう、いつの間にか縁側があったんだ。

家が知らぬ間に進化していたのかな?


「悠、洗い物、他には無いか?」


洗濯物を干しながら、

汛は他に不足はないかと、尋ねてきた


「無いよ。ねえ、本当に、何も手伝わなくていいの?」


汛は、家事スキルがやたら高い

成長したら、物凄く面倒見が良くなった


今も大人しく座っていろと言われて

小梅を膝に抱き、縁側でお茶を飲んでいる。


—-兄ちゃんができた感じだな


気配りも上手なので、

僕も小梅もなんだかんだで

ちゃっかり甘えている


迅は傷が癒えたからか、

神力はすっかり復活出来たそうだ



「汛、神力が戻ったなら、また羅刹の手下に会いに行くのか?」



こんなのんびり出来るのは、

もう、そんなに長く無い筈だよな


その時は、僕も一緒に行くのだろう。


その時は、刻一刻と近づいて来ている


実際に、見えたら生活しにくいですよね?

でも、そこにいるのかもしれない。

あなたのPCや、スマホ、

一緒に覗いているかも?



次回、俺の祝詞が発動すると です


読んで頂きありがとうございます

もしお話が気に入ってくれたなら、

★評価、ブクマ、コメント、反応

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ