ガラス炉
気分が悪くなる可能性がありますので、具合の悪い方読まない方が良いかも知れません。<(_ _)>
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板ガラスと鏡
小型高炉もゆっくりとだが銑鉄の生産を始め、陸前侵攻から八戸領に戻ってから半月ほど、ようやく合金炉の試験(少量のサンプル生産)が終わり本格的な玉鋼の生産に入った。
今年の出荷分が終わる一ヶ月後までは同じ作業の繰り返しなので工場は工場長に任せて、俺は少し暇になったところでガラス炉の作製に入ることにした。
工場の近くに作った耐火煉瓦用の窯から補修用の煉瓦を分けて貰い(着服?)姿見ぐらいの大きさの板ガラスを作るための鉄製の溶解槽と中に入れる錫を用意して日曜大工レベルの板ガラス製造小屋を作った。
いきなりフロート式かよ!……だって材料があれば簡単なんだもん、高炉関連で鉱石から分離する金属から、錫や鉛、亜鉛はすぐに溜まるし錫や鉛は合金にもあまり使わないからなー
根城にある秘密の工房から硝酸に溶かした銀を持ってくると。姿見鏡の完成である。
製法?女性に贈る物だぞ製造方法など公開できるか!
どうしても知りたいなら銀メッキをぐぐるのだ!
感想も送ってきてはいかん、あー女性票が……元々そんなもんないか。
熱で溶けた錫に浮かんでいる板ガラスを取り出して冷やしたら硝酸銀をガラスに塗って、アンモニアを吹き掛けます、アンモニアの材料?アレだよアレそれ以上聞くんじゃない。
銀メッキを終えたら、普通は銅メッキして保護しますが、面倒くさ……ゲフンゲフン、そのまま漆を塗って酸化保護します。
ちなみにこの作業では危険性のある物質が出来るため現代ではちゃんとした薬品を使っています。偶然雷銀とか出来ると爆発します、マジで。
そういえば高校の化学で銀鏡反応の実験とか今はやらないのかな?
……完成してからこんな事を考えるのはアレなんだが、こんな製法で製造した鏡を売っていいのかな?とりあえず斎藤衆の男で信頼の置ける者限定で小屋を警備させるか?、製法がバレたら……考えるのをやめた、恐すぎる。
手鏡を鈴に贈ろうかなと思ったが辞めとこう、俺にそんな趣味はないのだ、黙って堺に出荷すれば良いだろ。
うーん鏡が高額で売れるのは俺でもわかるのだが、倫理的に売ってはいけないと良心が叫ぶのは何故?
硝石や肥料と違って、鏡ってのはやはりナシなのかなー女性が楽しむ為の物だしな。
結局鏡はハーバーボッシユ法でアンモニアを製造できるようになるまで封印となった。
本当いつになることやら、まあ発電設備が無いと水素とか絶対無理だから、またゴムなんだよなー開発が止まるのは。
まあいいや、板ガラスで温室を作ったり、窓やガラス戸を作って売れば良いじゃん。
試作品は倉庫で眠る事に、綾とかに見つからない事を切に願う。
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怪しげな小屋が立ち入り禁止になってから数日後、暇になったので、吹きガラスを試してみることに。
「間違っても吸うんじゃないぞ、いいか振りじゃないからな。」
ガラスの瓶やコップ作りを楽しんだ……まあ、最初から上手くいく物でもないしね、目指せ薩摩切子ってところかな。
「ふむ、道のりは険しいかな、とりあえず一番上手かった者とやりたい者にやらせてみよう。」
まあ、趣味レベルからやって行くしか無いか。
ガラス関連は微妙な結果になってしまった、板ガラスはソコソコ売れそうなんだけどね、透明なガラスを作るのは手間が掛かりすぎるからどうしても採算を考えると高額になってしまうな、……温室の分を作ったら注文生産に切り替えるか、色付きでいいなら吹きガラスで瓶やコップを作ればいいんだし。
後は重いけれど厚手の透明度はソコソコのガラスを作ることができたので船にでも使ってみるかな。
ヤレヤレだぜ。
やはり発電設備、それも整流して直流が必要だ。整流ダイオードとか半導体とか研究したいが、絶縁体で銅を被膜するのがね、ゴムなら簡単なのになー石油から製法も知ってはいるがあれは現代でも最先端技術だし、石油もないしゴムより再現するのは無理そう。
だからといって、硫酸電池とかはなー少量水素とか分離しても大量生産出来なきゃ意味ないしね。
うーん、黙って売る方法でやれば良かったのかな?
かなり消して打ち直したんだが、やはり微妙な内容だな。
肥料と違ってこういった物は物語でも必ず必要って訳では無いからね。製法が酷すぎるよ不純物の少ない天然アンモニア水は中々日本には無いからなー。
しかしアンモニア関連は工業において重要な物だからやっとかんとなー。




