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南部評定 その五

◆◆◆


「では次に将軍家との交渉に関してですが、政栄殿お願いします。」


「現在は足利義輝様が将軍職についている訳ですが、人となりは武断派ですかね、南部家と相性はいいのかもしれません。」


脳筋将軍だからね~相性抜群でしょ。俺とは合いそうにないがね。


「応仁の乱以降、度重なる戦乱で京付近は荒れ果ててますから、銭なり物資なりで援助すればいいんでしょうが……なにせ遠いですからね。」


信愛 「では、当面無視しますか?」


「三好、細川と足利家を好き放題してるところに、そっと手を差し伸べる、悪党がよく使う陳腐な手ですが……」


高信 「陳腐だからこそ、効果があるか。」


「そうですね、将軍家も北の果ての南部家に過剰な期待はしないでしょうし程良いお付き合いをすれば良いかと。」


晴政 「分かった、政栄お前に任せる。」


「任されます、いずれは朝廷に参内したり、将軍に謁見する予定なので作法とか覚えて置いて下さい、ここにいる全員ですからね。」


一同 「マジかよ。」


「ではつぎに話題にしたいのは、越後の長尾家、桓武平家の相馬氏、岩城氏の事です。」


晴政 「長尾家は最上家に盾になって貰うのだろう。」


「ええ、ですが仲良くしない手は無いですね、最上家とてただ盾になっている訳ではありませんし、まあ本題は越後廻りで京に入る経路を作ろうと思ってるんですがね。」


信愛 「最上家とは表面上はそのままの関係でいて長尾家の港を使う算段ですか、バレバレではありませんか。」


「バレバレで構いません、一度既成事実を作って、後はなあなあの関係に持っていくつもりです。」


晴政 「図々しい奴だと思っていたが、まさかこれ程とは思わなかったぞ、ところで勝算はあるのだろうな?」


「ええ問題ありません、長尾家と取引する予定があることを知っていてもらえれば十分です。」


まあ、信長といい、謙信といい分かり易い弱点のある奴は交渉が楽でいいからね。


「次に、相馬家なのですがここも大崎家、葛西家と同様、隣の岩城家との仲は最悪です、うちは貿易関連で両家に出入りしてますから。とりあえずつぶし合って貰おうと思っています。」


「そうですね、騒乱のネタは溜まってますから、とりあえず三年以内に両家でつぶし合い伊達家に援軍が出せないぐらいになるまで泥沼化させるつもりです。」


晴政 「少しは手加減しろ、同情するわ。」


「手加減?何の事かわかりませんな。」


信愛 「南部家の外交に関連する話は以上ですかな。」


晴政 「では評定を終わるとしよう。」


◆◆◆


晴政 「政栄の策、狙いはどの辺だと思う。」


信愛 「相馬家は南部家と同じ騎馬隊で勇名を馳せた家系、陸前の広い草原での騎馬隊同士の戦いを嫌ったのでは。」


晴政 「彼奴は、騎馬の特性は熟知した上で蠣崎を下しておる、使者として見聞し相馬家の力を正確に測っておるはず、その上で搦め手を選択するか、相馬家は相当手強い様だのう。」


信愛… また悪い癖がでてますね、強敵と戦いたがるんですから、困りものです。


晴政 「築館か中新田……攻めてくるなら築館付近かのう……」


◆◆◆


高信 「政栄、築館砦だが、あの城壁の形はなんだ?今まで見たことがないんだが。」


「中新田城の二ノ丸と同じく中国式の城壁で囲ってみました。」


「囲ってみましたって、ワシはあんな形の城壁の守り方なんぞは知らないんだが?」


「ふむ、日本にはああいう城壁はあまりありませんからね、そうですね高低差を利用して弓矢での攻撃が良いですかね、二年あれば高さは七十尋ななじゅうじゃく(約二十メートル)を軽く超えますからね、門の上に千人程度の弓兵が入れば、大崎家や伊達家の持っている弓は威力が低いですから、撃ち下ろしで一方的に攻撃ができますよ。梯子などで上って来られても、上から槍で突き落とせば良いですし、城壁の上は広いので、数の違いを利用して楽に圧倒できます、三千の守備兵が常駐していれば五万の兵に三日は楽に持ちますね、その間に一関砦から援軍を送り、持ち堪えている間に迎撃の軍を起こす算段です。」


「三千って、五千は城壁の上に上がれる造りじゃろ丘の段差を利用して二重の城壁にしてあるし、縄張りの段階から既に吊り橋も張ってあるが、後崖っぷちに張ってあるあの縄はなんじゃ?」


「一関砦から荷物や兵を送り込むのに使います、来年辺りには鋼のワイヤーに変えますから更に丈夫になりますよ。」


「いや、送り込むの時点でわからんのだが?」


「うちの工兵が建設の指揮を取っているので実際に見せて貰って下さい、百聞は一見に如かずですからね。」


「何の事やら、見当もつかんぞ。」


「まああそこに張ってあるのは高低差を無くしてロープで引くようにしてますから、築館砦から引っ張ってもらわないと中に入れませんし、アレを使って侵入される事はないので安心して下さい。」


「分かった、いずれにせよ何度か訓練をするから、お前も参加せい、一回指揮して見せてくれ。」


「そうですね、一度指揮したほうが分かり易いですかね……では守備側を八戸兵で、攻撃側を石川兵で分けて模擬戦形式で行いますか?門の上の旗を取ったら勝ちみたいな感じで。」


「いや、どう見ても守備側が有利だろう、一方的に怪我人が出るだけの模擬戦はせんからな。」


「ちっ!」


「あっ、今“ちっ”って言ったじゃろ。」


「何の事やら、とにかく模擬戦までは了解しました。」


「あと、矢とか槍に鏃や穂先を付けるのも禁止じゃからな。」


「緊張感がなくなりますよ、やはり真剣と言うな名の勝負(ストレス解消)をしませんとね。」


「お前の顔が悪い顔に成ってるからいやだ。」


失礼な全く本気でやらないと楽しくないじゃない、そうだなこれからは目元を隠す頭巾を深く被っておくかな。





武田の城に、縄をはって荷物を搬入できる城があったと思ったが?記憶違いかな。


調べても出てこない、川から水を汲む仕組みはでてくるんだが。


本文に書きたかったな残念。

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