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築館宿の戦い その二

◆◆◆


ハッハッハ!、貴様らの策などお見通しよ!逆に囲まれて殲滅される感想は?くっくっくこの為に夜間の山林移動を徹底的に鍛え上げてきたんだよ、誰かさん!!




などとさっきまで考えていたんですがねー




あれ?何でこうなった?



【爺】 「道盛殿の陣が突破されましたな、間もなく敵がやって来ますぞ!」



なんでじゃー!?



◆◆◆


一時間前 


奥羽街道 戸沢道盛の陣


戸沢道盛……街道で左右から奇襲してくる敵を受け止めゆっくり後退しろか、奇襲は予測してたら奇襲ではないのでは?

まあ、心に余裕を持てるのはありがたいですね。


【伝令】 「敵が左右から現れました。」


【道盛】 「全員構え!ゆっくり後退だ盾兵構え!来るぞ!!」


開戦は南部側が後退しつつ、最上側の前衛が追いかける形で始まった、上から見ると最上側が南部側の方陣二千人を鶴翼五千で包み込まんと伏兵の羽を閉じようとし、その羽の外側に迂回した小笠原信浄の千名、反対側にも直参の八戸兵千名が閉じる鶴翼を追いかける形となっていた。


【道盛】 「鶴翼に飲まれぬように街道一杯に広がりつつ後退!」


【道盛】 「各隊は連携を密に、ゆっくり後退すれば飲まれない。」


最上側 


定直…… ほう、鶴翼に包まれまいと下がったか、ここで潰走せずに後退出来るとは、相当鍛え上げてるな。


【定直】 「伝令!両翼に蜂子!その形で突けと伝えよ。」


定直…… さて後退を上回る速度の突撃は防げるかな。


南部側


【伝令】 「敵が三方から突撃してきます。」


【道盛】 「中央を少し下げて三日月陣!上手く中央へ力を流せ。」


道盛…… これも訓練でやりましたからね、対処の仕方は覚えてますよ。


最上側の突撃を盾兵の壁を使って中央へ上手く流す、中央で合流させられた最上側は狭い戦場に動きが取れず力が発揮出来ない。


突撃を抑えこんだあとの陣形は街道一杯に広がった五千対二千の方陣どうしのぶつかり合いに成っていた。


最上側 氏家定直


定直…… やりおるな、連携もしっかりして隙がない、ならば……


【伝令】 「定直様、左右に敵が!」


【定直】 「なに!?」


南部側 


【小笠原信浄】 「よし、予定通りだな、敵の側面に横槍を入れるぞ攻撃!」


迂回していた遊撃部隊が左右から最上側を挟み込み半包囲する事に成功する。


【戸沢道盛】 「よし作戦通り半包囲に成功したな、鬨の声を上げろ!」


【南部兵】 「オオオオオオオオ!!!!」


三方から南部側の鬨の声が上がり、最上兵を包み込む。最上兵達は周りを囲まれて殲滅される恐怖に動揺が広がっていく。


最上側


【氏家定直】 「くっ!やりおるな、鶴翼を包み返すか、夜の山林をここまで早く移動するとは。」


定直…… 始まって半刻も立たずに勝負を決められたか……

伏兵を予想していたのは間違いないな。なら次の無理矢理正面に突進する形も予想ずみか……


「伝令!各隊に現状を維持!出来るなら押し返せ!」


【伝令】 「はっ!」


【定直】 「直衛の氏家兵は我と共に来い!いくぞ!!」


氏家定直と直衛の氏家家の騎馬隊が本陣に集まっていくそして、一丸となり戦場の左端へ疾走していく。


【定直】 「守りは厚いようだが正面の弓兵が少ないのはいただけんな。」


【小笠原信浄】 「騎馬隊の横槍か!なに?」


敵に当たらず、味方の後ろを疾走して左翼の戦場をすり抜け戸沢道盛の前衛に迫っていく。


【小笠原信浄】 「オイオイ、味方の被害もお構いなしかよ、ちょうど良い感じで相手の陣形に穴があいたな、相手に構うなそこだ!押せ押せ!!」


【信浄】 「このまま相手の後軍を潰していき右翼の味方まで陣形を伸ばして、完全包囲するぞ!」


【信浄】 「道盛殿の正面に行くとはな、盾兵の列は騎馬でも突破が難しいのは体で覚えてるぜ。」


南部側 戸沢道盛の陣


【戸沢道盛】 「くそ、あんな所を騎馬で突進してくるとは、だがこれも想定内だ、中列!槍衾を組むぞ!!」


盾兵の裏で、三段六十人の槍衾を組み騎馬隊の突進に備える。


【道盛】 「よし、陣形を斜めに、騎馬を街道の外に流すんだ!」


盾兵の列と槍衾を組んだ列が右下がりに陣形を変化させていく。


【定直】 「ふん、馬を大事にする南部にはこんな手は思いつくまい。」


定直の指示で騎馬隊の先頭を入れ替え目隠しをした馬を先頭集団に持ってくる。そして……


【道盛】 「なっ!槍衾にそのまま騎馬をぶつけるだと!?」


槍衾を見た馬は本能で方向を変えてよけてしまうものなのだが、

定直の部隊は目隠しをした馬を槍衾を組んだ部隊にぶつけてきた、盾兵や槍衾を組んでいた隊列が粉砕されてしまう。


【定直】 「突撃!!」


号令を受け、穴が開いた個所を騎乗突撃でこじ開けて道盛の陣を突破していく。


【道盛】 「しまった!突破されたか!」


【定直】 「やはり、変化の為間を取っていたな、本陣はあそこか、ゆくぞ!!」


道盛の陣を突破した百騎程の集団が本陣目がけて駆けていく。


【爺】 「道盛殿の陣が突破されましたな、間もなく敵がやって来ますぞ!」


な?騎馬であの狭い戦場を抜けてくるだと!?


次の変化の為間を開けていたのが仇になった?


騎乗突撃を喰らう?


あれ?なんで?正面は厚く……




なんでじゃー!?



◆◆◆


政栄…… クソー槍衾に裸馬をぶつけるだと!ふざけんな汚い手を使いやがって、そんな手を使うのは俺だけでいいんだよ。


【政栄】 「皆、陣幕の後ろから左の林へ!爺!墨染めのロープを騎馬の高さに!」


【政栄】 「皆は奥から弓を放て、俺に当てんなよ!」


【爺】 「若は?」


【政栄】 「俺は、これで時間を稼ぐ。」


赤いドクロマークの麻袋をみせる。


【斎藤衆】 「若!我々も!」


【政栄】 「よし!お前たちはこっちを火にむけて放るだけでいい、俺が放ったら後ろを振り返らずに走れ!決して俺が放った奴を見るんじゃ無いぞ!」


政栄…… どうせ本陣は畳むつもりで用意してたんだくれてやる。

これはまだ未完成品なんだが……ええい相手が先に汚い手を使ったんだ文句は言わせないぜ。


◆◆◆


最上側


氏家定直…… よし!あれが本陣だな、変化の為間を開けたのが仇になったな!


【定直】 「突撃!」


本陣の陣幕に突入する騎馬武者たち……だがすでに本陣は脱出した後だった。


【定直】 「なっ?もぬけのからだと!」


【?】 「ハァッハッハッハ!、この愚か者どもめ!」


【定直】 「何やつ!」


【?】 「貴様らに名乗る名など無い!」


【定直】 「その兜飾り八戸だな!貴様、大将の癖に本陣から逃げるとは臆病者め!」


【政栄】 「くっ、やられるまで本陣に籠もっている馬鹿はお前の主君だけでたくさんだ、たわけの最上が!」


【定直】 「なにを!貴様出鱈目を!」


【政栄】 「やーい、ばーか!、ばーか!」


【定直】 「ええい、大将首だ取って名を上げろ!!」


【政栄】 「そんな、愚か者どもにはこれをくれてやろう、てえい!」


赤いドクロマークの麻袋に手を入れて仕切りを取り出し軽く振ってから本陣のかがり火に投げつける。

同時に斎藤衆も黒い麻袋を近くのかがり火に投げつける。


【政栄】 「見るなよ!全員撤収!!」


赤い麻袋に火が付き、一瞬で辺りが閃光に包まれる!!


【定直】 「ぐっ、目が、閃光玉とはあやつ忍の者か?」


【政栄】 「あばよ!とっつあーん!」


政栄と斎藤衆は黒い麻袋からでた大量の煙に紛れて林の奥へ逃げ出した。


【定直】 「ええい、追いかけろ、主を侮辱した奴らを逃がすな!」


【政栄】 「ハハハ、つかまえてごらんなさーい。」


既に林の奥へ奥へ逃げ出し見えなくなっていた。


【定直】 「追いかけろ!捕まえるんだ!」


林の中に突入する騎馬武者たち……


しかし、至る所に目立たぬように黒いロープが張られていた。


「ぐあ!」「がっ」首や肩にロープが引っかかり落馬する兵達。」


【政栄】 「ハッハッハ!矢を射掛けよ!」


闇の奥からかがり火に照らされた人影に矢が振り注ぐ。


【定直】 「クソ、あの黒坊主が!ええい馬を降りて捕まえるんだ!」


政栄…… いや、それは悪手でしょ。


本陣のかがり火に照らされた人影に矢を射掛け次々と倒れる氏家の兵達、だが執念が実ったのか一人の兵が政栄を刀の間合いに捕らえた。


【氏家兵】 「死ね、クソ坊主!」


【政栄】 「フン!」


槍を放し居合で刀を振りかざした兵を横薙ぎに斬る。


【政栄】 「戦場では刀は振りかざさずに、突く!こう!」


返す刀を腰に戻し突く!軽く横にずれて突く!


【爺】 「若、ご無事ですか!」


【政栄】 「ああ、問題ないって、これでも紹介状を貰える程度の腕はあるのよ。」


【爺】 「大将が斬りあいなど!」


【政栄】 「そうだなあ、大将が白兵戦をした時点で負けだわな。」


【政栄】 「このまま、林を迂回して小笠原のところに逃げるとしよう、まだ戦は終ってないからな。」


【爺】 「はっ!」


【政栄】 「よーし、全員撤収!!」


闇の中に消えていく政栄達……


◆◆◆


【伝令】 「逃げられました。」


【氏家定直】 「クソ、本隊は囲まれて殲滅寸前か、仕方がないここは引くぞ!、氏家の直衛を集めて奴らの背後を襲い戦場を抜けて撤収する。」


【氏家兵】 「ハッ!!」


速やかに集団になり戦場に突撃していく……


この後、氏家定直は犠牲を出しながらも軍をまとめ無事戦場を離脱した。


築館宿の戦いは、両軍共に多数の死者をだして南部の勝利に終わった。


◆◆◆













閃光玉、煙玉は戦国時代に実際あったので開発しません。

スタングレネードになると開発が必要ですな。

作中のは大きな閃光玉です……といいはる<(_ _)>。

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