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三戸開発、八戸領もちょっと。

三戸周辺


「…とこのぐらいでしょうか。」


ヤンデレから三戸周辺の説明を受けた訳だけど、流石というか、南部最高の内政値はだてじゃないな。

まあ、作柄の不一致を解消させればなにもしなくても良いんだけど、くくく、どうせなら、俺の趣味をいれてやろうかな。


「とりあえず、実験農場をつくり、いろいろな作物を造らせて見ましょう。風土に合う作物を育てるのが一番です。」


だいたいの正解は知ってるけどね。


「ところで政栄くん、八戸領の今年の石高の予想は幾らですか。」


ドキー! ななにを聞いてるんだ、こやつ


「ははは、米は八千石くらいですかな。」


「米は?雑穀合わせていくらですか?」


ちっ、調べは付いているのか、能力高すぎは困るなー


「六万石、とちょっとかなー、」


「海産物は調べが付いてます。」


鬼め!


「八万石です。」


「塩、農具、馬具合わせて。」


「十二万石、相当!これで良いですか。」


「貯め込みましたね、まあ、上納の規定にないものが殆どですが、今年からしっかり納めてください。」


くっ、堺でのショッピングが遠のいた。


だが椎茸には気づいていまい、まだ世にだしてないしね。


「ああ、そうでした、干し椎茸は、乾貨(干し鮑、干しナマコ)扱いになりますから、半分上納です。」


あんた、エスパーですか。(泣)


「しかし、四年ほどで十倍ですか、呆れますね。」


「開発に回してるから、殆ど残ってないよ。」


「それでも、来年からはまた倍近いでしょう、田名部領も動き始めたようですし。」


なんで正確にしってんだマルサかおまえは。


◆◆◆


「なる程、人口上昇と食料生産で十年後を見通してなら伊達を中心とした大名と互角に戦えると。」


「それだって、一回の災害や不作でふっとぶぜ。」


「だいたい、米以外の合計なら上方は三千万石を超えてるんだ、十万石なんて誤差の範囲だろ。」


「中央と比べてもねえ。無いものねだりしてもしかたありませんよ。」


「だから、特産で金を稼ぐんだよ。」


「金の還流ですか、物々交換が現状でそれ程効果がでますかね。」


「現実は小麦の貯蔵だけどね。」


「米ですらないと。」


「と、いうわけで、麦を主食にするための水車を使った製粉をね。」


いやー、話がわかる人って有り難いなー


◆◆◆


江戸時代に南部藩で小麦が米と同じ作付け面積で六倍以上取れたと言う話が麦六万石の根拠になってます。ただ、米が金だったわけですから、あくまで米を作り続けたと。

転作をしなかったのは自分は不満ですね、ある程度飢饉に対応出来たでしょう。

明治直前の一揆では、不来方を通りこして、隣の伊達藩に直訴される信じられない恥をかいてますしね。情けなし無念。

徳川慶喜がお怒りだった書状がのこってます。(泣)

おフランスの女王も米がないなら、麦を食べろって言ってないか。


◆◆◆


八戸政栄と北信愛が、南部の内政の両輪だったのは知ってたけど、こんなに話が合うとは思わなかった。

現状では、農業は溜池をつくり、水温を上げた農業用水を使うことで合意した。川の堤防とかを作る本格的治水はまだまだ無理だね。


「特産といいましたが、三戸周辺の特産品を何か考えているのですか?」


「ニンニクはまたこの辺にはないか、ネギ類、長いも、自然薯の養殖、リンゴはない、銀杏、サクランボ、大根の二期作、トマトもない、芋類もない、豆類、ニラ、養鶏(←あっ)、卵、豚、牛位ですかね。」


「火山灰質で水はけがいいので山芋か自然薯の養殖が特産としてよろしいかと。」


「日持ちがしないねえ、大根の二期作が本命ですな。」


ふーん、堅実な選択、まあ、おおきくミスしないタイプだな。


「なるべく、早めに麦類に、転作を行いたいですね。」


「晴政様の許可がいりますね、説得できますか?」


「前から考えていた案があります。源流の大名と交易を行い、米と特産品を交換しましょう。」


「前からというと、候補も考えていますか?」


「第一候補は、今川氏ですかね遠いのが難点ですが。石高もたかいし、国内もまとまっています、当主の義元殿は東海一の弓取と評判もいい、無碍にはせぬでしょう。」


「今川義元殿か、遠いのが難点ですな、ふむ。」


「第二候補は、源氏ではありませんが北条氏ですね、領地拡大を続けている反面、善政をしいています。長く友好を結ぶならここかと。」


「源流でないから、一からの話し合いですね。」


「第三候補は、越後の長尾ですね、国内も纏まっていませんが石高はたかいですね、麦酒を蒸留した酒とならよろこんで交換してくれます。」


「君、酒も造ってたんですね、上納の項目にいれておきます。」


しまったーおのれ謙信め!


「じょ、冗談はともかく、…」


「いえ、本気です。」


「まあ、余裕のある大名はすくないです。このみっつの大名とよしみを結んでおくのがいいと、思います。」


◆◆◆


八戸領 港区


棟梁 「これが完成した中型一号艦の南部丸の一番艦だ。」


「チェンジで。」


「チェンジってなんだ?」


「いや、ただデカくしただけだし、なにこの洗練されてないズングリした船体。」


「仕方ないだろ、初めて作るんだ、物ってなあでかくする方が難しいんだ。」


くうー、まあいいか、いつかはガレオンで(泣)


◆◆◆


八戸領 大工丁


熊八 「せっかくの鉄が勿体ねーなんで鉄板ばっかりこんなにいるんだよ。」


羽後平定からしばらくして熊八に頼んでいた鉄板が完成した。


「せっかく、九戸から鉄鉱石貰ったのによう、こんな物作らせて、なんに使うんだよ。」


「おう、そういや、完成型おしえてなかったか。」


「ほら、麻糸を脂につけて縒った特製ワイヤーがあるだろ、これで弓を作るんだよ、ほれ金具はもう出来てる、組み立てるだけだぜ。」


「図面見せてみろ、なんだこれ、おかしいと思ったらなんだこの大きさ、お前……いや、そんなやつだったな。」


なんだよ、ただの攻城用のバリスタじゃないか。


そのあと、完成したバリスタを試射したが……


封印と相成った。


じじいと父上にめちゃくちゃ怒られちゃった。

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