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常陸国 乱 その二十一

なかなか進みませんが<(_ _)>


二十の方も二千文字に直しているのでよろしく<(_ _)>

◆◆◆


「殿、鹿島の南部丸から増援の者達が到着しました。」


行軍予定が遅れていたのは承知していた訳だからね、こんな時の為に鹿島臨海で測量作業をしている南部丸の弓隊員を集めるように連絡していたのが来たか、なんとか間に合ったな。


「そうかご苦労、皆の様子も聞きたい誰か一人呼んでくれって……」


小助

「既に御前に。」


「オーイ小助は船団の指揮に残してきたのに、来ちゃったのか。」


「申し訳ありません弓の達者な者を集めよとの事、工藤殿に船団の指揮を任せてきました。」


「謝ることは無いぞ、来ちゃったものはしょうが無いな命令違反でもないし(よく考えたら俺の二重命令だし)、ちょうどいいじゃあ弓隊の指揮は小助に任せるか。」


「ハ! 身命にかえましてても。」


相変わらず固い奴だが正直ありがたい、俺の策には八戸弓隊の強弓が必要だからな小助が指揮してくれるなら願ったり叶ったりだな……工藤、船に弱いのに大丈夫だろうな……。


「鹿島港で測量作業の進捗をみて、陸上で地図に纏める作業をしてます。」


「船は船長達が指揮してるのね納得。」


「霞ヶ浦の測量作業、潮の流れの調査等は順調に進んでおります。」


「わかった、八戸領からの報告がきているだろ、そっちも頼む。」


◆◆◆


「なるほど、ここ二週間の自領の事はわかった、後で指示を書いて渡すから鹿島に向かう連中は休んでおくように。」


爺が怒っている以外は問題なしか、しょうが無いじゃん成り行きなんだし現状爺しか留守居役任せられないんだから……まあ帰ったら説教がありそうだな。

冬の間に増やした塩の生産工場が稼働したか……後々のために塩の増産は続けておかんとね塩は湿気だけ気にしていれば腐らないし、金を造っている様なモノだからなドンドンいこう。

春の最大の懸念であるヤマセの兆候もなしか、前回から開いてるからそろそろくるかもな冬小麦にどれだけ影響があるかわからんが被害の少ない事を祈るのみだな現状は何もできん、飢饉に繋らなければ今年はなんとかなるか。

飢饉だとどこも内乱を潰すので精一杯になるから戦にはならないがね、子供が犠牲になるから人口や世代構成のバランスの回復に何年もかかるからな……周辺より発展してるとはいえ飢饉でも耐えられる領造りは俺の目ではマダマダなんだよね。

……さてと、こっちは策は定まっているんだが斯忠次第では少々作戦を変更しないとな。


小助

「殿、来る途中で山鳥を仕留めてきたのですが。」


「ん? そうか当然血抜きはしてあるよな、なら………短い毛やうぶ毛は纏めて採っておいてくれ羽は矢に使うよな……骨の太い所はダシにするからそれ以外は叩いて鳥団子にしようか。」


「そう仰ると思って、途中で山芋を調達しておきました。」


「用意がいいなじゃあ雑穀のお粥に、山鳥のツクネ汁かけにするか人数ぶんがん作ってくれよ。」


「はい、お任せ下さい。」


フム、羽毛布団は絹の反物を目を細かくして羽根を入れてまとめれば肌触りも良いし軽いから高級品として売れるかな? 売れる高級品ねえ……鶏羽のダウンでも絹反で作れば高級品かな? どうせ矢羽に使う所以外は捨てていたものだし矢の増産をするときはかなりうぶ毛は余るんだからな、廃品回収廃品利用。

……そうじゃなくて、騎馬の数だったな脳内シミュレーションの結果は二十戦して一敗か……斯忠が討ち取られた場合の最初のみ敗戦だったな、次からは討ち取られた後の対応もできてるし問題ないかな……やはり敵四千には騎馬二千で奇襲これで時間も十分取れるだろ……


「殿、支度が整いました。……殿!」


小助

「思案の海に沈まれたようだ、殿の分は取っておこう邪魔をせんように静かにしておけ。」


「わ、わかりました。……ところで思案の海とは?」


「殿がそう仰っていた、意味はわからん。」


「そうですか。」


◆◆◆


斯忠

「よう!ただ待ってるのもあれなんで馳走になってるぜ!」


「呼んだのは俺だからな……まあそれは別にいいんだが俺の分は?」


「心配要りません、鍋を一つ残してあります。」


「鍋一つって……皆食べたんだよな、ならまあいいか、俺一人では食べきれないし。」


「しかし、政栄の所はいつも美味いもの食ってるよな、あ!お代わりくれ、鳥団子とか豪華だな。」


「俺にも一椀頼む、葛があれば餡かけにするんだがな団子なら皆にいき渡るし叩いて茹でるだけだからそんなに手間もかからない、昔から南部では戦場で糧食として食べてるさ。」


◆◆◆


「……うん、ご馳走さん温まるし粥仕立てだから腹にもたまるな、俺ん所でもマネしよ。」


……周りの良いところを取り込み成長する将か……人材豊かで羨ましいというか、こいつも万が一で潰すのは惜しいかな。


「斯忠殿話は聞いているな。」


「真面目な話か、ああ敵の別働隊に当たる騎馬隊を任せてくれるんだろ勿論聞いてるよ。」


「敵の別働隊は四千程、こちらは八千まで用意できる。」


「もしかして幾ら欲しいかって話か?」


「そうだ少ない程御主の手柄になる、その分本隊の兵力を削らずにすむからな。」


「ムムム、政栄殿は幾らなら俺で可能だと思ってるんだ。」


「御主が先頭に立って突撃するなら二千、中央で指揮するなら四千、後なら八千。」


「なんだ、じゃあ二千でいいやどうせ細かい指揮は出来ないし政栄も先頭で突っ込ませる腹積もりなんだろ。」


「わかっているなら話は早い、先陣大将として初手で敵に突撃してくれその一戦での勝敗は問わない、そのまま戦場を抜けて筑波山の方か真壁領に向かって貰うかは連絡次第だな。」


「鹿島の連中が調略をしてるんだったな、敵の大将首は狙っても良いんだな。」


「奇襲を仕掛けるんだから余り時間は取れないぞ、別働隊の糧食を狙うのが本命だからな。」


「そっちは任せていいんだろ、じゃあありがたく手柄首を狙うとしよう。」


「だからそんなに時間は取れないからな、一当して脱けるつもりでいいんだから。」


「ハッハッハ!!」


あーこれはやる気だな、まあ役目を果たしてくれれば後は自己責任だからいいか。






この策というかこの時代の最新?の戦法はウゼー君とのあの夜話していたのかもしれませんな。



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