助言
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三戸城での行儀見習い?を終えて、鈴姫一行が帰ってきた。
のだが………
鈴姫 「政栄様、ただいま帰りました。」
……あきらかになにかがおかしい……
「まあ、二十日ほどであったが、三戸城はどうだった?」
「皆様、優しい方々ばかりで、大変勉強になりました。」
……まだまだ仔猫だが、猫をかぶってやがる。
「そ、そうか鯛と海老のいいのが港に揚がっていたから貰ってきた、ちらし寿司を作っておいたから後で皆で食べよう。ちょっと時刻的に風呂には早いが、ボイラーに火を入れてあるまずはゆっくりと風呂にでも入ってくると良い。」
「そうですか、ありがとう御座います。では一旦失礼いたします。」
「うむ、そうだ綾は少し残れ、装備品の事で話しがある。」
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「いやー、スシか久しぶりだね、白米とか滅多に食べないのに如何したのかなー。」
「嫌な事を強要したわけだからな、俺の心の均衡を保つ為の措置だがなにか?」
「……そう言うところが可愛くないんだよ。鈴のために作ったとかいえないのかな。」
「可愛くなくて結構だ!、それよりなんだアレは、いや猫を被っている事ではないぞ、むしろ良くぞ身につけてくれたと思っているが、どういう心境の変化だ、二十日ほどであんな風になるとかなにがあった?」
「見たまんま、三戸城の面々に感化?された?」
「感化されたとか……そこを詳しく説明しろと言っている!」
「うーん、晴政様の奥方の葵の方様と会って、なんだか気に入られて、今に至る?」
……誰か、文才のある翻訳ソフトをカモン!!
「わかった。とりあえず三戸城でなにをしていたか朝から一つ一つ頼む。」
「え!今の説明でわかったの?」
「うむ!分からんから一つ一つ行動を掘り起こしてみようか。」
「えーと、朝起きて皆で集まって……」
……ふむふむ、朝から働いていたとは関心関心。
「道場で薙刀の稽古。」
「だろうな、期待した俺が馬鹿だったよ。」
「なんのこと?朝の稽古は武家なら当たり前じゃない。」
……おのれ、源氏め恐しい慣習を残しおって。
「わかった……で、次は。」
「朝ご飯……八戸領の御飯は美味しいって言ってたよ。」
「ん?直参以上は体造りの為根城の食堂で食事を提供しているんだが、それと同じメニューだよな?玄米御飯か雑穀御飯、目玉焼きや金平ゴボウ、ホウレンソウか小松菜のおひたし鰹節かけ、豆腐の味噌汁、魚の塩焼きか煮付けだろ。おまえら納豆食わないし。普通だろ一般的な大名の朝ご飯なら。」
「三戸城じゃ、そんなにおかずはないんだって、山菜の味噌汁に香の物だけだってよ。」
「香の物って漬物の事だよな、山菜は秋に取れたのを塩漬けにした奴だろうし、そいつはずいぶん質素だな、本家なんだから卵位付けれは良いのに。」
「普通に卵が食卓に上がるのはここの食堂位だと思うよ。」
「そう言えば、毎朝卵が食卓に出るようになったのはここ三年ぐらいか、鶏舎がまだまだ普及してないからな……うちで食べるって……朝稽古の後普通に食堂で卵焼きを出してるから一日四千個は生産しているか……魚の頭とか帆立の殻を砕いたのを混ぜてかさ増ししている餌、他の地域でも餌の問題を解決すればタンパク質の常時摂取からの肉体強化……」
「おーい、政栄?聞いてる?」
「おお脱線したな、スマンスマンで?朝食の後はどうした?」
「少し休憩して、乗馬というか流鏑馬?三日に一回位に遠乗りをやってた。」
「遠乗りか、騎馬の訓練は盛政のじじいに任せっきりだったからな。ふむふむって姫様方がやってるんだよな。」
「そうだよ、お昼は軽くお茶して午後からは弓を、たまに狩りにいってた。」
「一応聞くけど鷹狩りじゃないのだな?」
「うーん、雉とか少し大きい獲物を狙うけど、鷹は使ってなかったね。」
「生活密着型の狩りですか、まあ予想通りだなーハッハッハ、それから。」
「夕食後は特にする事もないし、皆で集まって鈴がオモチャにされてた。」
「そこだ!」
「え?どこ?」
「そこの夕食後の集会だな、会話の内容は?」
「いや、あたし護衛だし外で他の護衛の人達に混じって控えてたから。」
……使えねーその会話の内容が重要でしょ。
「まあそれでは仕方ないか参加していた人を後で教えてくれ、長々と悪かったな風呂にでもつかってゆっくりしてくれ、付いていった者は明日は休める様にしてある。」
……誰かの入れ知恵か、くっ情報が足りない。
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「なにか鈴の様子変だった?」
泰造 「鈴が普段、政栄に見せない顔を見せたので、戸惑っているんだよ。」
「なるほど、政栄の前では無口というかウブだったからね。」
「要するに本家の葵の方の入れ知恵だろ、鈴が素直に言う事を聞くのは、尊敬というか憧れている人からの助言だからだろ、まあ政栄の様子だと理解できてないと思うね。」
「そういえば、そういう知識は無いんだよね、政栄って。」
爺 「お前達、今は立場があるんだから敬語を使えとあれほど……」
「「さいならー!」」
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