99/108
98.殴ってほしい
休憩中のラシディアのもとへ、思いつめた雰囲気のオリアントがやって来て言った。
「ラシディア、私を殴ってください」
「え?」
「私の発言があなたを傷つけたと、聞きました。不甲斐ないことに私自身は心当たりがありませんが……。どうぞ。気が済むのであれば、あのハエ叩き魔術道具で打ってもらっても」
「そ、そんなことしませんっ」
「……もう、私には殴る価値もないということでしょうか」
捨てられた子犬のような表情でこちらを見つめる騎士を、ラシディアはひとまず人気のない場所へと引っ張って行った。
なんだか深刻に受け止めているオリアント。




