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94.小鳥のような彼女?
休憩時間。
オリアントはラシディアとふたりでベンチに座っていた。
季節はすっかり冬ではあるが、今日は小春日和で風もない。外の空気が心地いいくらいだった。
オリアントは、こうして季節を感じるのが好きだ。ラシディアも楽しそうにしてくれているのが、また嬉しかった。
そこへ、ぴぴぴ、と小鳥の鳴き声が。
「おや、あまり見ない鳥ですね」
「そうですね。渡り鳥でしょうか」
まさに小鳥という名がぴったりの小さな生き物は、枝の間をぴょんぴょんと飛び回っている。
その細い足で、よくもそれほど動けるものだとオリアントは感心した。
すると小鳥は不意に枝の上を移動したかと思えば、次の瞬間にはなんとも立派ないも虫を捕まえていた。
オリアントは再び感心しつつ、何かに似ているなという既視感に首をひねる。
見た目はか弱いのに、意外なたくましさを感じさせるもの――と考えながら視線を動かしたところで、なるほどと頷いた。
隣の彼女に似ているのだ。細い手足の儚げな淑女でありながら魔術道具で虫を退治するたくましさを持つ、ラシディアに。
「リアン様? なんだか楽しそう?」
「ふふ、いえ。あの小鳥が好ましく思えて」
「そうですね、可愛らしいですものね」
「ええ。とても、可愛らしいです」
オリアントが「可愛らしい」と言っているのは、小鳥のことじゃないですよ?(^^)




